本庶佑のPD-1発見による「がんは治せる」と「3C+3Con」
Everybody! Good Monday!
[2016vol2]
2016年の2回目の月曜日は、
成人の日。
新成人の数が毎年、
発表されるが、
今年は121万人。
昨年は126万人。
5万人減った。
テレビではこれも毎年、
荒れた成人式の模様などが、
これでもかと放映される。
「今どきの若いもんは」
などと言いたくもなるが、
逆に、とても素晴らしい新成人こそ、
その大多数に違いない。
期待したい。
そういった成人たちと、
18歳以上になる若者たちに、
今年から選挙権が与えられる。
少なくとも、
意識の高い18歳以上の人々は、
自分で投票することで、
政治への関心を深める。
政治的に大人になる。
実にいいことだ。
私はポリティカル・マーチャントたれと、
主張している。
それにも、18歳以上選挙権付与は、
大いに貢献してくれる。
7月になったら、
選挙に行こう!
投票しよう!!
さて昨日、
我が愛猫ジジの訃報をお知らせした。
多くの方々から、
様々な哀悼や激励の言葉をいただいた。
すぐに、お花も届けられた。
心から感謝したい。
ブログ『ジジの気分』は第428回をもって、
最終回とした。
しかし、日曜日には、
もう少し、ジジを回想してみたい。
悲しさの極みに誰か枯木折る
〈山口誓子『青女』より〉
一昨年の11月に父が逝った。
私はアメリカに滞在していて、
その死に目に会えなかった。
しかし、猫とはいえ、
ジジの臨終に立ち会った。
死に尊厳なぞというものなし残暑
〈江國滋酔郎『癌め』より〉
江國さんご逝去前の句。
私もジジの死に、
考えるところがあった。
それを書いておこうと思う。
正月三が日が終わり、
成人の日の三連休が過ぎ、
商売は節分の恵方巻に向かう。
そのあたり、
Weekly商人舎日替り連載、
月曜朝一・2週間販促企画が整理する。
そして明日は、
月刊『商人舎』1月号発刊。
商人舎magazine1月号も公開。
楽しみにしていただきたい。
日経電子版に素晴らしい報告。
「がんは治せる」の連載第1回に、
本庶佑(ほんじょ・たすく)さんが登場。
先端医療振興財団理事長。
がんは、日本人の死因1位。
毎年100万人ががんの宣告を受け、
35万人が死亡する。
そのがんが「治せる病」になりつつある。
本庶さんは、1942年京都市生まれ。
京都大学医学部系の研究者で、
84年京大教授、96年京大医学部長。
免疫分野でベルツ賞、ロベルト・コッホ賞、
13年に文化勲章受章。
その本庶さんが予言する。
「がんが不治の病でなくなるのは数年後。
遅くても10年以内にはそうなる」
本庶さんは、一昨年の2014年に、
PD-1分子のメカニズムを解明した。
それが実用化され、
「オプジーボ」が開発された。
これは新世代のがん治療薬で、
一般名は「ニボルマブ」
オプジーボは、
これまでの治療薬と全く異なる。
抗がん剤は直接、がん細胞に作用する。
しかしオプジーボは、
がん細胞を攻撃するのではなく、
免疫細胞を活性化させ、
結果として、がん細胞を撃退する。
がん細胞は、
外敵を撃退する役割を持つ免疫細胞の、
その監視の網をくぐり抜けるために、
免疫細胞をだまして、
敵として認識されないようにする。
そして増殖する。
本庶さんは、この、
「がん細胞が免疫細胞をだますからくり」を、
解明した。
免疫細胞の表面には、
PD-1という分子がある。
がん細胞はそのPD-1分子と手を結んで、
結合してしまう。
その結果、免疫細胞は、
がん細胞を敵として認識できなくなる。
がん細胞はその隙を突いて、
体内で増殖、転移していく。
そこで、オプジーボを使って、
がん細胞とPD-1 の結合を「妨害」する。
そうすれば、免疫細胞は本来の仕事をする。
つまり外敵であるがん細胞を見つけて、
撃退してくれる。
このPD-1の発見は、
偶然に近い出来事だった。
私がよく使うセレンディピティ。
私の父も大腸がんだった。
10年もすれば、
それが治せる病気になる。
おい癌め酌みかはそうぜ秋の酒
〈同、滋酔郎〉
そうは問屋が卸さないぞ、癌よ。
実にうれしいニュースだ。
この本庶が提唱するのが、「3C」
Curiosity(好奇心)
Challenge(挑戦)
Courage(勇気)
本庶さんは3Cを、
若い研究者に向けて提唱する。
しかしこれは知識商人にも同じく大切だ。
本庶さんは、しかし、
「これでは足りない」と、
もう一つの3Cを提案する。
Concentration(集中)
Continue(継続する)
Confidence(自信)
こちらは「3Con」だけれど、
これも知識商人に必須だ。
新成人の中からも、きっと将来、
本庶さんのような研究者が、
登場するに違いない。
好奇心をもち続け、
勇気ある挑戦をする。
さらに自信を秘めつつ、
集中し、それを継続する。
新成人だけでなく、
すべての人々が、
この心意気で生きていきたいものだ。
では、みなさん、
Good Monday!
〈結城義晴〉