クローガーがマリアーノス買収、ダラスで平和堂研修開始
アメリカに来てから3週間。
疲労が蓄積して、
夜は食事をしてワインなど飲むと、
部屋に帰ってすぐに眠ってしまう。
そして朝の4時ごろに起きて、
Daily商人舎のニュースを仕上げて、
事務仕事をする。
そのあとで写真を整理して、
ブログを書く。
そして朝8時には、
講義をするか、
出発するか。
そこでブログの公開が遅れる。
時差時間でお許しいただきたい。
さて、こちらアメリカでは、
クローガーのM&Aが話題になっている。
ローカルチェーン「ラウンディーズ」を買収。
ラウンディーズは、
ミルウォーキーに本拠を持ち、
ウィスコンシン州とイリノイ州で、
スーパーマーケット151店舗を展開する。
店舗バナーは複数。
つまりマルチ・バナーの戦略。
ピック・アンド・セーブ、
カップス、メトロ・マーケッ ト、
そしてマリアーノスなど。
ほかに10店のファーマシーを有する。
しかし、どのエリアにもある競争激化で、
業績が悪化し、直近3四半期にわたって、
収益が激減した。
つまり競争に負けたということだ。
そこで、オーナーは売却を決断。
日本でも一部で話題にされているが、
マリアーノスはラウンディーズの一部門。
シカゴで34店舗を展開する高級スーパーマーケット。
私も昨年の11月に訪れて、
最新の店づくりには一応の評価をしたが、
一番の関心事はその収益性であった。
ラウンディーズCEOは、
ロバート・マリアーノ氏。
かつてシカゴを中心に、
ドミニクスというローカルチェーンがあった。
1999年にセーフウェイに買収されてしまったが、
マリアーノ氏はその経営者でもあった。
ドミニクス売却後、再起して、
ラウンディーズを創業し、
マリアーノスは経営者の名前を冠するほど、
グループ内でも期待された。
基本はホールフーズとウェグマンズの折衷的模倣。
ナチュラル&オーガニックの生鮮食品と、
プリペアードフーズ&フードサービス部門の強化で、
週販100万ドルの繁盛店をつくった。
しかし高コストを回収するだけの
収益性が確立できず、
どう見ても採算分岐点が高い店となった。
ラウンディーズのプライベートブランドも、
大量に投入したが、それも中途半端。
会社全体は競争激化で利益を悪化させた。
結局はマネジメントの問題だった、
ということができる。
しかしマネジメント・レベルは、
店に、現場に現れる。
それを見抜かねばならない。
クローガーは今回の買収によって、
ウィスコンシン州への進出を果たした。
さらにマリアーノスの取得で、
シカゴ地区の店舗ネットワークが強化される。
ハリスティーターに続いて、
マリアーノス。
もはやローカルチェーンの受け皿企業は、
クローガーしかなくなった。
この潮流はこれからも続くだろう。
アメリカにローカルチェーンがある限り。
さて私はサンフランシスコから、
ダラスに移動。
空と海の青が溶け合う中、
サンフランシスコのダウンタウンと、
ベイブリッジが見える。
ダラスフォートワース空港を取り巻くように、
フリーウェイ。
そのテキサス最大の国際空港に到着。
しかしここで、トラブル。
バッゲージクレイムで、
いくら待っても、
私のトランクが出てこない。
仕方なく、書類を作ってもらって、
空港で日本から到着した、
平和堂のメンバーと合流。
心ここにあらず。
しかし最初に向かったのは、
ウォルマート。
このショッピングセンターの店舗は2層式。
ウォルマートスーパーセンターとサムズの連弾。
入口の飲料のプロモーションは、
クリスマスがテーマ。
かわいい。
平冷蔵ケースも蓋つき。
省エネを意図する。
その中には七面鳥。
PBグレートバリューのオーガニック牛乳。
NBのホライズンより断然、売れている。
そして入口青果売場に、
ど派手なクリスマスカラーのデコレーション。
主通路でも、
ナチュラル&オーガニックを打ち出す。
ナチュラル&オーガニックの食品を、
集めまくったコーナー。
どんどん売場が広がっている。
そして話題の「フリーフロム101」のコーナー。
大ヒットPBシンプル・トゥルースが並ぶ。
広いインストアベーカリー売場。
自家製のクッキーやマフィンなどが利益を稼ぐ。
バルーンを多用しているのが特徴的だ。
こちらは週のお買い得品を集めた、
「ウィークリーディール」のコーナー。
エブリデーロープライスを基本に、
クロガーは今、
家具からアパレルへと売場を大改装中。
家具よりも衣料品のほうが、
断然、商品回転率がいいし、
食品との「親和性」が高い。
衣料品にこれだけ広い売場を確保している。
クローガーの新しいウォルマート対策だ。
ただし実験の真っ最中。
まだまだです。
この非食品を強化したフォーマットが、
クローガー・マーケットプレース。
食と衣の親和性。
極めて重要なテーマだ。
さて視察が終わると、
そのまま、夕食会場へ。
HOFF BRAUステーキハウス。
テキサスの最初の夜は、
ステーキを堪能。
明日からはまた、
ハードな視察研修が始まる。
トランクの行方を気にしつつも、
目いっぱい車内講義した。
(つづきます)
〈結城義晴〉