トランク紛失事件の顛末と平和堂ダラス研修料理大会まで
サンフランシスコからダラスへのフライトのとき、
紛失した私のトランク。
出てきました!
アメリカン・エアライン(AA)の国内便だったのに、
なんと、マドリードに行っていた。
私の今回の席は、1A。
つまり一番前のファーストクラス。
なおかつ、私は、
AAのプレミアムカードホルダー。
AAの拠点はダラス・フォートワース空港。
私はダラス地区に年に6・7回やってくる。
当然ながらAAの利用度が高くなって、
そこでプレミアム会員となる。
だから、トランクが出てこないはずはない。
ちょっとだけそう考えていた。
しかし、国内便のはずなのに、
マドリードまで旅をしていたなんて。
愛しいトランク。
取っ手のところに、
いろいろなタグがつけられていて、
トランクの旅路を物語っていた。
いずれにしても、ありがたい。
すべての関係者に感謝いたします。
さてニューヨーク株式市場。
今度は3日連続で伸び続けた。
ダウ工業株30種平均は、
前日比1.4%高。
アメリカの景気の底堅さが理由。
10月の住宅着工件数は、
前月に比べると大幅減。
しかし、先行指標の一戸建て許可件数は、
高水準だったから、株価に反映した。
ちょうど私たちは、
モデルハウスを訪問。
こんな高級住宅街。
テレビから出てきたようなセールスレディが、
ていねいに売り込みのスピーチ。
平和堂第10回研修団のメンバーも、
神妙に聞いた。
それにしても、いい家。
これで6000万円。
全員で写真。
一方、日本では18日に、
イオンスタイル板橋前野町店が、
ソフトオープン。
都内で2店目。
イズミヤの居ぬき店舗を、
大胆に改装。
昨日のデイリー商人舎ニュースで、速報した。
この店舗は、
イオンリテール南関東カンパニーの開発。
この二人が中心となって、
新店のコンセプトを具現化。
その新店は、1階を、
「買う」と「食べる」のコンセプトで、
果敢につくり上げた。
まさにイータリーだ。
どこまで仕上がっているのか。
イータリーやウェグマンズに学び、
挑戦した店舗づくり。
石井店長は
「結城先生にダメ出しされる」
と言っているらしい。
でも、この表情を見れば大丈夫。
アメリカで学んだ同志たちが、
日本に帰って改革に取り組む。
平和堂も、万代も、イオンも。
何よりもうれしいことだ。
疲れも吹き飛ぶ。
さて平和堂のダラス研修。
ホテルは、ハイアット・ハウス。
ダラスの二日目は、
朝から、結城義晴の講義。
事前講義をしているので、
いきなりアメリカ情勢から、
競争理論、フォーマット理論へ。
そして商品理論のさわりの部分まで。
実はこのとき、
私のトランクはマドリード。
それもすっかり忘れて、
講義に集中した。
店長のジョシーさんを囲んで、
レクチャーを受け、質問した。
29歳のジョシー君、
腰にはトレードマークのはたき。
これで率先してクレンリネスに励み、
それでリーダーシップを発揮する。
質問が次々に出た。
それに丁寧に答えてくれて、
満足顔。
写真左は今回の団長・木村武さん。
平和堂SM事業部部部長。
ジョシーさんの意欲に感銘。
そしてクローガーの強みの一端を知った。
つづいて、ホールフーズへ。
こちらはマーケティングチームリーダーが、
出迎えてくれて、2階のコミュニティルームへ。
マリアさんが、実に丁寧に、
ホールフーズのコンセプトを語ってくれた。
その後、質疑応答。
ここでも知っていることを、
全部教えたい、といった意気込み。
お礼に西迫昭さんから箸のプレゼント。
西迫さんはアルプラザ野洲店長。
副団長と握手。
副団長は、藤田慎平さん。
ビバシティ平和堂支配人。
そのあとマリアさんの店内ツアー。
この店はスパを改造した物件で、
青果部門から鮮魚部門は、
ワンウェイコントロールになっている。
それが実にいい。
HEBのセントラルマーケットとも、
ちょっと異なるワンウェイ方式。
鮮魚部門が終わるところから、
壁面沿いにミート部門、
右に折れるとグロサリー部門。
バーベキューのスペシャリスト。
ケーキ売場のチームメンバー。
店舗右サイドはフードサービス部門。
そしてその売り場を2階から見下ろせる。
2階からは全容が臨める。
この店でオーガニック・ランチをとって、
最後に全員で写真。
マリアさんはなんと、
私たちのバスまで見送りに来てくれた。
そしてスマホで写真。
全員、感動の嵐。
続いて、トレーダー・ジョーへ。
今年オープンした新店。
ここでもマネジャーのマーク君が登場。
実に頭のいい男で、難しい質問に、
「グレイト・クェッション‼」を連発しながら、
理路整然と答えてくれた。
そのあと、店内視察。
店内の雰囲気、サイン、レイアウト配置、
すべてトレーダー・ジョーの、
ポジショニングを表現していて、
いい勉強になった。
壁面のイラストも、
ユーモアがあって、よろしい。
そしてまた、全員の写真。
そのトレーダー・ジョーの隣に、
アイスクリームショップ。
店員の女性と写真。
当然に、彼らはアイスクリームを買わされた。
今日の視察の最後は、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
この店がどんな顧客に、
どんなマーケティングをしているか、
チームメンバーに考えてもらった。
考えることこそ、
商人の仕事である。
今日はとんがった店ばかり訪問し、
そこでとんがりの極意を学んでもらった。
これこそアウトスタンディングな、
ポジショニングである。
さて最後にホールフーズへ。
今度は、買物ツアー。
6つの班に分かれて、
今夜の料理を作って競う。
そのための買い物。
全員、売場に散らばって、
自分たちで決めたメニューに必要な商品を選ぶ。
サラダのコーナーは、
当然込み合う。
そして班ごとに相談しながら購買。
班長に聞きました。
こちらも相談中。
商品の吟味中。
ドレッシングはどうしようか。
こちらの班も思案中。
全員でリーチインケースをのぞき込む。
最後は総菜コーナー。
そして上限の100ドルを計算する。
チェックスタンドへ。
こうして買い物すると、
見るだけ、写真を撮るだけでは、
わからないことがわかる。
これが買い物の目的。
そしてホテルに帰還。
すぐに部屋に戻って、
調理タイム。
そのためにホテルはキッチン付き。
西迫班長も真剣そのもの。
とてもうれしそう。
こちらは全員一室に集合。
やはり男の料理は、
酒を飲みながらが一番。
こちらは若手組。
5班班長の加藤太佳彦さんと、
杉江栄一さんは出来栄えに満足気。
加藤さんはアルプラザ小杉店長、
杉江さんは江南店店長。
3班も平尾幸久班長を中心に、
ほぼ出来上がりました。
平尾さんはアルプラザベル支配人。
さて、料理が出そろって、
会議室に持ち寄り、
テーブルごとに盛り付けが終わると、
いよいよ食事会とコンテスト。
まずは各班ごとのプレゼンテーション。
6班から西迫班長。
5班は加藤班長のプレゼン。
テーマは「二羽の丸鳥」
平和堂のロゴマークをテーマに、
鳥の丸焼きにサフランライスの詰め物をして、
手の込んだ料理に仕上げた。
4班は東之嗣班長。
アルプラザ富山支配人。
テーマは「ビューティフル・クリスマス」
手作りハンバーグがお薦め。
そして3班は平尾班長のプレゼン。
テーマは「一般家庭のクリスマス」
だからさっさとできる簡便商品を、
上手に組み合わせて、
短時間で完成。
デザートのレモンパイは、うまかった。
そして2班は谷岡秀伸班長、
アルプラザあまがさき支配人。
こちらは優勝狙いで、
「コメを囲むクリスマス」
豚肉の生姜焼きも、
卵の中華料理もなかなかイケた。
最後に1班は林直行班長のもと、
テーマは「お客様との会話から」
サーモンづくしが特徴。
林さんはアルプラザ草津支配人。
ホールフーズの店舗で、
実際にお客様に聞いて、
そのお薦めのメニューを、
忠実に作った。
これも優れたマーケティングだ。
プレゼンテーションが終わると、
試食を兼ねた食事会。
乾杯の音頭は、平尾さん。
そして一気に食べ始める。
私も加藤さんから、
取り分けてもらって、試食。
私は全6班のおすすめメニューを食べた。
食事が進むと、
サプライズ企画。
お二人のバースデー祝いと、
結城義晴平和堂米国研修第10回記念。
ケーキのローソクを吹き消して、
そのあと全員の拍手をもらった。
ありがとう。
それから、いよいよ、
表彰式。
まず団長の木村武さんが、
団長賞を発表。
団長は1班を選んで表彰。
「お客様との会話から」を評価。
それから私の決めた優勝。
ポジショニング戦略は、
「自らの強み」を、
ベースにしていなければならない。
そこで「二羽のハト」の5班。
加藤班長に商品を授与。
発表した瞬間、
5班からは歓声が上がった。
とはいっても、全班が、
短時間に100ドルの予算内で、
実にいい仕事をしてくれた。
全員を表彰しよう。
最後の締めの挨拶。
6班の西迫昭さん。
今日はいいことばかりだった。
紛失したトランクが戻ってきた。
とんがった店では、
その責任者たちが、
実に丁寧に熱意を込めて、
語り掛けてくれた。
感動した。
そしてその感動を受けて、
感謝しつつ、料理し、コンテストした。
全員が学んで、
そのあと行動した。
それが何よりだった。
私もすべての人々に、
感謝しつつ、
アメリカの旅の最終コーナーを、
全力疾走しよう。
朝に希望、
昼に努力、
夕にも努力、
夜にも努力、
深夜に静かに感謝。
(つづきます)
〈結城義晴〉