湯河原ミドルマネジメント研修会の「商人の一瞬の積み重ね」
2014年10月です。
今年もあと3カ月。
何度も書いているけれど、
アメリカの秋は、
三大プロモーションが、
次々にやってくる。
まず、10月31日のハロウィン。
次に、11月第4木曜日からの感謝祭。
そして、12月25日のクリスマス。
特に最後のサンクスギビングから、
クリスマスまでを、
「ホリデー・シーズン」と呼んで、
まさに最大の書き入れ時。
だからもう10月に入ったら、
レールは敷かれている。
だから、ジタバタしない。
日本でも、徐々にそうなってくる。
10月を見渡すと、
まず第3月曜日が、
体育の日。
ハッピーマンデー制度で、
三連休。
これが第一の山。
次が、10月31日金曜日のハロウィン。
金曜日だけに、
11月にまたがるが、
ハロウィンは
日本でもずいぶん定着してきた。
それは商売にとって、
とてもいいことだ。
このハロウィンを視野に入れると同時に、
11月と12月を展望しつつ、
仕事を進めたい。
それからもう一つ、
1年後を見据えておく必要がある。
つまり、来年の10月には、
消費税がさらに2%アップして、
10%になる。
おそらく確実に。
1年後が、その時だ。
今年4月1日以降の消費増税の影響を、
きちんと総括して、
周到に準備して1年後を迎えたい。
さて、昨日から湯河原。
第6回商人舎ミドルマネジメント研修会。
会場はニューウェルシティ湯河原。
今日は朝一番で、
理解度判定テスト。
前日の講義の中から、
重要なテーマを設問にしている。
全員が朝食を取って、
もう7時半には会場に集合。
8時15分から30分間。
実に真剣な時間帯。
ピーンと緊張感が漂う。
しかしこの緊張感が、
何とも言えず、いい。
口々に言う。
「学生時代以来のことです」
みんな、喜んでいる風。
商人舎ミドルマネジメント研修会の、
理解度判定テストは、
各自、自分のためのもの。
会社に報告され、
成績を云々されるものではないし、
上司がパワハラに使うことなど、
絶対にない。
自分が脱グライダー商人になるために、
一日、必死で学ぶ。
その学んだことを、
どこまで理解しているか。
自分で自分をマネジメントするために、
理解度判定テストがある。
終わった途端、
空気が緩む。
この瞬間も、
私は大好きだ。
それから今日の第一講座は、
鈴木哲男講師。
鈴木先生最後の講義は、
プロモーションとストアコンパリゾン。
月刊『商人舎』6月号は、
ストアコンパリゾンの特集だった。
鈴木先生にも健筆を振るってもらって、
大作を仕上げていただいた。
この6月号は、
ほぼ完売で、
もうわずかしかない。
その内容を生で学ぶことができる。
贅沢な講義だった。
今日の第2講座から、
昼食をはさんで第4講座までは、
白部和孝講師。
演習を含めて、
「計数の基礎と応用」。
故川崎進一先生や、
引退された藪下雅治先生の、
後継者として第一人者。
それが白部和孝先生。
イトーヨーカ堂の創業者は伊藤雅俊さん。
現在のセブン&アイ・ホールディングスの、
名誉会長。
その伊藤さんは商人舎発足の会の、
発起人のお一人。
ありがたいことだ。
その伊藤さんの持論は、
「商人には商才と算盤が必要だ」。
鈴木哲男先生は、
イトーヨーカ堂出身で、
伊藤さんに直接、
薫陶を受けた。
そして商才に関する権威。
白部さんは、チェーンストアの、
算盤に関する第一人者。
ありがたい講座だった。
白部さんを見送って、
講義室に戻る。
午後2時45分から、
夜8時まで、
私のマネジメントの講義。
初めに、成城石井がローソンに買収された話と、
「商人の本籍地と現住所」。
三越伊勢丹ホールディングスも、
随分と食指を伸ばしたが、
最後にローソンに決定。
私はこの方がずっと良かったと総括。
その後、私の本論の講義。
もちろん基本はドラッカー。
しかしミンツバーグに至るまでの、
マネジメントの歴史から学ぶことが、
実に多い。
そしてその歴史の中に、
我々が有する負のDNAがある。
それを知った上で、
マネジメントしなければならない。
休憩時間には、
みんな、くつろぐ。
話し合う者。
休息をとる者。
ソファに寝転がって休む者。
それぞれであってよろしい。
講義は責任の組織化や目標管理から、
チームマネジメント、
そして最後に流通経営戦略論。
最後まで、
本当によく聞いてくれた。
ご清聴を、感謝したい。
8時過ぎから夕食。
そして勉強室で復習。
深夜の12時を過ぎても、
最後まで粘って勉強する者。
明日の朝の、
第2回理解度判定テストが待っている。
かくて湯河原の夜は、
更けていく。
この瞬間も、実にいい。
この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯。
(倉本長治)
知識商人のレベルを上げるために、
みんな、頑張れ。
(つづきます)
〈結城義晴〉