サンアントニオからオースティン・フォートワース・ダラスまでバスの旅
日本では、
小渕優子経済産業相、
政治団体や資金管理団体の不透明な収支。
進退問題になった。
またか。
そんな感じ。
いかにも日本人的だ。
一方、日経新聞に
ノーベル物理学賞・中村修二氏登場。
「米国には優れた発明者がベンチャーを起業し、
成功するチャンスがある。
米国ならベンチャーで成功すれば、
創業者は株式上場などで
100億円単位の収入が得られる」
「すでに米国籍も取得したが、
発明やビジネスの環境以外は日本が好きだ。
仕事は米国で、
休暇は日本で過ごすのが一番いい」
この人は米国向きだ。
私はこの反対の考えだ。
日本人であることを、
つくづくと考える。
さて商人舎アメリカ研修会は3日目。
みんな、そろそろ時差に慣れてきたころ。
今日はサンアントニオに別れを告げ、
一路、北上。
最初の都市はオースティン。
ご存知、ホールフーズ本社がある。
もちろん、最初の視察は
本社下の旗艦店。
美しい青果売場。
見事な花卉売場。
ボリューム感満点。
バルク売場へのアプローチのサイン。
わたしたちのベーシックと書かれている。
天井にはほうきに乗った魔女。
昼時とあって、
お客がよく入っている。
入口のカフェに並ぶ人。
店舗中央のカフェ。
こちらはヌードルカフェ。
フードサービス部門が強化され
さまざまな試みが売場の随所で展開される。
本社下の旗艦店。
どこのホールフーズよりも美しく
イノベーションに満ち溢れている。
あぁ、ずっと見ていたい。
名残惜しい店舗に別れを告げ、
次に向かったのは、
HEBの環境対策店。
前面がガラス張りで、
屋根にはソーラーシステム。
使用する水も大幅にカットされている。
入口ではハロウィンの飾りつけ。
まだ途中で、
この後、両サイドに風船を付ける作業が残っている。
それでも十分、目を引く。
エントランスの広さが、
こうしたプロモーションを可能にしている。
日本のスーパーマーケットも
エントランススペースを、広く取れれば
さまざまな仕掛けができるはずだが。
青果売場はHEBレギュラー店と同じ。
驚くのは多段冷蔵ケースをすべて排し、
リーチインケースを使用していること。
多段ケースの代わりにリーチインを入れて、
省エネ効果をあげる。
巨大店舗の三方がリーチインケース。
この徹底ぶりには驚かされる。
HEBの経営の本質を見た思いがする。
ホールフーズの最新店。
この店も前面がガラス張り。
その2階は、カフェテリア。
店で購入した商品を、
ここで食べる。
美しい店内を見下ろす。
店舗右翼が青果売場。
左翼はフードサービス部門。
商品が並ぶ美しい店内、
それを見ながら食事する。
メンバーもそれぞれ昼食を買う。
そしてカフェテリアで食べる。
わたしも仕事をしながら昼食。
1階の屋外カフェテリア。
青空の下で解放感がある。
ホールフーズは進化し続けている。
旗艦店にも新店にも、
チャレンジが見てとれる。
そして、お客を誘引している。
傾斜地に立つ新店には、
階段がある。
右半分は普通の階段。
左半分は、木が使われている。
ベンチがわり。
そこで記念写真。
オースティンに別れを告げ、
さらに3時間半ほど北上。
地平線まで見晴らすことができる。
そしてやってきました。
フォートワースのHEBセントラルマーケット。
HEBの都市型アップスケール店舗。
ワンウェイコントロールの店。
青果部門のアイスウォール。
山盛りのぶどう。
もちろん秤売り。
インストアベーカーリー売場の
グルテンフリーのコーナー。
解説しながら売場を歩く。
金曜夕刻のセントラルマーケット。
お客がよく入っている。
この店にもホールフーズのように、
2階にカフェテリアがある。
そこから見た売場。
この店も本当に美しい。
店内をワンウェイで視察し、
出口へ。
ホールフーズもセントラルマーケットも、
商品が並ぶ売場をお客に俯瞰させる。
売場づくりに自信がなければできない。
日本にも、
こんなスーパーマーケットが出現してほしいものだ。
最後はスプラウツ・ファーマーズ・マーケット。
店舗奥中央に青果部門。
これです、スプラウツは。
昨日見たスプラウツとは、
まったく別物。
やっとメンバーも、
スプラウツの本質を理解。
面白い。
一般のスーパーマーケットと、
同じレイアウトのスプラウツは全く魅力がなく、
異例のレイアウトのスプラウツに魅力がある。
これが、ポジショニング戦略。
調査にも余念がない。
スプラウツも174店を数え、
今期は11店の出店予定。
昨年の上場以来、
順調に業績を伸ばしている。
サンアントニオを出て、
オースティンを経由し、
フォートワースに立ち寄り、
ダラスの定宿に着いたのは、7時。
長い一日だった。
みんなでダラスギャラリアまで歩いて、
それぞれに視察を兼ねて夕食。
ダラス中心街の、
スーパーリージョナルショッピングセンター。
ギャラリア入口で、恒例の記念写真。
心地よい疲労と、
いい店を見た充実感。
皆の顔も、輝いている。
アメリカを行く日本人。
これがいい。
(つづきます)
〈結城義晴〉