ウォルマート第1四半期決算とラスベガス講義・調査・インタビュー
日経新聞『企業欄』、
フラッシュニュースの短い記事。
「カスタマー・コミュニケーションズ
ビッグデータ活用支援強化」
私が非常勤取締役を務めるFSPの会社。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
「官民ファンドの産業革新機構などから
約5億円を調達」
調達先は、今のところ5社。
株式会社産業革新機構(能見 公一社長)、
株式会社プラネット(田上 正勝社長)、
株式会社博報堂プロダクツ(江花 昭彦社長)、
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング(大竹口 勝社長)、
株式会社インテック(滝澤 光樹社長)。
増資して、システム投資をし、態勢を大幅に整備し、
「ビッグデータの活用支援事業を強化する」。
本腰を入れて、
日本の顧客ID-POSの購買履歴データの活用を進め、
簡易分析サービスや販促支援を展開して、
業界の発展に貢献します。
よろしくお願いします。
さて、今日のDaily商人舎。
ウォルマート2014年第1四半期発表
「微増収」ながら大寒波の影響で「減益」
0.8%の微増収といっても、
年間に換算すると3兆4000億円にもなる。
ウォルマートは、
パーセンテージで論じてはいけない。
額で評価するべきだ。
粗利益率でモノを考えるのは二次的な分析として、
基本的には粗利益額を目標とすべきであるように。
さてラスベガス滞在2日目。
朝8時半に、レジデンス・イン・マリオットホテルを出発し、
フラミンゴホテルの会議室へ。
今日から最終日まで、
このフラミンゴホテルを拠点に活動する。
ストリップの中心に位置するラスベガスの定宿。
さて第1回の結城義晴のセミナー。
ベーシックコースでは毎朝、
2時間を超える講義を行う。
9時から11時半まで、
アメリカ小売業視察の見方から、
視察企業の立ち位置までを解説。
さらに世界商業の革新と経営数値との関連性、
商売の理念まで、一気にガイダンス。
参加メンバーは今日と明日の2日間、
9チームに分かれて、
視察店の商品&価格調査を行い、
各社のMD戦略を研究する。
ベーシックコースの特徴の一つだ。
その研究結果を最終日に発表し、
優秀チームを表彰する。
だからか、朝からみんな真剣なまなざし。
講義の後、2日目の視察をスタート。
向かったのはホールフーズ・マーケット。
ホールフーズではインタビュー。
マーケティング・スーパーバイザーのカールさん。
店内入口でのインタビューには、
来店客が興味深そうに視線を送ってくるが、
カールさんの解説は30分以上にも及んだ。
心より感謝。
昨日はホールフーズの食材を購入し、
調理して楽しんだが、
今日は商品調査。
ベーカリーのチーム。
どんな商品を調べるかが大事。
フローズンフードのチーム。
ミートのチームは商品選択に迷っている。
そこでアドバイス。
昼食はホールフーズのデリ。
昨日は素材などを調理をし、
今日はサービス・デリを実食して、学ぶ。
私はケールとブロッコリのサラダと、
キャロット&トマトスープのヘルシーランチ。
次に、セーフウェイ傘下のボンズ。
セーフウェイはスーパーマーケット第2の企業。
しかしアルバートソンとの統合が決まり、
現場はどのような影響を受けているのか。
お客はひどく少なく、
従業員にもまるで元気がない。
なにより、きれいに陳列された売場だが、
活気がなさすぎる。
それでも各チームの真剣な商品調査は進む。
3兆6000億円の年商のセーフウェイ。
店も従業員も可哀そうだ。
そんな感想を抱いてしまう。
一方、スーパーマーケット第1位クローガー、
そのネバダ州の傘下企業スミス。
こちらは41四半期、
連続既存店売上げ増。
お客もよく入っている。
みんなの商品調査も慣れてきた。
デアリーのチーム。
いろいろな質問を受ける。
そして現場でレクチャーする。
グロサリーのチーム。
スミスと車で数分のトレーダー・ジョー。
独自のポジショニングで、
相変わらず大繁盛。
マーク店長のインタビュー。
通訳は五十嵐ゆう子さん。
トレーダージョーのファンになったメンバー。
メモを取るのも真剣。
参加者の質問にも丁寧に答えてくれた。
マーク店長を囲んで記念撮影。
別れ際、キャプテン・マークから、
「あなたは働き過ぎで疲れてるね」と一言。
そして固い握手。
思わず苦笑い。
2日目最後の視察は
ウォルマート・ネイバーフッドマーケット。
今日のDaily商人舎でも、
この第1四半期の既存店売上高5%増。
絶好調振りを報道している。
もちろん、商品を調べるメンバーたち。
5店目ともなると皆、慣れたもの。
チームでの調査が商人舎の特徴。
チームワークの勉強にもなるし、
何よりスピーディ。
だから視察時間も有効に使うことができる。
2日目の視察を無事に終わった。
今日はラスベガスの暑さが堪えた。
夕食はストリップを散策しながら、
有志で韓国レストランへ。
19時半だというのに、この明るさ。
人込みをかき分けて、
街を楽しみながら
30分ほど歩く。
そしてレストランでのビールと焼肉。
35人ほどでの会食となった。
乾杯は大村雅彦さん。
㈱マツモト執行役員商品部長。
冷えたビールで乾杯。
ボリュームたっぷりの焼肉に、
冷えたビール。
痛風を心配しつつ、楽しんだ。
いい食事会だった。
それにしても、
絶好調のホールフーズ、トレーダー・ジョー、
元気いっぱいのクローガー・スミスと、
ウォルマート・ネイバーフッドマーケット。
セーフウェイ・ボンズの落ち込みが、
余計にひどく感じる。
これがアメリカの競争だ。
そして日本も、競争に関しては、
同じトレンドの中にある。
(つづきます)
〈結城義晴〉