サンアントニオのフレミング講義とWholeFoods・HEB・TJoe’s
第39代アメリカ大統領ジミー・カーターさん。
ジョージア州アトランタで90歳の誕生日の式典。
任期は1977年から1981年まで。
その後、2002年に、ノーベル平和賞受賞。
受賞理由は、
「数十年間にわたり、
国際紛争の平和的解決への努力を続け、
民主主義と人権を拡大させたとともに、
経済・社会開発にも尽力した」
しかし一方で、
「史上最強の元大統領」と呼ばれたり、
「最初から『元大統領』ならよかったのに」と言われたり。
日経Web刊の「米州Flontline」に、
そのカーター元大統領が、
現在のオバマ大統領と似ているけれど、
あえて同じ民主党の批判をしていると指摘。
アメリカでは今年11月4日に、
中間選挙が行われる。
連邦議員その他の公職選挙で、
大統領職の1期4年のうち、
半期2年が経過した時点で行われる。
「私たちは長く待ちすぎた。
その間にイスラム国が力を蓄えてしまった」
米国のキニピアック大学の世論調査。
「戦後最悪の大統領」。
第1はオバマ氏で、33%。
第2位はブッシュ前大統領(28%)
3位はニクソン元大統領(13%)、
そして4位がカーター氏(8%)。
あの熱狂的な就任時を振り返ると、
オバマ頑張れとも思うが、
現在のアメリカ合衆国、
一番大事なリーダーシップが、
喪失されかかっている。
さて商人舎アメリカ視察specialコース。
サンアントニオ2日目の朝。
運河沿いのホテルは、
本当に環境がいい。
会議室の窓から、
リバーウォークの運河の緑が見える。
朝8時からそのホテルの会議室で、
メリッサ・フレミングさんを迎えて特別セミナー。
フレミングさんは元HEB上級副社長。
現在は、マーケティングコンサルタント。
アメリカ小売業の最新動向を、
誰よりもわかりやすく詳細に語ってくれる。
今回は、小売業各社のオムニチャネル戦略、
プライベート開発の最新戦略を解説してくれた。
商人舎スペシャルコースでは恒例。
フレミングさん自身、毎年のことだから、
最新のリアル情報を持ってきてくれる。
いつものように、プライベートブランドを持ち込んで、
ウォルマート、HEB、ターゲットなどの、
商品開発と価格政策を分析。
皆、写真を撮りつつ説明に聞き入る。
質疑応答では、積極的に発言。
今回はこれまで以上に質問が飛び交った。
ロピアの庄司さんは、
前に出てきて質問。
もちろんフレミングさんは、
丁寧に答えてくれる。
90分の講義は120分に及んだ。
それだけ、中身の濃い内容だった。
最後にフレミングさんを囲んで記念撮影。
わたしも毎年、フレミングさんの話を聞くのが楽しみだ。
わたしの認識をフレミングさんが補強してくれる。
引き続き、第2回目の結城義晴の講義。
時間が押しているため
フレミングさんの講義を引き継ぎ、
商品戦略を語る。
それにしても40分足らずでは、
時間が足りない。
語り切れない。
そして急ぎ、専用バスに乗り込み、
視察を開始。
はしめに訪れたのは、
スーパーターゲット。
食品を強化したフォーマット。
これが、ターゲットの主流になっていく。
その食品売場。
よく管理されている。
陳列もしっかりされている。
「プライスカット」で価格を打ち出す。
ハロウィンのプロモーションも
大きく売場を割いて展開。、
でも食品売場にはお客が少ない。
なぜか。
ショッピングセンター敷地内に、
しかも隣接して、
ホールフーズがあるから。
この店はカラフルな店内で
実に美しい。
導入部の青果売場では、
新たな試み。
10月15日から始めた
青果・生花の評価プログラム。
この店でも展開されている。
ホールフーズが独自の基準から、
“良いgood”
“より良いbetter”
“最高best”の3段階で、
青果と花きを評価し、
売場の商品それぞれに掲示する。
このトマトは「ベスト」商品。
ホールフーズは既に、
精肉や鮮魚で評価プログラムを持っている。
従って、これで生鮮三部門そろったことになる。
情報という価値を付加して、
お客に商品をすすめる。
ホールフーズのマーケティング力は
ますます磨きがかかってきた。
次はHEBのアップスケール店舗。
この店はHEBのモデル店舗である。
例えて言えば、
ウォルマートのプラノ店のような。
一時的に冷蔵ケースを目隠しした青果売場。
HEBでは初めての光景。
この店はレギュラー店を洗練させた店舗。
HEBの都市型店舗、
セントラルマーケットをほうふつとさせる。
このエリアは、
高所得者のユダヤ人が、
数多く居住する。
だからコーシャ食品も、
大きくコーナー化されている。
もちろん、コモディティ商品は
価格訴求がしっかりなされている。
驚いたのはこの水のエンド。
トップパネルの価格は0ドル。
クーポンを使ったら0ドルになる。
つまり、来店客へのサービス。
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
この店にも驚いた。
スプラウツの標準店とは異なり、
導入部に青果部門を配置。
居抜き物件だが、
まことに普通のスーパーマーケットになっている。
つまりスプラウツのレイアウト、
変則的だがそれがなければ、
ただの店になってしまう。
視察の最後は、
トレーダー・ジョー。
お土産にエコバックを見繕うメンバーたち。
買物を楽しめる店、
それがトレーダー・ジョー。
店長のクレイグ・ウッドさんにインタビュー。
元教師のキャプテンは、
入社7年目で店長になった。
優秀なナイスガイ。
販促物を制作するバックヤードを見せてもらった。
2名のアーティストと呼ばれるクルーが、
店内のすべての販促物を制作する。
この日は近隣の新店オープンのために、
スタッフが全員応援に駆り出されていた。
そんな話を聞いていたら、
アーティストの一人が帰ってきた。
とてもチャーミングな明るい女性。
ウッド店長に感謝。
商人舎研修会としては
珍しいことだが、
この日の店舗視察は、
夕方で終了。
その後は自由視察。
それぞれに、
サンアントニオの都市構造研究。
われわれはまず、
アラモの砦を視察。
入場無料。
サンアントニオは、
市街地に運河をつくった。
これが観光資源となり、
ニューヨークやサンフランシスコなどと並び、
アメリカ人が最も行きたい街の一つ。
リバーウォークと呼ばれる。
運河を観光船が次々に流れていく。
私たちも乗り込んだ。
ガイドの女性が、
船を運転しながら、
しゃべり続ける。
市街地のオフィスビルが両サイドに並ぶ。
橋をくぐる。
夕陽にタワービルが赤く染まる。
商業施設も見える。
30分ほどの運河ツアー。
結構楽しめた。
それでも秋のサンアントニオ。
すぐに夕闇が訪れる。
最後は有志で
運河沿いのメキシカン・レストランへ。
マルガリータを飲んで、
いい気分。
サンアントニオを明朝、出立する。
最後の晩、名残惜しい。
(つづきます)
〈結城義晴〉