国分と丸紅、包括的提携の意味合いとふたりの國分さん
食品卸売業第3位の国分㈱。
総合商社第2位の丸紅㈱。
包括的提携に至った。
国分は一昨年、創業300年、
老舗中の老舗。
奇跡の非上場企業。
現会長兼社長は12代國分勘兵衛さん。
創業家が代々「勘兵衛」を襲名。
取引先は国内メーカー1万社、
小売業3万5000社。
「何色にも染まらない、高根の花」
その国分が丸紅と提携。
日経新聞は、卸売業の「4重苦」と表現する。
第1が、市場縮小、
第2が、再編による競争激化、
第3が、輸送費高騰、
そして第4がプライベートブランド拡大。
かつて食品問屋は御三家と呼ばれた。
日本橋、京橋、平和島。
日本橋は国分、
京橋は明治屋、
平和島が菱食。
その平和島が京橋を併合し、
三菱食品と名を変えて、
ダントツのトップに躍り出た。
総合商社の時代だ。
現在も、
三菱食品の年商2兆3882億円、
日本アクセスが1兆7140億円、
国分が1兆5667億円。
伊藤忠商事傘下の日本アクセスは、
伊藤忠食品の年商6304億円と単純合計すると、
2兆3444億円。
国分グループは、
丸紅系の山星屋、
ナックスナカムラと合計すると、
1兆9241億円。
新御三家となって、
2兆円クラブに入る。
世界の食品マーケットの特徴は、
コモディティ化現象だ。
コモディティ化すると、
商品は同質化し、
品質は向上するものの、
価格は低下する。
そしてマーケットは寡占される。
国分の判断は、
このコモディティ化現象への対応のための、
規模の獲得である。
もちろん国分には、
ノンコモディティを追求し続けて欲しいが、
それもコモディティでの収益性の確保が条件となる。
三菱食品の経常利益率は0.7%、
国分のそれも0.5%程度。
ノンコモディティ商品が、
人々の暮らしを豊かにする。
国分はそれを追求し続けてきた。
しかし、収益性を上げねば、
ノンコモディティ開発もかなわない。
次の次代を担うのが、
第13代國分勘兵衛襲名予定の、
現副社長・国分晃さん。
奇しくも丸紅社長は、
國分文也さん。
私もこのブログで、
昨年取り上げた。
國分文也さんの信条は、
「逆境ではひたすら楽観し、
順調な時には楽観しない」
ふたりの國分さんが、
新しい時代を切り開く。
そんな時代の象徴のような出来事だ。
さて私は夕方、千葉県茂原へ。
江島祥仁さんと大久保恒夫さん。
江島さんは伊藤園副会長、
大久保さんはセブン&アイ・フードシステムズ社長。
食事のあとは、
スーパーアルプスのお二人も合流。
一番手前は専務取締役の松本光男さん、
奥が最高顧問の内野紀宏さん。
楽しい土曜日の夜は更けゆき、
楽しい日曜日がやって来る。
〈結城義晴〉