北の湖逝去、フォートワースのHEB2フォーマットとAldi
北の湖が死んだ。
11月20日午後6時55分。
直腸がんによる多臓器不全。
62歳。
横綱在位63場所の記録、
日本相撲協会理事長。
「花のニッパチ組」と呼ばれた、
昭和28年生まれ。
私の一つ下。
通算勝利951勝、幕内優勝24回。
惜しい、もったいない。
60代はまだまだひよっこ。
ほんとうに、これからだったのに。
ご冥福を祈りたい。
さて私はダラス。
朝いちばんで、フォートワースの南へ。
HEBプラス。
テキサス最強のリージョナルチェーン。
その非食品強化型のスーパーマーケット。
今月の月刊『商人舎』で特集した。
「Kroger&HEB」
Walmartと正面衝突して勝利する「企業力」の研究。
その最大の武器が生鮮食品。
壁面のキャベツとレタス売場。
すごい。
もちろんオーガニックでも、
ウォルマートを圧倒。
我々は「145」、
彼らは「51」。
これはオーガニック青果の品目数。
「彼ら」とはウォルマートのこと。
バナナもウォルマートを圧倒。
パイナップルは1個97セント。
フィッシュ・マーケットとミート・マーケット。
対面売場を連ねる。
ミートは「プライム」ランクを品揃え。
そして「クラブパック」
いわゆる大容量商品だが、
連携するウェグマンズに学んだ。
チーズ売場も、
ウォルマートを凌ぐ。
そしてインストアクーポン。
ウォルマートがやらない販促手段を多用する。
エンドは商品が売れていけば、
サンタクロースが現れる。
このエンド、よく売れている。
キッチンサポートコーナーだが、
ここでデモンストレーションするアイテムには、
必ず売り場でも、
「PRIMO PICKS」の表示がつけられる。
コンコースの島陳列。
こちらはウォルマート方式。
牛乳は1ガロン1ドル47セント。
1ガロンは3.8リットルだから、
1リットル38円67銭。
クリスマス用品もウォルマートと同等レベル。
おもちゃ売り場も広げるが、
それもウォルマートと同等。
非食品やグロサリーでウォルマートと同等ならば、
圧倒する生鮮食品で勝利することができる。
それがHEBの作戦。
もう一つ、
ウォルマートがやらないフォーマット。
Aldi
セントラルマーケット。
高級スーパーマーケット。
オレンジのエンド。
シャワー陳列が見事。
こちらも青果部門は圧巻。
シーフードも抜群の鮮度。
日本に比べるとそれは劣るかもしれないが、
アメリカでは抜群。
「Meal in Minutes」のコーナー。
「3分間クッキング」みたいな感覚。
精肉売り場はホワイトミートからレッドミートへ。
ベジタリアンにも受け入れられる。
店舗真ん中あたりのプロモーションステージ。
もちろん「Big Thanks」
サンクスギビングデーは来週。
チーズから乳製品へ。
「Big Thanks」が冷蔵ケースの上を連なる。
そしてこれ。
家を形どったジンジャーブレッド。
牛乳はセントラルマーケット・ブランド、
もちろんオーガニック。
ベーカリーもパンだけではない。
そしてセルフデリの売り場。
対面デリの売り場。
おいしいことは大前提。
出口にサンクスギビングのテーブル。
今週末から、ここに、
サンクスギブングのごちそうが、
ずらりと並ぶ。
HEBの2フォーマット。
堪能しつつ、大いに学ぶ。
そしてアルディ。
世界最高峰のボックスストア。
リミテッドアソートメントのディスカウンター。
平和堂研修団団員が集まる。
右がチアシード、
左がフラックスシード。
2ドル99セントと2ドル45セント。
あっという間に品切れ。
牛乳は1ドル39セント。
HEBとウォルマートが近くにあって、
いずれも1ドル47セント。
だからアルディは1ドル39セント。
店内は1万平方フィート(281坪)ながら、
広々と感じられる。
青果も1品種1SKUながら、
安くて鮮度がいい。
モッツァレラチーズも1SKUだが、
この2ドル69セントは安い。
冷蔵ケースのハムも安くて良い。
ハンバーガーバンズは8個入りで85セント。
バナナも一番安い。
安くてきれい。
安くてフレンドリー。
全員が驚きつつ満足。
アメリカのディスカウント競争は、
完全に変わってきた。
安くてきれい、
安くてフレンドリー、
安くて良い。
そしてクィック・トリップ。
働きがいのある企業ランキングで、
55位のホールフーズを抑えて54位。
セブン-イレブンがベンチマークするコンビニ。
入口を入ったら、
店員がアイコンタクトして、
にっこり。
700店を超える規模で、
8000店スケールの米国セブンを、
リードする。
さて、ダラス都市圏を発つにあたって、
最後にちょっと観光。
フォートワース・ストックヤード。
牛の一時ストック場だった。
鉄道のストックヤード駅があって、
牛が出荷された。
子供たちが見学に来ている。
当然、ロデオなども行われた。
テキサス・ロデオ・カウボーイ。
牛の背中にまたがるアトラクション。
ショップにはカウボーイグッズ満載。
ブーツ。
カウボーイハット。
一日に2回、ロングホーン牛の行進。
カウボーイが誘導する見世物。
テキサス唯一の観光地を、
ほんのちょっと覗いて、空港へ。
アメリカンエアーライン。
そして飛び上がると、
ダラスの湖と緑。
3時間半、機内では、
gogoflightでシゴト仕事。
夕日が沈む太平洋が見えてきて、
ベイエリアに到着。
サンフランシスコ湾の南。
道路に灯がともる。
サンフランシスコに戻ってきました。
最後のひと頑張り。
しかし北の湖は惜しい。
再び哀悼の意を表したい。
合掌。
(つづきます)
〈結城義晴〉
