結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年05月29日(木曜日)

労働力不足と「人口1億人計画」とユニクロの正社員化

月刊『商人舎』の年極購読切り替え時期。
毎日、新たに1年間の購読を、
申し込んでくださる皆さんの、
そのメールのやりとりを垣間見ている。

うれしいことです。

何だか、知り合いばかり、
読者になって下さっている。

ありがとうございます。
心からお礼申し上げます。

同時に、もっともっと、
頑張ることをお約束します。

今日はその月刊『商人舎』6月号の責了日。
まだまだ終わりません。

明日の朝まで?

わかりません。

さて、日本維新の会の分裂騒動。
まあ、合体政党で、
その合併も成し遂げられないままの、
分裂だから、驚きはしない。

1975年から2001年まで、
フォーライフ・レコードという会社があった。

小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげる。
4人のフォークシンガーが自分たちで、
レコード会社を設立。

当然のことのように、
行き詰って分裂した。

しかしそれでも26年、もった。

日本維新の会は、
2012年9月28日設立で、
1年8カ月。

これまた当然のことのように、
行き詰って分裂。

一票を入れた有権者たちには、
なんと説明するのだろう。

与党はびくともしないが、
民主党を含めて野党は再編され、
それでも勢力図は、
代わり映えがしないものになりそう。

さて日経新聞コラム『大機小機』。
2日連続で労働力や人口の問題。

私の好きな二人のコラムニスト。

最近の『大機小機』は、
株式取引のための情報に偏っていて、
あまり有益ではなかった。

しかし昨日は、コラムニスト隅田川さん。
「労働力不足時代がくる」。

今日はコラムニスト一直さんで、
「『1億人計画』の読み方」。

隅田川さん。
雇用情勢の改善から論議を始める。
「2012年10月に4.1%だった失業率は、
今年3月には3.6%に低下」

「0.82倍だった有効求人倍率は
1.07倍に上昇」

その結果、労働力不足が、
経済拡大の制約要因となりつつある。

公共事業の建設労働者、
小売外食業のパート・アルバイト。
そして介護関連事業。

ますます手当てが難しい。

こうした現象は、
景気変動による短期的なものではな。
潜在的な労働力不足が、
顕在化したものだ。

日本の生産年齢人口は、
1995年の8730万人をピーク
に、
一貫して減り続けている。

2013年10月1日現在で、
ついに7900万人。

生産年齢が全人口に占める比率も、
同じ期間で69.5%から62.1%に低下。

労働力人口のピークは、
98年の6793万人。

それが13年は6577万人。

15年間でマイナス216万人。

このところは、
「労働力の供給も減ったが、
経済実態面で労働力の需要がもっと減った」。

しかし皮肉なことに、
「景気が好転して労働需要が拡大し始めると、
日本経済はたちまち、
労働力の『天井』にぶつかってしまった」

そこで政府への要望。

まずは「長期的な観点」で、
女性・高齢者の労働参加率が高まる環境整備をし、
外国人労働力の選択的流入を促進させる。

小売サービス業も、
労働環境の整備と人材確保が、
サバイバル戦略となる。

一方、今日はコラムニスト一直さん。
「1億人計画」の読み方。

経済財政諮問会議『選択する未来』委員会の中間報告。
「50年後でも日本の人口1億人を維持する」とする提言。

予測では、日本の総人口は、
2060年に8674万人。
大きく1億人を下回る。

しかし2030年までに出生率が、
人口再生産可能ラインの2.07に回復すれば、
1億人目標は達成できる。

しかし最近の出生率は1.4前後。
2020年代半ば以降は、1.35で推移。

そこで、「人々が子供を産み育てることができるよう、
制度、政策、人々の意識が速やかに変われば、
流れは変えられる」。

一直氏は楽観的。
「このような政府による明確な人口政策への言及、
とりわけ今回のように人口増加をうたった提言は、
皆無だった」

1947年に4.54だった出生率は、
1960年に2.00まで低下。

しかし一直氏は、前向き。
「政府が実効性ある人口維持政策を立案し、
本気で取り組む姿勢を示せば、
『1億人計画』の実現可能性は
決して低くない」

今日の日経企業欄では、
「ユニクロのパート正社員化」

正社員化は6月から始まる。
まず「地域正社員」を新設。
約1万6000人を順次正社員化。

説明選考会には20~30代中心に、
約60人の中途採用希望者が参集。

柳井正会長兼社長は、
今回の人事制度変更で、
国内志向を積極的に評価するよう方針転換。
「土日に休むといった柔軟な働き方も認める」

2014年8月期通期の連結業績。
純利益880億円で、前期比マイナス3%。

「海外好調、国内採算低下」。

顧客と接するスタッフの強化は欠かせない。

だから正社員化で、長期勤務スタッフが増え、
「店の経営が安定する」

もちろんこれで、
「人件費は少なくとも2割超上がる」。

人件費は上がっても、
労働力確保は、
やった方が有利。

スペインのメルカドーナの事例にこそ、
元気づけられる。

〈結城義晴〉


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