糸井重里の「夢に手足を。」と甘利明辞任の「質のよくない金」
甘利明経済財政・再生大臣、
閣僚を辞任。
やはり。
どの情報が事実なのか。
私にはわからないが、
二度の現金授受を認めて辞任するのならば、
『週刊文春』の記事が出た段階で、
すぐに事実関係を調べて、
即座に決断すべきだった。
安倍晋三首相が慰留に努めたらしいが、
それも事実とすれば、
筋が通らない、おかしな話だ。
押し切ることができる、
という甘い判断だったのだろうか。
経済界からは、もったいないの声。
それも理解できなくはないが、
こんな前時代的な金銭授受行為が、
本当に行われたのだとしたら、
開いた口が塞がらない。
いい政治家の一人だと感じてはいたが、
残念ながら我が国の政党政治は、
いまだ、低次元だ。
何とも言えない気分にさせられる。
『ほぼ日刊イトイ新聞』
巻頭言「今日のダーリン」で、
糸井重里さんが書く。
「株式会社東京糸井重里事務所が
どういうことを考えて、
どういうことをしていく会社なのか、
やっとことばになった」
夢に手足を。
夢には翼しかついていない。
足をつけて、
歩き出させよう。
手をつけて、
なにかをこしらえたり、
つなぎあったりさせよう。
やがて、目が見開き、
耳が音を聞きはじめ、
口は話したり歌ったりしはじめる。
夢においしいものを食べさせよう。
いろんなものを見せたり、
たくさんのことばや歌を聞かせよう。
そして、森を駆けたり、
海を泳いだりもさせてやろう。
夢は、ぼくたちの姿に似てくるだろう。
そして、ぼくらは、夢に似ていく。
夢に手足を。
そして、手足には夢を。
まったく、素晴らしい。
日本の小売業も、
「夢に手足を。」であるべきだ。
日本の消費産業も、
もちろん「夢に手足を。」でありたい。
そして日本の政治も、
「夢に手足を。」でなければならない。
わが商人舎も、
「夢に手足を。
手足には夢を。」だ。
今日は、朝から、
東京の御成門。
東京タワーが美しい。
やはりこのタワーの下に、
30年暮らした私は、
東京スカイツリーよりも、
こちらに愛着がある。
そして今朝は、恒例の取締役会。
カスタマーコミュニケーションズ㈱。
愛称・略称はTrue DataのCCL。
順調に報告と議論と決議とが終わって、
浜松町駅前の㈱プラネットへ。
CCLのオフィスもいいが、
こちらも実に快適な空間。
代表取締役会長の玉生弘昌さん(前列右)と、
CCL常勤監査役の中川浩之さん。
後ろはCCL社外取締役の田窪伸郎さんと私。
中川さんは元㈱宇徳代表取締役社長。
田窪さんは優秀な経営コンサルタントで、
㈱コーポレイトディレクションのパートナー。
玉生さんを囲んで、
その論文集や書評冊子を見ながら、
楽しい懇談。
考えてみれば、
プラネットこそ「夢に手足を。」で、
日本の卸売業と製造業に、
EDIの架け橋を作ってきた会社だ。
True Data CCLも、
日本の消費者と小売業との間に、
「夢に手足を。」で橋を架け、
製造業や卸売業に役立つ会社へと、
成長発展しなければいけない。
それにしても日本の政党政治。
「夢の懸け橋」を壊してはいけない。
「夢に手足を。」と言いつつ、
菓子折りと50万入りの封筒を、
懐に入れてはいけない。
夢は金では賄えないものだ。
もちろん質(たち)のいい金は、
政治にも事業にも必須だが。
ピーター・ドラッカーが8番目に掲げたのが、
「必要条件としての利益の目標」
これを「質のいい金」という。
質の悪い金の、
質の悪い入手の仕方は、
よろしくない。
それを「甘い利益」と名づけておこう。
それが正義によって、
明らかにされてしまったのだ。
私たちは絶対に、
「夢に手足を。
手足に夢を。」である。
糸井さんに感謝しておきたい。
〈結城義晴〉