「日本一働きたい会社」を目指して万代知識商人大学開校
万代知識商人大学が開校。
英語で表現すれば、
Mandai Knowledge-Merchant College。
教室は東大阪市の万代研修棟にある。
第一期生は30人。
㈱万代は2016年2月期に、
過去最高の売上げと利益を計上した。
同時に5月の株主総会で、
加藤徹社長が会長に就任し、
阿部秀行常務が社長に昇格する。
関西圏でシェア第一のスーパーマーケットで、
その勢いは留まるところを知らないかのようだ。
その万代が企業内大学を開校した。
日本のスーパーマーケットでは初めてのことだ。
企業内大学はアメリカで、
ゼネラルエレクトリック(GE)によって、
始められた。
中興の祖ジャック・ウェルチも、
この中から登場した。
GEに続いて、ほとんどの大企業が、
企業内大学を開校して、
独自の人財開発を行っている。
ゼネラルモーターズ、モトローラ、
コカ・コーラ、インテル、
ディズニー、マクドナルドetc。
日本でもアメリカの影響を受けて、
NECが先鞭をつけた。
その後、トヨタ、ソニーなどなど、
日本を代表する製造業に、
企業内大学構想は広まった。
小売業ではイオンが、
まずジャスコ大学を開設し、
現在はそれが、
イオンビジネススクールへと発展している。
ファーストリテイリングも、
FR大学を展開している。
万代社長の加藤徹さんの開校のスピーチ。
「食は人間の活力の源です。
それを担当して、社会に貢献するのがわが社だ。
そしてそのためには人材が必須。
この知識商人大学の第一期生として、
しっかりと学んでほしい」
続いて、次期社長の阿部常務のスピーチ。
「2016年の経営方針」を30分にわたって披露し、
第一期生に向けて、
「日本一働きたい会社」を目指すビジョンを訴えた。
講師は結城義晴。
4月開講し、8月と12月を除く毎月、
1年にわたって、
経営体系全体からの講座が展開される。
第1回目の講義は、
ミッション・マネジメント。
万代が掲げるビジョンは二つ。
「日本一買い物に行きたい店舗。
日本一働きたい会社」
これがミッション経営の根幹をなす。
ミッション・マネジメントを説きつつ、
万代の二つのビジョンの意義を強く訴えた。
毎月、レポートが課されるが、
今日の最後の講義は、
「結城義晴の文章法」とレポートの書き方。
書くことは、すなわち考えることだ。
考える商人、脱グライダー商人、
それが知識商人の姿だ。
だから知識商人は、
「書く、話す」のスキルも、
身に着けねばならない。
最後に再び加藤社長の講話。
加藤さん、阿部さんと三人で写真。
金を残すは下なり、
仕事を残すは中なり、
人を残すは上なり。
〈後藤新平〉
私は2008年に、
コーネル大学RMPジャパンをつくった。
アメリカのコーネル大学と協力して、
企業内大学を開設できない企業に対して、
産業内大学を提供しようと考えた。
しかし産業内大学はやはり、
一般論を教授する教育機関でしかなかった。
それに対して企業内大学では、
一から十までその企業にふさわしい、
ユニークな人財を養成することができる。
ユニークな人財こそ、
企業の競争力の源泉となる。
つまり企業内大学は、
産業内大学より格段に、
実践的である。
学習することが実践することと、
直結していなければ、
意味は薄い。
マーケティングを学ぶにしても産業内大学は、
一般理論とケーススタディとなる。
そのうえ理論だけの場合が多い。
企業内大学は理論を学んだうえで、
その企業の現場で、
独自の研修を実践することができる。
つまりGEの企業内大学発想は、
一企業内でこそ生かされるものだ。
私はそれを、
ユニークな企業体「万代」で、
やってみようと考えた。
日本初のスーパーマーケットの企業内大学。
万代知識商人大学。
ドキドキワクワクの展開となる。
〈結城義晴〉