安全保障関連法案可決と商人舎ミドルマネジメント研修会2日目
北海道上空の低気圧に向けて、
日本列島南側から暖気が吹き込む。
群馬県館林市は39.3度。
㈱とりせん本部がある都市。
私たちは、湯河原の合宿。
お蔭さまで暑さとは無縁の環境。
ありがたい。
衆議院平和安全法制特別委員会。
安全保障関連法案は、
与党賛成多数で可決。
野党三党は採決を拒否し、与党の単独採決。
明日、衆院本会議での可決・通過の見込み。
その後、参議院に送られるが、
今国会の会期末は9月27日。
万一、参議院で可決できなくとも、
憲法の「60日ルール」によって、
今国会の会期内で成立することは、
確実になった。
安倍晋三首相。
「国際情勢が大きく変わっている中で
今のままで国民を守っていけるのか。
切れ目のない対応を可能とする
今回の平和安全法制が必要だ」
さらに認めた。
「残念ながら国民の理解が
進んでいる状況ではない」
岸信介首相時代の60年安保ほどではないが、
同じような構図になってきた。
もちろん岸は安陪首相の祖父。
清水信次さん。
日本小売業協会会長、
日本チェーンストア協会会長、
生団連会長、
そしてライフコーポレーション会長。
故岸信介氏とは長い親交があった。
「岸先生はずっと、
あの時は急ぎ過ぎた、
と反省していた」
安倍晋三、いささか、
急ぎ過ぎの観あり。
歴代政権は、自民党のそれも含めて、
憲法9条によって集団的自衛権は、
禁じられていると解釈してきた。
その行使を認め、
日本の安全保障政策は、
大きな転換をすることになる。
国家の安全保障と、
国民の生活向上。
いつも私たちは、
このことを念頭におかねばならないが、
安倍晋三、拙速すぎる。
台風の気配もないいい天気。
そして山々の緑。
そんな湯河原の朝8時。
なぜなら今朝は第1回目の理解度テスト。
いよいよ試験用紙が配られる。
受講生は昨夜、遅くまで復習をしていた。
皆、真剣に向き合う。
この濃密な時間に、
自分自身の中に、
新しい発見があったりする。
それこそ大切なことだ。
〇×式や選択式ではない。
7問の記述式の設問。
学んだことを自分の言葉で表現する。
30分はあっという間。
闘い終えた受講生たち。
誰もがよく頑張った。
まずは、お疲れ様。
そして、今日の講義のスタート。
第1講義は、私の
「ナレッジマネジャーのためのマネジメント」
顧客満足と従業員満足。
世界中の優秀小売業は、
このCSとESを最重視する経営を志向している。
ウォルマートもクローガーも、
ホールフーズもウェグマンズも、
CSとESの経営を目指している。
その重要性を解説しつつ、
ミドルマネジメントとして、
現場で実現すべきことを講義した。
ミドルマネジメントにはそのことを、
自分自身の店で、自分の部署、自分の現場で、
実現させてほしい。
朝から、結城義晴渾身の講義。
ご清聴に感謝。
白部さんは今や、
「計数管理」の第一人者。
川崎進一、藪下雅治を継ぐ存在。
現場で活用できる、
実践的な計数管理の考え方と手法を、
わかりやすく講義してくれる。
実際に電卓をたたき、
設問を解かせる。
それを一人一人、見て回り、
具体的に指導する。
そ
受講生は、マイクをバトンリレーし、
設問に答えていく。
そして今日の後半は、結城義晴が担当。
午後2時半から夜8時までの長丁場。
ミドルマネジメントにとって必須のテーマ。
キャッシュフロー経営の有用性、
世界のマネジメントの歴史的転換、
日本チェーンストア産業が陥ったマネジメントの弊害、
そしてドラッカーからミンツバーグまで、
現代マネジメントの焦点問題を語りきった。
ドラッカーのマネジメント手法を語るころには、
声も枯れてきた。
最後は、スライドを見てもらいながら、
チームマネジメントのケーススタディ。
ウェグマンズとホールフーズ、
そのチームマネジメントの考え方。
店舗のスライドを見せると、
皆、目がキラキラと輝きだす。
午後2時半から夜の8時まで。
全身全霊の講義。
2日目の講義も無事終了。
第7回目の今回は、
女性の受講者が7名、
これまでで最多。
ミドルマネジメント研修会にも
ダイバーシティの考え方が必要か。
楽しい夕食を終えると、
ふたたび会場に戻り
明日の理解度テストのための学習。
もちろん自室で復習している受講生もいる。
自習室の瑞雲の間では、
たった一人で集中して学習。
それもよし。
2日目の夜も、こうして更けていく。
台風11号は日本中に激しく雨を降らせ、
国会では安全保障関連法案が通過する。
その中で私たちは、
自ら、社会貢献するための、
脱グライダー商人を目指して、
研修を続ける。
(つづきます)
〈結城義晴〉