結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年12月31日(火曜日)

コトラー「富と貧困・平和」マーケティングと「毎日更新終了宣言」

2013年大晦日、
横浜の空。
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テレビ消しひとりだった大みそか
〈俳号 風天こと渥美清〉
今朝の日経新聞『春秋』がとり上げた。

巳年にもお世話になった。
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ベランダのシクラメン。
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キッチンの多肉植物オウレイ。
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みんな生きている。

なのに大滝詠一、急死。
65歳。

今年の最後の最後にまた訃報。

昨日30日午後5時半ごろ、
東京都瑞穂町の自宅で倒れ、
搬送先の病院で逝去。

伝説のバンド「はっぴいえんど」。

好きな日本のミュージシャンを、
ひとつだけ上げろと問われれば、
私は迷わず、「はっぴいえんど」
と、答えるだろう。

私の青春そのものでもある。

ご冥福を祈りたい。

「凡事徹底・有事活躍で
[毎日更新宣言]を発します」

振り返ってみると、
結城義晴の[毎日更新宣言]は、
2007年8月23日に初めて、
発せられている。

他人事のように書いたが、
もう6年と5カ月ほど前のこと。

はるかかなたのような気がする。

その最初の[毎日更新宣言]は、
その年の12月31日に終了して、
翌日の2008年1月1日に、
1年間の[毎日更新宣言]を約束した。

そしてまた2008年12月31日に、
終了宣言。
2009年1月1日に、
毎日更新宣言。

そんな形で、
今日2013年12月31日まで、
繰り返してきた。

だから[毎日更新宣言ブログ]は、
今日で連続2323回目となります。

語呂は「ニーサンニーサン」か。

引き算をすると、
来年の177日目が、
記念すべき2500回となる。

つまり、2500回記念日は、
2014年6月26日。

ちなみに私は毎日更新を、
1万回続けようと企図している。

ざっと見積もって28年とちょっと。
だから83歳のころが1万回。

もちろん現在のブログ形式は、
もっと進化しているはずだが、
趣旨はずっと継続していくつもり。

はじめに1000回を達成した時には、
「ああ大変だった」と思う反面、
「何だかできそうだ」とも感じた。

そして故渥美俊一先生の言葉を思い出した。
「1+99」=「100」

今現在を1と考える。
そしてプラス99するんだと決意する。

そうして100倍の仕事をする。

今を100と考えてしまうと、
来年は105、次も105。
あるいは来年は103、次も103などと、
矮小化していってしまう。

それが渥美流の思考方法。
「成長の法則」。

その時に、私は、
1をきちんと達成することが、
その後の99につながるんだと、
自分のブログ更新で確信した。

今年の1がきちんとできたから、
きっとプラス99もできる。

多分、人間は一生に、
プラス99まではできるんだろう。

渥美先生はそう、
励ましてくれたんだろう。

昨年の12月31日のブログを見てみると、
私はこう書いている。

「今年1年、
この言葉には助けられた。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

2012年の366回分まとめた感謝を、
今、この時に、心から表明しよう。

もちろん、来年の希望と努力は、
今年の366回分をまとめて、
2倍3倍にして、高め、掘り下げよう」

なんと「2倍3倍」を言っていた。

しかし28年後には、
100倍返し。

やってみよう。
そんな気力が湧いてくる。

さて2013年12月は、
日経新聞『私の履歴書』で、
フィリップ・コトラー先生を楽しんだ。
それも今日で最終回。

今日のタイトルは感謝」。
感謝で終わるところに、
マーケティング学者の真骨頂がある。

「拙著『マーケティング・マネジメント』が、
世界中の経営者や政治家、
マーケティング担当者、学生などに
読んでもらった事実には
喜びと同時に恐れも感じる」
しかしこれが処女作だった。

一番初めに書いたものに、
すべてが入っている。

空恐ろしい。

「私の理論や推奨する活動が
誤り、あるいは不十分なものだったらどうなるのか。
私の主張を覆す理論は登場していないが、
だからといって今後も主流であり続けるのか。
それが望ましいかもわからない」

これはすごい自信。

しかしコトラーは述懐する。
「貧富の差は目に余る。
資本主義は世界人口の数%を
豊かにするにとどまっている。
経済的繁栄は
もっと多く の人が享受すべきだ」

だから12月28日には、
「富と貧困」と題して見解を述べている。

「富裕層は近視眼的になりがちで、
プール付きの豪邸の外に思いをはせる人は少ない。
彼らは富を分不相応にかき集めることが、
自らのクビを絞めると理解していないのだろうか」

「富の偏重は結果として
中産階級の購買力を低下させ、
消費需要は横ばいか減少する。
雇用も減る。

国民の不満が募り、
それが怒りとなるのは否定できない」

「マーケティングの世界では
顧客の役に立つことの重要性を
強く訴えているにも関わらず、
世界の人口70億人の顧客のうち
注視してきたのはわずか大富豪、富裕層、
中産階級など約20億人だ」

だからコトラーは主張する。
「残りの50億人に目を向けるべきだ」

しかし、多くのマーケティング関係者は、
「貧困層はお金を持っていない」
「貧困層を相手に商売しても利益は出ない」
木で鼻をくくったような言い訳に終始していた。

空気を変えたのは2004年。、
経営学者のC・K・プラハラード著
「ネクスト・マーケット」。

「貧困層の手が届くような安価な製品やサービスを
作るように訴えた」

コトラーは言う。
「わが意を得たりだ」。

「何の変哲もない製品が高いのは
ブランド維持や広告に
金をかけすぎているのだ」

同感。
だから私は、
コモディティ製品を尊敬するし、
軽視したりしない。

そこで2009年に出版したのが、
「アップ・アンド・アウト・オブ・ポバティ」
貧困から抜け出す処方箋が提示されている。

「富の偏重と貧困からの脱出。
前者は政府の介入が必要だろうが、
後者はマーケティングの高貴な志があれば
解決できると確信する」

素晴らしい。

さらに29日には「平和」のタイトル。
「マーケティングで世界に平和を実現させる方法」
これを考察する。

「今、米国に必要なのは
アメリカン・ドリームのように
米国人に豊かさをもたらすだけでなく、
すべての世界でより良き社会を実現する
推進力になることだと強く思っている」。

ここから「コンシャス・キャピタ リズム」が生まれる。
「意識の高い資本主義」。
「利益追求だけでなく
飢餓、貧困、栄養失調の解消など、
あらゆるステークホールダーの心を動かす
高邁な目標を掲げる社会のこと」。

それなのにマーケティングは、
「人間の欲望には際限がなく、
それに加担した」。

「健康を害するモノや、
地球環境に負荷を与えることなどを考慮せず
売り続けた時代もある」

そうした反省を踏まえ、コトラーは、
マーケティングに新たに2つのP」を加えた。
PeopleとPlanet。
人と惑星。

このあたりはひどく文学的。

つくづくと思う。
フィリップ・トラーは、
キャッチフレーズをつくる人でもある。

いま執筆中なのは、
「資本主義の再考と解決策」。

鮒に始まり鮒に終わる。
釣り師の極意。

コトラー先生、83歳。
この境地なのか。

私はそれまでまだまだ、
あと7677日。

しかしそれでも、
この2013年の大晦日。
1年間のご愛読を心から感謝しつつ、
毎日更新の終了を宣言する。

〈結城義晴〉


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