高橋栄松さんの訃報と23日間米国研修記「自分に期待する」
帰国したら、訃報の葉書。
高橋栄松さん、
スーパーマーケット経営研究所代表。
今年5月28日に永眠した緒方知行さんの次の、
㈱商業界『販売革新』誌第3代編集長。
7月5日に、胆管細胞がんで逝去、
73歳。
晩年は隠遁に近い、
飄々とした生き方だった。
健康には人一倍気を使っていたのに、
その反対の生き方をした緒方さんを、
追いかけるように逝ってしまった。
76歳で亡くなった緒方さんよりも、
3年短い生涯だった。
実に偏屈な新潟県人で、
どんな時にも我が道を行く人。
緒方知行編集長時代、
副編集長としてコンフリクト(対立軸)の役割を、
立派に果たしていた。
緒方さんが大上段振り被り型の、
やや扇動的ジャーナリストとするならば、
高橋さんは理論突き詰め型の、
実務実践的ジャーナリストだった。
緒方さんは広くて、高い。
高橋さんは狭いけれど、深い。
私はお二人から影響を受けた。
私にとって高橋さんは、
緒方さんのあとの二番目の上司だが、
具体的な仕事はほとんど、
この高橋さんに教えてもらった。
高橋さんは、
第一線のジャーナリストでありながら、
いつも奥様の手弁当の昼食。
夕方になると、さっさと帰宅した。
酒は一切、飲まず、
しかしタバコはフィルターを使って、
チェーン・スモーク。
記事は期日通りに完璧に仕上げる。
自分の乱暴な文字の原稿を必ず、
奥様にきれいに清書してもらって、
それを入稿した。
だから印刷所からは、
一番、有り難がられた。
著書は『大競争時代のSMの成長戦略』
オール日本スーパーマーケット協会から、
1995年に発刊された。
故北野祐次関西スーパー名誉会長から、
高橋さんはことのほか信頼されていて、
私がそれを引き継ぐことになった。
こうして先輩たちが一人ひとり、
逝ってしまうのを見送るのが、
私の役目となってきた。
まったくもって寂しい限りだが、
それでもしっかりとそれぞれの遺志を、
受け止めていきたいと思う。
心からご冥福を祈りたい。
さて糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」
今日は「自分に期待する」がテーマ。
「『じぶんに期待する』ということを、
このごろ、ぼくは言うようになりました」
「いま、どれほど落ち込んでいても、
周囲からまったく認められていないとしても、
なにか大きなハンデのなかにいるとしても、
『じぶんに期待する』ことができていれば、
とてもよく生きていると言えるんじゃないか」
同感だ。
「希望」のエネルギーは、
「自分に期待すること」から、
生まれるのだから。
逆に、「じぶんに期待できない」ことは、
「いまがどんなに元気で活躍できていても、
相当につらいことだと思います」
とりわけてチームで仕事をする場合。
「『じぶんに期待する』人が、
ひとりでもいないと、
なにをするのも無理になる」
糸井のリーダーシップ論。
「リーダーが『なんとかなるんじゃないか』と
思っていることは、とても重要なことです」
その際、根拠は、
「あったほうがいいのですが、なくてもいい」
「いい年をしてと思われたら
お恥ずかしいのですが、
ぼくは、『じぶんに期待する』分量が、
どんどん多くなっていることに気づきました」
「なんでだろう、
たのしみでしょうがないんです」
これ、自慢話かもしれないが、
いいねぇ。
わたしにもちょっと、
それはある。
緒方さんも高橋さんも逝ってしまった。
渥美俊一先生も上野光平先生も、
もういない。
しかし商業もチェーンストアも、
「なんとかなる」
それに対して「自分に期待する」
ちょっぴりだけど。
最後に糸井はコメント。
「まじないのようにでもいい、
『なんとかなる』と言うこと」
「なんとかなる」と口に出して、
言い続けること。
それが希望を生み出す。
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。
さて、昨日帰国したが、
その前の一昨日のこと。
最後の晩餐はフィッシャーマンズワーフ。
ピア39は大変な賑わい。
クリスマスツリーが立てられた。
いつものレストラン「ネプチューン」
ここで、ダンジネスクラブ。
イチョウガニ科イチョウガニ属、
アメリカイチョウガニ。
ネプチューンのダンジネスクラブ、
絶品です。
ぜひ、一度、召し上がってください。
食事が終わると、
まず、誕生祝い。
藤居智也さんに、木村武団長から記念品。
藤居さんは㈱丸善鮮魚課バイヤー、
木村さんは㈱平和堂SM事業部長。
そして奥川浩さんには、
藤田慎平副団長から。
奥川さんはフレンドマート八幡上田店店次長、
藤田さんはビバシティ平和堂支配人。
私からはメッセージカードのプレゼント。
藤居さんには、
「鳥の目・虫の目・魚の目・心の目」
奥川さんには、
「朝に希望・昼に努力・夕に感謝」
それから全6班代表による、
決意表明。
暗い上にスマホの写真。
ボケボケで使えるフォト、僅少。
とてもいい決意表明ばかり。
コメントのあとで、掛け声の班も。
最後に手拍子の班も。
そして締めは木村団長のスピーチ。
私からの贈る言葉。
「かならずやれる。
なんとかなる」
最後の最後は、林直行さん。
アルプラザ草津支配人。
その後、フィッシャーマンズワーフへ繰り出し、
ご覧の調子。
研修の成果に自信を持ち、
「自分に期待する」ことができた証拠だ。
この後、「貸し切り」状態で、
ケーブルカーを占拠し、
ユニオンスクェアまで。
そして、
長いながい最後の夜は、
更けていった。
明けて、現地時間11月22日、
早朝5時にホテルを出発、
バスの中で最後の講義。
「イノベーション」を促した。
サンフランシスコ国際空港から飛び立つと、
ベイエリアが美しい。
カリフォルニアの山々。
1時間あまりで、大ロサンゼルス。
ダウンタウンには高層ビル。
ラウンジでブログを書く。
出発ゲートにはクリスマスツリー。
ありがたいことに、
ファーストクラスにアップグレードされた。
トランク・トラブルの所為か、
プタチナカードホルダーだからか。
これで、ゆっくり休める。
そしてサンタモニカ湾。
北に上って、
サンフランシスコ・ベイエリアを過ぎ、
北アメリカ大陸に別れを告げる。
太平洋上は雲雲雲。
11時間半で、成田空港。
雨だった。
そして最後の檄。
「イノベーションを起こせ‼」
「自分に期待する」顔顔顔。
これで11月の23日間のアメリカ研修記。
全巻の終わり。
「2015怒涛のアメリカ研修記」全80話、
こちらも終了。
ご愛読、心から感謝。
緒方さんも高橋さんも逝ってしまった。
渥美俊一先生も上野光平先生も、
もういない。
しかし私は「自分に期待する」
決意、新たに。
〈結城義晴〉
4 件のコメント
11月22日、ゾロ目の日。55歳、ゾロ目に生りました。
「なんとかなる。」+「自分に期待する。」=「たのしみでしょうがない!」
そうなんです。
ここ最近、そうなんです。
生意気なようですが、自分に期待している自分がいるのです。
がんばっています
今までで一番がんばっています。
この歳になって、初めての気持ちです。
ワクワクしています。
マダマダこれからです。
楽しみます。
これからもよろしくお願いいたします。
結城先生との出会いに感謝!数えきれない感動をいただいたことを宝にします。
今、希望に満ち溢れています。頑張ります!ほんとうにありがとうございました。
ローカルスーパーの・・・さま。
その意気です。その調子です。
55歳は私が商人舎を設立した年。
頑張ってください。
西迫昭さま
充実した研修でした。
西迫さんの行動力と配慮。
私も感心しました。
イノベーションを起こしましょう。
みんなの力で。