結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年02月05日(金曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査会と非正規雇用の「パートナー」

「ふと気がつくと
『早春賦』を口ずさんでいる」

わかる!!

今朝の朝日新聞『天声人語』の冒頭。
本当にそんな季節です。

春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 (うぐいす)歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず♬

歌詞とメロディはよく浮かんでくるが、
タイトルはなかなか思い出せない。
小学校の音楽の教科書に載っていた『早春賦』
1913年(大正2年)発表の唱歌、
吉丸一昌作詞、中田章作曲。

うろ覚えのまま口ずさむ。
三番がまた、実感させられて、いい。

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か♬

文語調の歌詞で、
小学生のころは意味もわからず、
ただ覚えて歌っていた。

「聞かなければ知らないままだったのに、
聞いてしまったら急かれる胸の思い」

いいなあ。

この思いは、小学生には、
わからないかもしれないけれど。

今日は朝、関東南部で地震。
神奈川東部は震度4。

すると鹿児島の桜島は、
午後6時56分ごろ、噴火を始めた。
警戒レベルは3。

お見舞い申し上げるとともに、
できる限りでいいから、
商業の役割を果たしてほしいと願う。

私は朝から、東京・清水橋へ。
㈱伊藤園本社の地階・会議室。DSCN1291-6
伊藤園大陳コンテスト最終審査会。

初めに事務局から説明。
DSCN1310-6
マーケティング本部地域販売促進部の皆良田将さん。

そのあと、最終審査が始まる。

5つのコースごとに、
予備審査が終わった優秀作品ばかり残っているが、
審査員は自分の推薦する作品に、
それぞれに付箋を張っていく。

そして付箋の多い作品から、
優秀賞、最優秀賞を決定する。DSCN1299-6

それは合議制。
DSCN1307-6

5つのコースの店舗賞、
決まりました。DSCN1301-6

次に企業賞。
小林哲也さんが概要を説明。
小林さんは地域販売促進部部長。
DSCN1316-6
これも順当に決定。

最後に、審査委員が一人ずつ、
今回の総評。

まず委員長の私から総括コメント。DSCN1329-6
全員が発言するが、
実に中身の濃い内容ばかりだった。

そして雑誌用の記念撮影。DSCN1337-6

それが終わると、
この毎日更新宣言ブログ用の、
全員写真。
DSCN1341-6
ご苦労様でした。

審査会が終了すると、
恒例の審査員懇親会。

江島祥仁副会長の部屋で、
1時間以上も最新情報の交換。

今回は結城義晴独演会のようになってしまった。
お許しください。

そして、ちょっと古いけれど、
グー!!
DSCN1343-6
私の左が本庄大介さん、伊藤園社長。
右が江島さん、副会長。
後列右が小林義雄専務と、
松井康彦商人舎エグゼクティブプロデューサー。

さて日経新聞『大機小機』
私の好きなコラムニスト追分さんが提案。
「非正規」という言葉を変えよう

安倍晋三政権の「新3本の矢」
その推進のための環境整備の一環が、
「働き方改革」

そしてその柱は三つ。
非正規雇用の正規化、
長時間労働の抑制、
高齢者の就労促進。

これは広い意味での「労働市場改革」だ。

今年の商人舎標語は、
「人をつくる。人を残す」だが、
それにも大いに関係する。

構造的な人手不足が進行する日本。
小売サービス業界はその最たるものだ。

だから労働力の量的確保のためには、
女性や高齢者の労働参加率が、
引き上げられねばならぬ。

ただし、増加する雇用のほとんどは、
非正規雇用である。

パートタイマー、アルバイト。

ここで国会でも議論されているが、
「同一労働同一賃金」の考え方が、
クローズアプされる。

つまり、非正規を正規化し、
正社員と同等の待遇を実現する。

そして、同時に、
正社員の長時間労働の是正や、
勤務地や労働時間、職務権限などの多様化
多様な働き方を選択できる正社員を増やすべきだ。

コラムニストは提言する。
オランダに学べ、と。

オランダには、
正規、非正規という雇用区分はない。
フルタイムかパートタイムの区分はある。

そして「両者ともに正社員であり、
均衡待遇が実現している」

このブログではよく紹介するが、
アメリカの雇用形態は三つ。
時給フルタイマーと時給パートタイマー。
そして月給のマネジャー。

日本でこうした改革を進めるには
多様な正社員の形態を普及させる必要がある。

コラムニストは最後に提言。
「『非正規」という言葉には単なる区分でなく
『補助的で正規に劣後する』という響きがある」

「均衡待遇を目指すのなら、
まず言葉から変えるべきではないか」

その通り。

かつて、日本の労働界にも、
「本工と臨時工」なる言葉があって、
その言葉の差別からの解放が、
スタートだった。

日本の小売業界ではパートタイマーを、
「パートナー」と読んだりする。

それではなんだか違和感があるのか、
「さん」をつけて「パートナーさん」

パートナーとは、
「共同で仕事をする相手。相棒」
あるいは「つれあい。配偶者」

しかしこれにも、私自身、
異論がないわけではない。

例えば部門責任者の仕事をしているのが、
実質的には「パートナーさん」であって、
大卒の新入社員などの方が、
パートナーのような存在であることは、
現実的には多いからだ。

アメリカにはこの呼称はない。
全員が「アソシエーツ」
イギリスでは「コリーグ」

ウェグマンズでは、
全員が「ピープル」と位置付けられる。

トレーダー・ジョーでは、
「クルー」と呼ばれる。

ホールフーズは、
「チームメンバー」

そして、正規雇用、非正規雇用の別はない。
それぞれに労働時間の違いがあるだけだ。

フルタイマーは週40時間以上。
パートタイマーはそれ未満。

そして肝心なのは、
言葉とともに、全員の意識。

区別や差別がないこと。

人をつくり、人を残すには、
まず、差別、区別がない組織から、
始めねばならない。

昨日のブログで書いたが、
スリーハンドレッドクラブの門柱にある言葉。
「不許冠職入山門」
冠職山門に入るを許さず。

これに倣えば、
地位や肩書を付けたまま、
店に入ってはならない。

店ではそれぞれに、
「役目と役割」があるだけだ。

〈結城義晴〉


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