ヒューストンでHEBマルチ・フォーマットの、この楽しさ、凄さ!!
アメリカの株式が大暴落。
最大瞬間風速で335ドルも下がった。
上海取引所でも、
3日連続で株式相場が下がった。
アメリカが量的緩和を外すタイミング、
それに世界的なエボラ熱の心理的な影響もある。
日本の株式相場も不安定化。
「10月は相場が荒れる月」。
過去、1987年のブラックマンデー、
2008年の金融危機。
いずれも10月だった。
金融の不安は、
消費に影響を与える。
しかし、現場を歩いている限り、
アメリカにあるのは、
意欲的な試みばかりだ。
今日も現地時間で、
ブログをアップ。
お許しを。
昨日の午後までシャーロット。
ノースカロライナ州最大の都市。
その国際空港。
2時間も遅れて、
やっと乗り込んだユナイテッド機。
小型機で、
向かうはテキサス州ヒューストン。
窓の外には広い広いアメリカ。
緑のヒューストンまで、
3時間ほど。
到着しました。
ヒューストン市は210万人都市で、
テキサス第一。
すぐにレンタカーを借りる。
これです。
アメリカで車の運転は、
ひどくむつかしい。
しかしホテルに入って、
それからディナー。
ジャパニーズ・ステーキレストラン。
ベニハナのようなパフォーマンスで、
ステーキを焼いてくれた。
このところ、夜中にホテルに入って、
まともに夕食を取っていなかったので、
心から堪能。
サッポロビールと、
カベルネソーヴィニオン。
これも堪能。
夜はすぐ開けて、
ヒューストンの1日が始まる。
まずライス・エピキュリアン・マーケット。
かつては目立った店だったが、
いまはコンベンショナルの典型。
かつてのイノベーションは、
クッキングスクール。
しかしそこで、
進化が止まった会社。
一方、進化に次ぐ進化。
ホールフーズ・マーケット。
どの都市でも、
変わらぬ素晴らしさ。
息を呑む青果部門。
、
ワインとチーズ。
そしてサービスデリ。
ホールフーズが出店すると、
他の普通のスーパーマーケットが、
全て古く感じられる。
ホールフーズはたった1店でも、
地域のマインドシェアを奪ってしまう。
車を飛ばして、
ヒューストン地区を巡る。
現時点でマーケットシェア1位は、
なんとHEB。
ウォルマート、クローガーが続く。
もちろんウォルマートは、
サムズクラブなど全事業を合わせると、
この地でもトップ。
しかしHEBがクローガーを、
抜き去ってマーケットチャレンジャー。
しかしそのHEBが、
マーケットリーダーの戦いぶり。
つまりマルチ・フォーマット戦略。
まず、レギュラータイプの店。
HEBフード&ドラッグ。
15年ほど前の古い店。
しかしワンウェイコントロールのレイアウトを採用。
青果から鮮魚、精肉まで、
ワンウェイ。
このあたりもワンウェイ。
そして精肉の後から、
顧客を分散させる。
HEBのセントラルマーケットや、
東海岸のスチュー・レオナードが、
このワンウェイコントロールにしているが、
HEBのレギュラータイプで、
この方式を採用する。
そして青果と精肉が圧倒的に強いHEBに、
このレイアウト手法は適している。
HEBの第2のフォーマットが、
セントラルマーケット。
ハロウィン・デコレーションも、
一番いい。
このフォーマットが、
高級スーパーマーケットで、
ワンウェイコントロールを採用。
青果は「アイス・オブ・ウォール」から始まる。
つまり氷の壁。
鮮魚と精肉の対面売り場が、
向かい合わせに配置され、
それからワイン、ビール、
グロサリー、乳製品、チーズ、ベーカリー、
そして最後にデリカテッセン。
ワンウェイで強制的に顧客を歩かせる。
そのかわり、商品とサービスは、
すべての部門で充実していて、
一つとして顧客を楽しませないカテゴリーがない。
だからワンウェイで大成功する。
サンドイッチやホットドッグのカウンターは、
行列。
このHEBセントラルマーケットも、
3分の1は中食と外食の機能だ。
コンベンショナル型は、
ひとたまりもない。
さらにジョーVスマートショップ。
ワンフロア1800坪の倉庫型。
ウォール・オブ・バリューから入る。
そしてディスカウントスーパーマーケット。
しかし床は綺麗で、
とにかく安い。
大型カートいっぱいに、
買い物する顧客ばかり。
HEBのコンペティティブブランドが、
大量に販売されている。
どのくらい安いかというと、
これでどうだ。
日清のカップヌードル、
4個1ドル。
1個25円。
チキンラーメンは、
7個1ドル。
レギュラーのフード&ドラッグ、
高級高質のセントラルマーケット。
そして倉庫型ディスカウントストアのジョーV。
こうしてマルチ・フォーマットで、
マーケットシェアを高める。
それがHEBの戦略。
しかしそれで終わらない。
ミ・チエンダ。
MI TIENDA。
スペイン語で「私のお店」。
入口を入ると、
こんな光景。
音楽はメキシカン。
そう、メキシコ人向けに、
特化したスーパーマーケット。
これはパン売場。
青果売場は平台を多用する。
その隣のフードコート。
奥主通路と精肉売場。
奥の右サイドには、
乳製品売場。
店中にこの旗がかかって、
なんとも賑やか。
そして左サイド。
メキシコ人をターゲティングし、
ポジショニングした店。
まだ1店舗だけだが、
これが受けている。
メキシコ人と化した浅野秀二先生。
実にこの風景に、
溶け込んでいる。
価格ゾーンで、
高い・低い・普通のフォーマットを展開し、
さらにメキシコ人向けのフォーマットを実験する。
そしてそれぞれに保管しつつ、
最終的には単品の販売量を増やしていく。
それがHEBの作戦。
この地域の交差点。
信号も50年前のものかと、
錯覚する光景。
一方で、ダウンタウンの中心街は、
高層ビル群。
それがヒューストンの街。
一路、南に向けて、
車を走らせる。
助手席に座って、
HEBのマルチフォーマット戦略に、
思いを馳せた。
(つづきます)
〈結城義晴〉