「1%の生き方を変える」と「零戦化現象に陥るな!」
Super Tuesday。
大勢は決まったようだ。
民主党はヒラリー・クリントン女史。
共和党はドナルド・トランプ氏。
大変なことになってきた。
最近、どこかのネット記事で読んだのだが、
英語の「president」と「precedent」。
前者が大統領で、後者が先例・前例。
ヒラリーは先例のなかった女性大統領。
トランプも先例のないほどの不動産王大統領。
バラク・オバマも先例のない大統領だった。
それが続くことになる。
アメリカはどちらに転んでも、
Unprecedented presidentを、
誕生させそうだ。
これは彼の国の活力だろう。
日本では二世・三世首相が多い。
これは北朝鮮と同じだ。
もちろん、それが必ずしも、
悪いわけではないが。
さて、月の初めには、
様々なメディアが届く。
いつもの『AJSネットワーク』
デルタコーヒーのエスプレッソを片手に、
満足。
私の連載「応援団長の辛口時評」は、
毎月書き続けて第99回。
今回もご愛読をお願いしたい。
それから松﨑靖さんの『虹の架け橋』
こちらも毎月毎月発行して第247号。
群馬県大間々の足利洋品店社長。
チラシは撒かないが、
地域新聞を事務所の輪転機で、
1万1000部印刷して、発行する。
それが素晴らしい。
この新聞の表面には、
「小耳にはさんだいい話」の連載がある。
松﨑さん書下ろしのエッセイ。
今号は「1%の生き方」
松﨑さんの文章を引用させてもらう。
諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生。
健康づくり運動を40年間続けてきて、
住民の人たちによくいった言葉。
「1%だけ生活を変えてみませんか」
「身につけた生き方を変えるのは大変です。
でも1%なら変われると思えたのでしょう。
1%で生き方が大きく変わり、
長野県が長寿日本一になったのです」
「同じように、人生も1%で
変わり始めることに気づきました。
みんなが1%生き方を変えれば、
僕たちの社会も変わっていく。
世界だって変えられるはずです」
スペインのメルカドーナ。
全従業員を正社員にする会社。
そのうえ全員で、
「1セントの改善」をする。
1セントは1ユーロの1%。
アメリカのスーパーマーケットは、
平均営業利益1セントといわれる。
これも1%。
「1%の生き方」を変える。
Unprecedented presidentにも、
噛み締めてもらいたい言葉だ。
さて、今日の最後は、
3月の商人舎標語。
これは月刊商人舎3月号の、
[Message of March]でもある。
零戦化現象に陥るな!
零戦化現象。
堺屋太一が『凄い時代』で指摘した。
戦前の日本技術の粋を集めた零式艦上戦闘機。
それがもたらした現象と概念。
速度は速い。
運動性能は高い。
航続距離は長い。
だから空中戦で抜群の能力を発揮した。
ただし、零戦を乗りこなすには、
1000時間以上の修練が必須だった。
10時間飛行に耐える体力・気力も求められた。
つまりパイロットにとって難しい飛行機だった。
戦局が逼迫してきて、
多くの零戦パイロットが戦死すると、
大日本帝国海軍航空隊は、
制空権を奪われていった。
対してドイツのメッサーシュミットは、
300時間で空中戦技術をマスターできた。
アメリカのダグラスグラマンは、
100時間でマニュアルを憶えれば十分だった。
製造業の技術も、
小売流通業のテクノロジーも、
零戦化現象を起こしやすい。
技術の隘路に陥りやすい。
商品知識や商品構成でも、
零戦化現象は頻繁に起こる。
顧客の立場に立ってと唱えつつ、
零戦化していく。
もちろんマニュアル化のグラマン現象も、
もろ手を挙げて受け入れるものではない。
現代物量主義の限界は、
コモディティ化現象が証明した。
ワインの戦略的マーチャンダイジング。
生鮮食品や惣菜の商品化戦略。
衣食住薬のマーケティング戦略。
そのマス・カスタマイゼーション。
零戦化現象とグラマン現象のはざまに、
独自のストラテジーを組み上げる。
それは単なるトレンド追随作戦ではなし得ない。
自分の顧客とともに歩み続けるしかない。
〈結城義晴〉
顧客とともに、1%ずつ、
変わり続けたい。
〈結城義晴〉