イオン/セブン/ユニー第3四半期と関西スーパー/コノミヤ/イズミヤ
イトーヨーカ堂社長の電撃交代劇――、
その衝撃も冷めやらぬまま、
チェーンストア大手3社の、
2016年2月期第3四半期決算が出そろった。
まずイオンは売上高6兆360億4900万円で、
これは前年同期比18.9%増で、過去最高。
営業利益は808億5100万円の63.8%増、
経常利益は819億8800万円の43.9%増、
ただし当期損失174億7400万円。
前期は293億6400万円の当期利益だった。
問題の総合スーパー事業は、
営業収益2兆592億4100万円で4.4%増、
営業損失は258億3900万円。
新店2店出店と既存店活性化投資が損失の理由。
SM・DS事業は、
営業収益2兆2916億7900万円で26.9%増、
営業利益74 億9900万円で、
前期が損失だったから218億5100万円の増益。
ドラッグ・ファーマシー事業は絶好調。
営業収益4406億7400万円で、272.7%増、
営業利益123億5400万円で、501.1%増。
相変わらず総合スーパーは利益面で浮上しないが、
新店開発や改装投資を怠らず、
まあ、前向きな損失。
セブン&アイ・ホールディングスは、
微増収増益。
営業収益は4兆5138億9300万円で、前年同期比0.3%増、
営業利益は2610億3700万円で、4.6%増。
経常利益は2594億800万円、4.1%増。
当期利益1254億3900万円、1.5%減。
牽引するセブン-イレブン・ジャパンは絶好調。
営業収益6001億8800万円、7.7%増、
営業利益1800億4100万円、5.9%増。
こちらは着実に出店すれば、
売上げも利益も安定的に増えていく。
ちなみに加盟店売上げを加えたチェーン全店は、
売上高3兆2453億3800万円の7.1%増。
問題のイトーヨーカ堂は、
売上高9530億9300万円で前年同期比0.3%増、
営業損失144億1900万円。
前期も25億6300万円の営業損失だったし、
イオンの総合ス―パーは営業損失258億だから、
社長辞任にまで追い込まれるほどではない。
さらにユニーグループ・ホールディングは健闘。
営業収益7609億6900万円、前年同期比2.0%増、
営業利益147億9700万円、4.8%増、
経常利益141億5800万円、1.9%増。
ただし当期利益10億6700万円で75.5%減。
このうち、総合スーパーは、
売上高5815億5700万円、3.3%増、
営業利益40億6100万円、11.6%減。
三社とも増収増益。
セブンだけ0.3%の微増収だが。
12月を含めた1・2月の追い込みが、
どこまで効くのか。
アメリカでも日本でも、
業績のいい企業は、
第3コーナーを回ったあとの、
「マクリ」が強い。
それが見ものではある。
さて今日は、朝から、
東海道新幹線。
幸いにも富士の姿が美しい。
しかし、大異変。
1月も半ばに入ろうかというのに、
頂には、ひどく雪が少ない。
暖冬の影響が富士の姿に現れた。
富士川を渡って、まっしぐらに大阪へ。
大阪ではまず、
関西スーパー京阪大和田店を訪問。
2014年3月オープンの580坪型標準タイプ。
店に行ったら、
福谷耕治社長をはじめ、
皆さんが出迎えてくれた。
左から壇野隆さん、
第2店舗運営グループマネジャー。
隣は斉藤貴宏店長、
真ん中は福谷社長、
そして岡秀夫さん。
取締役商品本部長兼第1商品グループマネジャー。
最後に、案内してくれた前田伸司さん、
オール日本スーパーマーケット協会。
福谷さんも岡さんも、
コーネル・ジャパンの私の弟子だ。
福谷さんは伝説の第1期生、
岡さんは実行の第3期生。
川を遡上する直前の脂の乗ったサーモンを、
急速冷凍して鮮度を保持。
生切り身、スモークサーモン、
さらに店内で焼き魚にして、
多用途展開する。
身質が柔らかくふわっとした触感の「鰻師の極」。
これも独自の開発商品。
「当社自慢の品」は19品目ある。
さらに季節限定の商品も随時、展開する。
こちらは惣菜売場で赤飯の試食。
これは、美味。
京阪大和田店では毎月1日、
「ご試食会」が開かれる。
売場の30カ所ほどで、
一斉に展開する試食会。
今月は明日10日に実施。
バックヤードもゆっくり案内してもらい、
関西スーパーの現時点の取り組みを、
詳しく報告してもらった。
そのうえで、私からいくつかの提案。
関西スーパーの現在を支え、
将来を担う福谷さんと岡さん。
ぜひとも、思い切った改革をしてもらいたい。
精肉売場でタイムセール。
豚肉3割引きにお客が集まってくる。
さらにパンの2割引きセール。
売りたい商品が明確で、
現場の人々の元気がいい。
来訪記念の写真。
私の隣から副店長の松田裕さん、
同じく副店長の川村卓史さん、
精肉チーフの小澤幸士さん。
元気のいい3人だった。
その後、今大阪で話題のスポットへ。
三井ショッピングパーク
ららぽーとEXPOCITY。
昨日は東京のららぽーと立川立飛、
今日は大阪のEXPOCITY。
東西の最新ららぽーとはともに、
驚くほどの集客ぶりだった。
日本万国博覧会「EXPO’70」の跡地に、
大型商業施設「EXPOCITY」が登場。
敷地面積約17万2000㎡、
延床面積約22万3000㎡。
ららぽーとは、その核施設。
店舗面積約7万1000㎡。
3層のスーパーリージョナルショッピングセンター。
1フロアは食品が中心。
2フロアはファッション。
来館者数目標は、
オープン景気が去ったあとの段階で、
約1700万人。
昨年11月19日にオープンしたばかりで、
3連休初日の今日はすごい混雑。
テナントは305店。
ファッション、フード、ハードラインから、
文化施設や水族館まで併設。
いかりスーパーも出店。
ikari Homemade。
いかりの新境地を開くかもしれない、
新フォーマット。
そして1階の核店舗として、
イズミヤが出店。
売場面積2040㎡ (617坪)の、
食品スーパーマーケット。
ご覧のように大盛況。
H2Oリテイリング傘下に入ったイズミヤは、
阪食のいいところをどんどん取り入れて、
この大集客装置のららぽーとで、
息を吹き返すかのような集客。
最後に、
1日、案内してくれた前田さんと、
固い握手。
来週は、頑張ります。
しかし、ららぽーとの大盛況ぶりを、
連日のように目の当たりにすると、
百貨店や総合スーパーの相対的不調も理解できる。
かつては大型小売業が品揃えを争った。
しかし今、ショッピングセンターは店揃えを競う。
そして……。
ハレとケ、
非日常と日常、
特別な日と普段の日。
だんだん、非日常の刺激が増えてきて、
特別な日と、何もない日とに分かれて、
普段の日がなくなってしまうのか。
そんな錯覚めいた気分になる。
それが土日祭日のららぽーとだし、
スーパーリージョナルSCではある。
〈結城義晴〉