商人の本籍地と現住所、そして商人舎7月の標語
今日から7月。
2015年もあと半年、
よろしく。
今日、日本スーパーマーケット協会が、
一般社団法人として出発する。
昨日の定時総会後、
川野幸夫会長のスピーチがあった。
その全容は、
商人舎magazine。
これはweekly商人舎の、
週刊特別企画。
「軽減税率導入に断固反対する!」
月刊『商人舎』の読者にしか読めないが、
ご容赦願いたい。
ぜひ、5人ひと組1カ月1500円で、
会員になって欲しい。
紙の月刊『商人舎』が毎月10日に届き、
網の商人舎magazineのIDとパスワードが、
5人のメンバーに提供されて、
Webサイトを閲覧出来るようになる。
今日のDaily商人舎は、
経営統合のニュース。
イズミが広島のユアーズと資本業務提携、
子会社化して中四国地方もM&A加速
九州から中四国への、
ローカルチェーンの経営統合。
津波が押し寄せている。
イズミは中国地方から、
四国、九州のリージョナルチェーン。
積極的にM&Aを仕掛ける企業ではないけれど、
それを望む企業を拒否はしない。
つまり、目先の営業レベルの戦術ではなくて、
経営レベルの戦略が問われている。
アメリカの競争と限りなく似てきた。
私の競争プロセスモデルが、
そのまま適用できる事例が、
国内で頻発してきた。
それはそれで、
ユアーズの社員のみなさんには、
言っておこう。
どんな商人にも、
本籍地と現住所がある。
本籍地ユアーズ、
現住所イズミ。
そうなっても、ひとりひとり、
商人としての価値は全く、
毀損されるものではない。
誇りを持って、
自分の仕事に邁進してもらいたい。
さて7月のスケジュールは、
これもweekly商人舎の、
月曜朝一・2週間販促企画に掲載。
アメリカでは、
7月4日が独立記念日。
インディペンデンスデーと呼ばれる。
1776年にアメリカの独立宣言が公布された。
その日を記念して、合衆国祝日とされている。
その日、私は成田空港に前泊して、
日曜日からアメリカへ。
アメリカではバック・トゥ・スクール商戦が、
9月のレイバーデーまで続けられる。
こちらは9月第1月曜日。
今年は9月7日。
日本では、7月はまず7日の七夕。
15日は一応、旧盆。
第3月曜日の20日が海の日の祝日。
24日が土用丑の日。
この7月は何かとイベントが多い。
そのイベントの多い7月、
今週末からアメリカなので、
今夜は月刊『商人舎』7月号の入稿仕事を、
ギリギリまで粘って終わらせ、
商人舎オフィスから10分の実家に寄った。
数えで90歳のおふくろと、
久しぶりに食事。
化け物級の清水信次さんと同じ年。
横浜の夜景、美しい。
さて、最後に、
7月の商人舎標語。
月刊『商人舎』7月号は、
惣菜マーケティングの特集。
今、一番大事なマーチャンダイジング・テーマでもある。
その[message of July]。
惣菜に、とんがれ、こだわれ。
すごくおいしいものは、
そうそう簡便に食べられないし、
総じて体によろしくない。
すごく便利なものは、
これはあまりおいしくはないし、
ときに体によくはない。
体にいいものは、
たいていそれほどおいしくはないし、
そんなに便利にはできていない。
そして、おいしくて、便利で、
そのうえ健康的なものは、
きまって高い。
「三律背反」とでもいうか、
「四律背反」となるのか。
オクシモロンの課題が降りかかる。
それが今日のニッポンの惣菜だ。
アメリカのサービス・デリだし、
ヨーロッパのデリカテッセンだ。
トレーダー・ジョーは、
美味しくて健康的で安価だが、
品揃えの便利さを思い切り犠牲にしている。
ホールフーズは、
完璧なマーチャンダイジングを構築し、
マインドシェアを高めて高価格帯に胸を張る。
ロック・フィールドも、
「少し高い」ことを勲章にして、
この難題のソリューションを図る。
つまり、「四律背反」には、
どれかを捨てるしかないということだ。
そしてそれが惣菜のソリューション戦略となる。
いずれかの要素を切り捨てる。
それはその要素にこだわる顧客を捨象して、
客層を絞り込むことになる。
まさにセグメンテーション、
ターゲティング、
そしてポジショニングの戦略。
惣菜のソリューションは、
このポジショニング戦略を、
象徴する営業行為だ。
だから惣菜に、
とんがれ、こだわれ。
いずれかを丁寧に捨てよ。
これ、かなり重いメッセージです。
では、2015年、
あと半年、よろしく。
〈結城義晴〉