リクルートとPonta共通ポイント統合のビッグ・データと顧客分析
ゴールデンウィークの間の通常日。
しかし朝の電車の中は、
ガラガラ。
やはり飛び石でも、黄金週間。
朝から東京・大門。
雨模様で、
東京タワーも上部は、
霧に隠れて見えない。
それでも芝公園の緑は、
逆にイキイキ。
公園の彫刻も、
雨の中なのに躍動している。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
定例取締役会。
略称CCL。
このベンチャー企業、
すごいスピード感。
見ているだけで、
嬉しくなる。
期待してください。
さて、CCLのビジネスにも関連するが、
日経新聞一面トップ記事は、
「リクルート、『ポンタ』と統合」
「Ponta(ポンタ)」は、
㈱ロイヤリティマーケティングが運営。
同社は三菱商事の子会社で、
従ってPontaカードを活用して、
ポイントサービスの成果を上げているのが、
コンビニのローソン。
ローソンはデータと会員の年齢などを分析し、
商品開発と販促に活用している。
そのPontaと、
リクルートポイントが、
共通ポイントを統合する。
今夏、相互交換スタート、
来春、ポンタに一本化。
それによって、
宿泊予約のじゃらん、
飲食店予約のホットペッパーグルメ、
クーポン購入のポンパレが、
Pontaに統合される。
リクルートは従来、
じゃらんやホットペッパーグルメなど、
個別にIDを発行していた。
しかしそれを、
結婚情報の「ゼクシィ」や、
転職情報の「リクナビNEXT」などと
1つに集約。
今回さらに、Pontaに集約する。
ちなみに「ゼクシィ」の会員は、
数十万人規模。
Pontaは明らかに、
ビッグ・データ分析に向かっている。
Pontaは会員数6000万人超、
リクルートは1000万人超。
合わせて7000万人超。
Tポイントの4800万人を凌ぎ、
楽天スーパーポイントの9000万人に迫る。
カルチュア・コンビニエンス・クラブのTポイントは、
昨年、ヤフーとポイントを統合。
こちらはファミリーマートで使える。
楽天も今秋には、
共通ポイント「Rポイントカード」を発行予定。
楽天市場で使われる楽天スーパーポイントと、
実店舗のポイントを統合する。
こちらはサークルKサンクス。
つまり、ポイント統合は、
一大ブームで、
それぞれにコンビニ大手がくっついている。
日本国内での共通ポイント取引額は、
推定1兆円を超える規模。
TポイントとPontaの、
2陣営が競り合っていて、
加盟店舗数は、
合わせて9万店超。
しかしそれ以外にも、
イオンのワオンや、
セブン&アイのnanaco(ナナコ)は、
電子マネーにポイントがつく。
さらにブルーチップのBeamなど、
ローカルに徹した共通ポイントシステムもある。
リクルート・ホールディングスは、
ロイヤリティマーケティングに約15億円出資し、
出資比率約15%。
ロイヤリティマーケティングは今夏、
80億円規模の増資をして、
システム投資を図る。
ビッグ・データという概念。
もちろんここにも、
クリティカル・マスの仮説が当てはまるが、
そのスピードは、
有店舗ビジネスのネットワークづくりの速度とは、
比べ物にならない。
そして最初に、
クリティカル・マスを突破した者に、
特権が与えられ、
他の競争者を統合していく。
つまりはネットワークの網の世界。
しかしそれも私は、
リアル店舗での購買との融合が、
鍵を握ると考える。
スピードの速いものが、
速度の遅い者を引きずって、
囲い込み競争を展開する。
速度の遅い者が、
どれだけ多くのネットワークとなるか。
しかし最後はいかに顧客に迫れるか。
つまり顧客の幸せに貢献できるか。
そのためにもポイント還元だけでなく、
ID-POS分析でいかに、
顧客の行動を知ることができるか。
まさしくそこに、ポイントがある。
〈結城義晴〉