日本の人口動態・チェーンストアの出店エリア総人口と「勝った者」
サッカー女子ワールドカップ、
カナダ大会。
日本代表「なでしこジャパン」が、
サッカーの母国イングランドを破って、
決勝に進出。
決勝の相手はアメリカ。
これで女子ワールドカップ決勝は、
前回に続いて日米決戦となった。
なでしこジャパンは前回優勝で、
ワールドカップ連覇を目指す。
西海岸のバンクーバーで、
5日の午後4時キックオフ。
私はそのころテキサス州ダラス。
向こうのホテルについて、
ディナーの時間帯か。
敵地についたばかりの時点で、
祝杯をあげたいものだ。
さてスポーツネタをもう一つ。
日経新聞『逆風順風』
経済本業でありながら、
文化スポーツ欄が意外に充実している。
タイトルは、
「三振恐れぬ西武の非日常」
書き手は、篠山正幸編集委員。
「くるくるバットが回るところだけみていると、
惨敗にしかみえないが、西武打線は
それでだまされてはいけない」
5月2日の楽天戦。
「17三振を喫したのに、
3対0で勝っていた」
「三振か長打か。フルスイング野球」
6月6日のDeNA戦。
「15三振しながら、
ソロ5発で勝った」
「空振りを恐れないところに
『非日常』の空間ができる」
このライオンズの「非日常」性に、
私、なにか引っかかるものを感じた。
「中村剛也や森友哉らの一振りには
『肉を切らせて骨を断つ』という殺気が満ち、
投手と打者がどちらも
無傷で終わることがない」
おもしろい。
球場でこの臨場感を味わいたくなった。
「今季の西武に限っては、
三振の多い試合の方が
不穏な空気に満ちて面白い」
「昔はなぜだか
三振を極度に恥じていた」
私たちの子供のころの野球でも、
三振すると馬鹿にされた。
だからたいていの子供は、
三振を恐れた。
中村、森。
西武打線。
三振を恐れない。
これは商売の、
「とんがれ、こだわれ」と同じ。
豊田泰光。
元西鉄ライオンズの侍。
日本プロ野球で最初に、
通算1000三振を記録。
そして「千振会」の立ち上げを提唱した。
1000三振しても、
「チームに必要とされて
起用され続けた証拠だから、
立派なもの」
豊田こそ、とんがり★こだわりの、
ユニークなプロフェッショナルだった。
たとえ三振といえども、
人がやらないことをやって、
一方でチームに不可欠の野手となる。
豊田のようなバッターが、
ライオンズに戻ってきた。
生涯西鉄ファンの結城義晴、
これもうれしい。
さて、商売に一番重要な条件。
総務省住民基本台帳の人口動態調査。
国内の日本人の人口は、
1億2616万3576人。
1月1日時点。
前年に比べて約27万人の減少。
この1年間27万人減は、
調査を始めた1968年以降で最大。
出生数は調査開始以降、
最少の100万3554人。
死者数は127万311人。
これも調査開始以降、最多。
自然減は26万6757人、
8年連続。
「死者数-出生数=自然減数」
外国人住民数は増え続けている。
住民登録している外国人人口は、
206万2907人。
1年間に2.97%も増加している。
だから日本国に住民登録している総人口は、
1億2822万6483人。
都道府県の人口を見ると、
首都圏への一極集中が進む。
東京都は1329万7585人。
6443万5084人、過去最高を更新。
9年連続全国人口の半数以上。
しかし名古屋圏、関西圏は人口減少。
生産年齢人口(15~64歳)は、
7717万2787人、
総人口に占める割合61.17%。
年少人口(14歳以下)は1631万18人、
12.93%。
老年人口(65歳以上)3268万764人、
25.90%で、年少人口の2倍を超えた。
しかし生産年齢人口7700万人は、
ドイツの総人口よりもちょと少ないが、
イギリス、フランス、イタリアの全人口よりも多い。
そうそう、悲観ばかりはしていられない。
そして地方は41道府県で人口が減少。
逆に増えている都県は6。
順番に、
東京都0.57%増
沖縄県0.32%増
埼玉県0.13%増
神奈川県0.12%増
愛知県0.11%増
千葉県0.02%増
人口の多い都道府県は、
①東京都1288万人
②神奈川県895万人
③大阪府867万人
④愛知県730万人
⑤埼玉県713万人
以下、⑥千葉県614万人
⑦兵庫県554万人
⑧北海道541万人
⑨福岡県506万人
500万人以上の都道府県は9。
これ以下、400万人台の県がなくて、
10位は、静岡県の371万人。
さらに市町村で見ると、
すべての市区で77%が人口減、
すべての町村のうち88%が減少。
私はチェーンストアは、
ローカルチェーンこそが、
最も重要な基礎単位だ、
と言い続けている。
既にドミナントを築いている県・市町村単位で、
人口が増えているか減っているか。
これは重要だ。
ライフコーポレーションやヤオコー、サミットは、
その基礎単位の人口が多い上に、
人口が増加している首都圏や関西圏の企業。
ユニーやバロー、ヤマナカといった愛知県勢も、
豊かなエリアを持っているはず。
ヤオコーは1都6県に、
142店の店舗網を持つ。
その総人口は4202万人。
ユナイテッド・スーパーマーケットも、
1都6県に479店舗、
同じく総人口4202万人。
サミットも1都3県だが、
総人口3515万人。
ライフコーポレーションは、
首都圏で東京・神奈川・埼玉・千葉、
関西県で大阪・兵庫・京都・奈良。
総人口5327万人。
関西では、万代が、
大阪・兵庫・京都・奈良・三重の1府4件で146店。
総人口は1994万人。
平和堂は、9県に157店。
滋賀、福井、石川、富山、岐阜、愛知、
京都、大阪、兵庫。
総人口3047万人。
そして最近、M&Aで注目のイズミは12県に91店。
広島県、岡山県、山口県、島根県、兵庫県、
福岡県、佐賀県、大分県、長崎県、熊本県、
そして香川県、徳島県。
総人口は2448万人。
こんなことを計算していると、
イオンは福井県だけ、
ショッピングセンターなどの店舗がないから、
総人口1億2537万人になってしまって、
論点がずれるが、
人口増加のドミナントエリアを持つと、
そしてそこでマーケット・リーダーであれば、
将来が安定しているということになる。
もちろん地域内シェアがまた、
重大な問題にはなるけれど、
世界サッカーのクラブチーム。
マネーリーグと言われる。
レアル・マドリードに、
FCバルセロナ、
バイエルンミュンヘン。
収入の多いチーム。
「勝ったチームはより稼ぎ、
その分で補強が可能となり、
また勝つ可能性が高くなる」
チェーンストアの競争原理に、
そのまま当てはまる。
勝った企業はより稼ぎ、
その分で再投資が可能となり、
また勝つ可能性が高くなる。
人口増加エリアのマーケット・リーダー。
勝った企業はまた強くなる。
クール過ぎるだろうか。
いや、それが現実だ。
現実を直視せずして、
何を見る。
最悪を覚悟して、
最善を尽くせ。
しかし、こうしてみると、
日本女子サッカー。
また強くなるに違いない。
これはうれしい。
〈結城義晴〉