流通科学大学・石井淳蔵学長対談と軽減税率導入折衷案
アメリカから帰国して、
時差ボケの時差ブログ。
お許しください。
さて商人舎magazineのDaily商人舎。
総合スーパー・食品スーパーの10月実績。
前者は日本チェーンストア協会発表、
後者は三協会合同調査。
日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
そしてオール日本スーパーマーケット協会。
いずれも7カ月連続既存店が伸びた。
まあまあ、か。
今日は、休む間もなく、朝から、
東海道新幹線で新神戸へ。
そして地下鉄に乗り換えて、
学園都市駅へ。
流通科学大学。
快適なキャンパス。
故中内功さんが私財を投じて創設した大学。
今日は石井淳蔵学長と対談。
2時間近くの熱談。
ありがとうございました。
詳細は月刊『商人舎』12月号。
廊下には中内さん直筆の額。
ネアカ のびのび へこたれず
晩年の心情がよく表れている。
おねがい ごめん ありがとう
私はこれも好きだ。
対談のあと、RYUKA DININGへ。
いわゆる学食。
キャッシュレジスター博物館。
有名な中内さんのコレクション。
歴史的なレジスターがずらりと並ぶ。
古い古い木製レジスター。
これも初期のレジ。
懐かしい人もいるでしょう。
これこそ初めのPOSレジ。
試し打ちコーナーがある。
いい音だった。
そして有名な言葉。
私にとって
キャッシュレジスターの響きは、
この世で最高の音楽である。
〈中内功〉
私は久しぶりに中内功に、
再会した気持ちになった。
流通科学大学から神戸三宮に。
ダイエー三宮店は、
中内さんがつくった2号店。
その伝統の店舗が改装した。
「イオン・フード・スタイル」
地下2階が生鮮食品とグロサリー。
地下1階が地下鉄とつながっていて、
惣菜や日配、冷凍食品。
地上1階がリカーで、
よくできた店舗だ。
イオンのコンセプトをダイエーがこなした。
いまのダイエーにこそ、
中内イズムが必須だ。
ネアカ のびのび へこたれず
ダイエー三宮店の隣には、
光洋三宮店がある。
ダイエー1兆円達成の1980年2月16日、
私は神戸三宮で、中内さんを取材していた。
そのダイエーのかつての本拠地は今や、
イオン村と化している。
さて、自民党が、
軽減税率を「段階的に拡大」
この方針が発表されている。
一応、2%の引き上げ増収分の約4000億円は、
すべて社会保障に使われるとされる。
生鮮食品までを対象とすると、
税収目減り分は約3400億円で済む。
一方、公明党は加工食品も、
軽減税率の対象にすべきだと主張。
自民党は、「刺身盛合せ」など、
「組合せ商品」を生鮮食品と見なすと、
工夫操作して公明党の理解を得ようとする。
これら「組合せ商品」は「食品表示法」では、
加工食品に分類されているからだ。
しかしこんな基準引きや基準変更をすると、
新しい商品のアイデアの方向性は、
軽減税率基準や行政を向いてしまう。
顧客を向きはしない。
つまり、マーケティングに反する。
私の反対根拠は、あくまでもここにある。
軽減税率導入時に、
一定期間、簡易インボイス方式を採用したり、
低所得者への給付措置をとる案も浮上。
これらはすべて、
政党や行政、業界を向いた折衷案。
顧客や市場を向いてはいない。
「For the Customer」ではない。
中内さんが現役バリバリで生きていたら、
いま、どんなことを主張し、
どんな行動をとってくれるだろう。
そう考えて私たちは、
中内さんの遺志を継がねばならない。
〈結城義晴〉