サミット社長交代と平和堂USA研修の事前講義と報告会
サミット㈱社長交代のニュース。
少なからず、驚いた。
わかってはいたことだが、
発表されると、あらためて驚く。
現社長の田尻一さんは、
6月27日の株主総会後、
特別顧問に就く。
田尻さんは現在59歳で、
在任9年。
今年還暦だが、まだまだ若いし、
トップマネジメントとしては、
これからだ。
私も60歳になったころ、
あの廣田正さんから言われた。
「結城さん、60代が一番働ける年代です」
2001年から高田浩さん、
2007年から田尻一さん。
同社はプロパーが代表取締役を務めてきた。
もちろん高田さんの前の社長は、
荒井伸也さん。
今回は、再び、
親会社からの出向者が社長に就任する。
新社長は竹野浩樹さん。
現取締役常務執行役員、現在50歳で、
就任時には51歳になっている。
1989年に住友商事入社、
93年、ドラッグストアのトモズ設立に参加。
このトモズのスタートの際、
私は当時の荒井伸也副社長から頼まれて、
一肌脱いだことがある。
なつかしい。
竹野さんはその後、ニューヨークに赴任し、
ブランド事業に関係し、2年半で帰国してから、
埼玉県のマミーマートに出向。
住友商事は99年に、
マミーマートに資本参加している。
その後、竹野さんは2010年、
住友商事ブランド事業部長、
2015年からサミット取締役常務執行役員。
ドラッグストアとスーパーマーケット、
小売業を経験した商社マン。
「お手並み拝見」が内外の見方だろうが、
サミットは現在、
オール日本スーパーマーケット協会の、
会長企業でもある。
頑張ってもらわねば困る。
しかし田尻一さん、
もったいない。
さて夕べ、ホテルから見えたのは、
ライトアップされた彦根城。
どちらもいい。
今朝は、平和堂のビバシティ彦根。
その2階にあるビバシティホール。
ここで今日は一日、
平和堂のアメリカ視察報告会と事前勉強会。
ホールの壁面に、
「戦後70年『未来』プロジェクト」の展示。
10時から事前勉強会がスタート。
4月にアメリカ視察をする40名が参集し、
私の講義がスタート。
2011年初夏に始まり、
年2回ずつ実施しているから、
今回で11回目となる。
毎回40名ほどが参加し、
すでに400名を超えた。
その間、平和堂はイノベーションが進み、
店頭は改革・改善され、
業績は絶好調。
しかし、私は強調する。
まだまだです。
なぜ、アメリカで研修するのか。
なぜ、11回も連鎖のように続けているのか。
そして小売業の経営理念とイノベーション、
その歴史と世界チェーンストアの趨勢。
2時間の事前講義。
あっという間に終わる。
昼は夏原行平さん、陽平さんと、
ランチミーティング。
行平さんは専務取締役で、
経営企画本部長兼社長室長。
陽平さんは取締役で、
営業統括副本部長。
そして二人は、
コーネル・ジャパンの一期生と二期生。
午後は、第10回目の派遣団からの報告会。
第10研修団は昨年11月に渡米した。
報告会は、アメリカで学んだことを、
その後、帰国してから、
現場でどのように具体的に展開したか、
その取り組みを発表する。
始めに、第10回副団長をつとめた、
藤田慎平さんのあいさつ。
ビバシティ平和堂支配人。
それを4月に派遣される、
第11回メンバーが聞いている。
彼らは、さらにそれ以上の成果を目指す。
2つの班の発表が終わると、
会場から質問が飛ぶ。
質問したのは福嶋繁さん。
取締役店舗営業本部長。
総括の講評は私。
今回は「システム」の話を、まとめに使った。
「システム」は、
広辞苑では「組織・制度、系統・体系」の意。
しかし情報分野では、
「個々の要素が相互に影響しあいながら、
全体として機能するまとまりや仕組みのこと」
個々の要素が影響し合う。
そして全体として機能する。
平和堂の小さな、数多くのイノベーションは、
いま、システムとなりつつある。
そのあとは、団長の木村武さんの総括。
SM事業部長。
木村さんは、イノベーションの継続を誓った。
報告者たちの成果を評価しつつ、
アメリカ小売業の全体を見ることの大事さを
改めて強調した。
夏原社長と専務の平松正嗣さんと立ち話。
現場が変わってきていることを、
実感しあう。
報告会を終えた第10回メンバーたちは、
場所を変えて懇親会。
団長の乾杯のあいさつの後は、
報告会を終えたメンバーたちが、
ホッとしつつ懇親。
最後の最後は夏原平和社長と固い握手。
夏原さんは、
1944年9月15日生まれの71歳。
1989年に45歳で、
平和堂の代表取締役社長に就任。
それから27年。
まだまだ現役バリバリで絶好調。
私自身は2003年8月に、
㈱商業界の代表取締役に就任した。
田尻さんと同じ、50歳だった。
そして2007年8月に退任した。
その後、2008年2月に㈱商人舎を設立し、
55歳で、再び自分で社長になった。
社長の年齢。
社長のキャリア。
そんなことを考えながら、
平和堂研修の一日を過ごした。
会社の決まりや制度によって、
実力ある人が退任するなんてことになったら、
それは会社にとって不幸だし、
株主に対しても不誠実である。
システムも制度も、
組織のためにあるし、
組織構成員のためにある。
〈結城義晴〉