ユニクロの「週4日勤務体制」とヤオコー南古谷・富士見取材
夏が終わった。
甲子園大会が終了すると、
毎年、いつも、そう思う。
第97回全国高校野球選手権大会、
決勝は昨日、このブログで書いた通り、
追いつ追われつの好ゲーム。
わが神奈川の東海大学相模高校が、
45年ぶりに2度目の優勝。
宮城の仙台育英高校は、
残念ながら、東北に、
初の優勝旗をもたらすことができなかった。
得点結果は、10対6だったが、
9回まで6対6の接戦。
東海大相模が2度目の優勝というのは、
ちょっと意外な気がする。
私はかつて横浜の白旗小学校で、
ソフトボールの監督をしていた。
その監督の最後の年のキャプテンが、
シニアリーグから東海大相模に進んで、
門馬敬治監督のもとで、
甲子園を目指していた。
今年のエース小笠原慎之介の発言。
「辛いことばかりだった」
暗に門馬の指導法も、
小笠原は語っている、
と、私は感じた。
優勝は偉大な実績だ。
選手も監督も褒めてやろう。
しかし彼らの将来こそ、
大いに楽しみだ。
仙台育英の選手たちにも、
輝かしい将来がある。
そちらのほうが大事だ。
夏の終わりに、いつも、そう思う。
さて、日経新聞一面トップに、
「ファストリ、週休3日に」。
10月から導入する制度は、
「変形労働時間制」を採用して、
週に4日働いて3日休むことができる。
まず国内の約840店ニのユニクロで導入。
ユニクロには「地域正社員」が1万人いる。
パートタイマーから昇格した転勤のない正社員。
その1万人が本人の希望で、
週休3日を選ぶことができる。
具体的には、
1日8時間で5日の勤務体制を、
10時間で4日にする。
1週間に40時間の勤務は変わらない。
米国ウォルマートの店長と副店長は、
4人いるのが標準だ。
365日24時間、7000坪450人体制の店舗を、
その4人でマネジメントする。
だから1日12時間勤務の基本だ。
4人が2人ずつ1組になって12時間。
3日間12時間勤務をして、
1日休む。
もちろんストアマネジャーとコマネジャーだが、
彼ら彼女らはそれが基本。
ユニクロは、
店が忙しい土曜日と日曜日には出勤し、
平日に3日間休んでもらう。
もちろん現場社員の希望に沿う形。
この新しい勤務体系によって、
地域正社員を1.6倍に増やす計画。
働く側からすると、
1日2時間だけ余分に仕事して、
1日分休みが増える。
それを魅力と感じる人は、
ユニクロに就職する。
働く体制に選択肢が増える。
積極果敢な変更。
私は効果を発揮すると見る。
さて、ヤオコーの店舗巡り2日目。
川越東武ホテルに宿泊して、
朝9時過ぎに、川越南古谷店を訪れる。
2003年にオープンして、
狭山モデルを進化させ、
一時代を画した旗艦店。
浜田文雄店長にインタビュー。
コンサルタントの鈴木國朗さん、
店舗設計家の西川隆さんも同道。
浜田さんは51歳のベテラン店長。
重要な店舗をしっかりと守り、
改革を進める。
そして最後にららぽーと富士見へ。
ヤオコーららぽーと富士見店。
今年4月にオープンして、
日本中の話題をさらっている新店。
柳均さんが出迎えてくれた。
販売部所沢地区担当部長。
鈴木さんと店内で議論。
一周りしてから、
インタビューと意見交換。
感じたことを率直に言う。
それを真摯に受け止めて、
その上で自分たちで考え、
改善・改革につなげてくれる。
その姿勢がヤオコーのDNAとなっている。
だからまた、率直に意見を言う。
話している間に、
高知のサニーマートから、
見学グループがやってきて、
声をかけてくれた。
ひっきりなしに、
視察者、見学者が訪れる。
それだけの価値のある店舗。
しかし、改善の余地も、
山ほどある。
副店長の鳥居義範さん、
上村剛史さんを交えて、
記念写真。
ありがとうございました。
もう、ここまで行動日誌で書いてくると、
9月10日発売の月刊『商人舎』9月号は、
内容がわかるだろう。
そう、「ヤオコー特集」。
大いにご期待ください。
商人舎にしかできない編集内容となります。
期待は裏切りません。
いや、予想を裏切り、
期待を超えてみせる。
その後、横浜まで戻る。
車の中で、熱闘甲子園中継を聴きながら。
そして中山のアイダスグループオフィス。
鈴木さん、西川さんと、
座談会。
激論。
意見は対立。
しかし見解の一致点も、
多いにある。
これが大事だと思う。
誰かが一人で、
「こうだ」と決めつけてしまうことには、
危険が多すぎる。
そんな全知全能の人間など、
いるはずもない。
そうした意思決定の中で、
物事を進めている企業があったら、
それは危ない。
そうした形で、
何かが決められるようなセミナーがあったら、
眉ツバだと考えたほうがいい。
ピーター・ドラッカーは、
『マネジメント』に書いている。
「意見の対立を見ない時には
決定を行わないこと」
全て終わって、
ほっと一息。
ヤオコーのみなさんにも、
鈴木さん、西川さんにもお世話になった。
しかし、2015年の甲子園準決勝&決勝と、
同時中継のヤオコー旗艦店巡り。
楽しかった。
充実していた。
すべての人に、ありがとう。
〈結城義晴〉