森乳の大野晃さんとの懇親とサントリーへの新浪剛史移籍の話
やっと梅雨らしくなってきた、
東京・横浜。
横浜商人舎オフィスのそばを、
新田間川が流れる。
川べりの歩道。
歩くと、水の匂いがする。
梅雨には梅雨らしく。
それが何より、いい。
昨夜は、東京・赤坂。
ANAインターコンチネンタルホテル。
その広東料理の「花梨」。
本当に久しぶりに、
森永乳業㈱代表取締役会長の大野晃さんと、
懇親。
写真うしろは、
右から専務取締役の野口純一さん、
商人舎エグゼクティブプロデューサー松井康彦、
常務執行役員リテール事業部長の髙桑唯雄さん。
大野さんとは、
1996年(平成8年)に、
パリでご一緒した。
今もホームページの「あゆみ」に記されているが、
アロエヨーグルトがSIAL(パリ国際食品見本市)で、
金賞を獲得。
当時、社長だった大野さんは、
単身パリを訪れて、
授賞式に出てくださった。
私はそのとき、
シアルドール日本代表選考委員。
大野さんは日本人離れした国際人で、
私は28カ国の審査委員たちにも、
それからSIALの事務局長たちにも、
誇らしい気分で一杯だった。
アロエヨーグルトは、
たいへんに評価が高く、
各国の審査員からも、
原材料のアロエべラのことや、
その製法などを、
しつこく尋ねられた。
私も大野さんとともに、
それに丁寧に答えた記憶がある。
大野さんは1985年、
森永乳業㈱代表取締役社長に、、
2003年、会長にご就任。
2006年には旭日中綬章を受章して、
業界の重鎮。
現在も、代表権を持った会長として、
森永グループを引っ張る。
満で数えて77歳の喜寿。
しかし、iPhoneを使いこなし、
アマゾンで買い物をし、
好奇心と行動力は衰えない。
2020年までの、
日本と世界の流通について、
大いに議論をし、有意義な宴だった。
野口さん、髙桑さん、
これからもよろしく。
さて、梅雨らしい今日は、
東京・浜松町。
貿易センタービル3階、
ワールドカンファレンスセンターで、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の、
定例株主総会。
取締役は三人増え、
新任の女性執行役が誕生して、
次の年度は大飛躍します。
米倉裕之代表取締役社長、
さすがに経営力が充実してきた。
ご期待ください。
ご支援ください。
必ずや日本のCRMとFSPの進化に、
貢献します。
さて今日の日経新聞「交遊抄」。
エバラ食品工業社長の宮崎遵さんが登場。
長沼孝義さんとの交流。
カルビー前副社長で、
「みちのく未来基金」代表理事。
出会いは、1992~93年ごろ。
マーケティング調査会社主催の交流会の場。
長沼さんは当時、カルビーの課長。
30歳代の「小僧」の宮崎さんに、
目をかけてくれた。
宮崎さんは、今年5月に結婚した。
30歳代で出会って、50歳代で実を結ぶ。
ロマンティックな熟年結婚。
長沼さんからメール。
「東証二部上場、本社移転、結婚。
勢いのある時ほど細心の注意を払って下さい。
目を凝らして情勢判断抜かりなきよう」
いい先輩の、いい心遣いだ。
さて「交遊抄」が日経最終面ならば、
日経一面トップ記事は、
「サントリー、外部から社長」。
ご存知、ローソン会長の新浪剛史。
しかし、新浪さんも、もう55歳。
サントリーホールディングスが、
10月1日付で社長に招く。
これも日経新聞のスクープ。
朝日も読売も毎日も、
手が出ない技。
佐治信忠会長兼社長は、
代表取締役会長に専念。
佐治さんも、もう68歳。
新浪さんは、近く、
ローソンの取締役会長を退任し、
サントリーの顧問になり、
10月に社長就任
創業家出身者以外で初のこと。
ローソン社長は12年間。
社長に就任したばかりのころ、
私は故倉本初夫商業界主幹と一緒に、
激励に行った。
ダイエー傘下だったローソンを頼みます。
そんな心持だった。
以来、2014年2月期まで、
11期連続営業増益を達成。
もちろん新浪さんは、
三菱商事出身。
ハーバード大学に留学して、
経営学修士号を取得。
商事からローソンへ。
日経記事は「プロ経営者」の時代を強調する。
資生堂の魚谷雅彦さんは、
日本コカ・コーラ社長、会長。
ベネッセホールディングス会長兼社長の、
原田泳幸さんは、
日本マクドナルドホールディングス会長。
LIXILグループ社長の藤森義明さんは、
ゼネラル・エレクトリック幹部。
新浪さんが社長となるサントリー。
今期業績予想は2兆2200億円。
前の期比9%増。
これに5月に買収した蒸留酒ビームが加わる。
その年商約2000億円。
そしてキリンホールディングスを抜いて、
国内の食品・飲料企業最大手。
新浪さんは、
日本の食品最大製造業のトップになる。
もちろんローソンは、
今年の第1四半期連結営業利益が、
前年同期比2割増で170億円弱。
4年連続第1四半期過去最高更新。
圧倒的に強いセブン‐イレブンへの対抗馬として、
玉塚元一社長とのコンビで、
もっともっと活躍してほしいところだ。
惜しい人財をサントリーに獲られた。
小売業に足場を置く結城義晴としては、
そんな感慨の方が強い。
しかし新浪さんには、
新浪剛史の人生がある。
玉塚元一にも、
そして佐治信忠にも、
宮崎遵にも、
大野晃にも、
それぞれに人生がある。
梅雨の雨に打たれつつ、
水の匂いのする川べりを歩いて、
結城義晴はそんなことを考えた。
季節感はまったくないが、
去年今年貫く棒の如きもの
(高濱虚子)
「勢いのある時ほど細心の注意を」。
長沼さん、いいことを言う。
〈結城義晴〉