スーパー大栄イズミ子会社・リベラル自己破産と「より良く生き残れ!」
異常に発達した冬の低気圧。
北海道・東北・北陸。
大雪・大嵐、大荒れ。
お見舞い申し上げたい。
私は昨夜から大阪。
こちらも異常な寒波に覆われ、
ニューヨークより寒い。
夕方、小さな会合。
㈱平和堂の幹部の皆さんと、
三菱商事㈱関西食料部の皆さん。
右から平和堂の夏原陽平さん、
三菱商事の毛利信作さん、
平和堂の福嶋繁さん、藤田和生さん、
三菱食品の山本泰生さん、
三菱商事の奥村樹さん。
夏原さんは営業推進室長兼経営戦略室統括、
福嶋さんは執行役員食品統括兼一般食品事業部長、
藤田さんは経営戦略室室長。
毛利さんは関西支社食料部長、
奥村さんは関西支社食料部地域戦略推進室長代行、
山本さんは関西支社長。
盛り上がった。
山本さんは、
カスタマーコミュニケーションズ㈱の、
創業メンバー。
奇遇です。
さて年の瀬のニュース。
デイリー商人舎に掲載したが、
スーパー大栄イズミ子会社化と
リベラルスーパーチェーンの自己破産
スーパー大栄は、
福岡県のローカルチェーン。
今年9月には、レッドキャベツが、
イオンの連結子会社となった。
年商307億8900億円・41店舗のスーパーマーケット。
山口県下関市に本部を置いているが、
山口県は8店舗で、福岡県22店舗。
長崎県7店舗、佐賀県2店舗、熊本県2店舗。
そのレッドキャベツに続いて、
スーパー大栄がイズミの子会社に。
年商230億円・31店舗。
アメリカ全土のほとんどのローカルチェーンは、
クローガーかセーフウェイかに買収されて、
二色に色分けされてしまった。
残るはHEBやウェグマンズなど、
際立つ個性を持つ企業ばかり。
日本の九州の北半分が、
そんな様相を呈してきた。
これはこれで必死の生き残り戦略だ。
私は言い続ける。
「より良く生き残れ!」
しかしリベラルスーパーチェーンは悲惨だ。
自己破産。
なんとか民事再生や会社更生に、
向かう考え方もあっただろうが、
それもできずに倒産した。
1959年に淡路島の洲本市で、
「淡路主婦の店」として開店。
創業者の西岡茂さんは有名な人で、
現在のオール日本スーパーマーケット協会の、
前身の協会の初代会長。
1985年オープンのリベラル三原店は、
ショッピングセンター・パルティ内に開店し、
当時の関西スーパー方式の代表店舗の一つだった。
私も淡路島に取材に行ったことがある。
イオンが来ようが、
マルナカに攻められようが、
びくともしなかった。
しかし徐々にイノベーションの気風が、
喪失されていったのだと思う。
2006年には、
オール日本スーパーマーケット協会を脱し、
シジシー・ジャパンに加盟。
さらに2008年に一挙に4店舗を開店した。
リベラル岩屋店・都志店・五色丘店・鮎原店。
しかし、これが最後の決定的な経営判断ミス。
その負債負担が大きかったのだろう、
5期連続の最終赤字の挙句、
自己破産の道を選ばざるを得なくなった。
しかし「リベラル(liberal)」とは、
自由主義のことを意味する。
いい名前だ。
従来の権威から自由であること。
自由であり続けようとして、
自己破産を選んだのか。
まことに皮肉な結果となった。
それにしても働く人たちが、
今後、どうなるのか。
心配だ。
マルナカが一部店舗を継承するらしいが、
是非とも、雇い続けて欲しいと願う。
それができなければ、
リベラルもへったくれも、
あったものではない。
こんな時にはいつも思う。
共同仕入れやボランタリーチェーン、
あるいはコーペラティブチェーンは、
どんな役割を果たすのだろう。
こんな時こそ、助け合い。
それができないから、
安定資本の傘下で、
生き残る道を選ぶ。
あるいは自己破産。
くれぐれも言っておきたい。
「より良く生き残れ!」
どんな企業も、
どんな組織も、
肝に銘じなければならない。
〈結城義晴〉