平和堂研修ダラス2日目のとんがりフォーマット視察学習
日曜日です。
つらい。
ジジは先週火曜日の4月12日。
百箇日をもって、
真っ白になって、
消えていきました。
さようなら。
ありがとう。
しかし平成28年熊本地震。
余震は続き、
範囲は阿蘇から大分にまで広がる。
地球の反対側のエクアドルでも、
震度7.8の大地震。
天は、何を怒っているのか。
こんな時には、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
これしかない。
私はテキサス州ダラスの2日目。
平和堂第11回アメリカ研修。
朝から、セミナー。
まず団長の冨岡勇夫さん。
東海営業部部長。
成果を上げるための確認事項。
団長が燃えている。
そして結城義晴の2時間講義。
アメリカのチェーンストアの競争の変化、
そしてフォーマット化現象と、
ポジショニング戦略。
平和堂にとっても、
今、一番重要な戦略を語る。
あっという間に2時間が過ぎ、
ハイアット・ハウス・ダラス。
リムジンで向かったのが、
クローガー・フレッシュ・フェア。
すぐにインタビュー。
シニア・コ・マネジャーのアランさん。
グッド・クェッションの連発で、
1時間以上も立ち講義。
心から感謝。
そして全員写真。
生鮮とデリを強化した都市型店舗。
ナチュラルフーズのゴンドラアイルは、
驚くほど充実。
満足。
続いて、クローガー、
マーケット・プレイス。
全米ナンバー1スーパーマーケットにして、
ウォルマートに次ぐアメリカ第2位の小売業。
現在、48四半期既存店増収記録更新中。
入口の花売場が、
いつも、どの店も、
例外なく素晴らしい。
そしてクローガーの独特の青果売場。
ミート&シーフードも、
鮮度感にあふれている。
この店もナチュラル&オーガニックコーナーは、
ホールフーズに迫る。
そして非食品のキッチンプレース。
さらに昨年からアパレルを強化。
ファッション・エッセンシャル。
かつて米国ラッキーが、
ファッションセンターを有する店だった。
ヨークベニマルもアペレルとフードの、
コンビネーションストアだった。
クローガーは食と衣の親和性を鑑み、
再びみたび実験に入った。
その結果、
ファーマシーとヘルス&ビューティが、
店舗右翼にでんと座って、
スーパーマーケットとして、
使い勝手のいい店になった。
まだまだ実験段階だが、
このウォルマート対策の大型店は、
何かを残すだろう。
何しろウォルマートの弱点の一つが、
アパレルなのだから。
クローガーの学習を終えたら、
マーケット・ニッチャーをめぐる。
なんといっても、
ホールフーズ。
見事な導入部と青果部門。
全店でストリート・フード・フェスティバル。
このコンセプトは、実にいい。
スパを改造した店舗で、
ユニークなフロアレイアウト。
グロサリーも十二分の品ぞろえ。
そしてサービスデリは、
今は全米ナンバー1。
レベッカさんがインタビューに応じてくれた。
今回の第11班は、
必死に勉強する。
それにレベッカさんがまた、
真剣に答えてくれた。
レクチャーから店内ツアー。
そして質疑応答。
1時間半も時間を割いてくれて、
実に貴重な話を聞かせてくれた。
そして再び全員写真。
成果があふれ出してくるようだ。
ホールフーズの次は、
そのホールフーズの目の上のたん瘤。
スプラウツ・ファーマーズマーケット。
2013年にナスダックに上場。
それ以来、成長は止まらない。
2015年12月決算で、
年商35億9300万ドル。
100円換算で3593億円。
21.1%の成長率。
昨年度は21.7%の伸び。
その前の年は35.8%。
超大型八百屋フォーマットで、
地産地消の野菜果物を中心に、
バルク売場が充実。
しかもホールフーズよりも安い。
いいポジショニングを考え出したものだ。
隣にダラーツリー。
ダラーストア業界第2位のファミリーダラーを、
昨年、買収して、第2位に。
トップのダラーゼネラルに対して、
厳密に1ドルショップのコンセプトを守って、
マーケット・チャレンジャーの地位を堅持。
母の日セールを、
早仕掛けで展開。
徹底したエブリデーローコストだが、
プロモーションには抜かりない。
ウォルマートも脅威を感じる、
強力な業態だ。
そして最後は真打登場。
トレーダー・ジョー。
ダラスのダウンタウンに、
この3月にオープンした新店。
入口には花。
そしていきなり陳列ケースが、
斜めに切ってある。
かつての「原則」からすると、
異端の、標準化破り。
しかしそれがジョーのポジショニング。
しかし変化はある。
精肉部門の品ぞろえ。
1品目2フェイスくらいまでだったが、
それがご覧のフェーシング。
ジョーが変わろうとしている。
変わると、
ごく普通のスーパーマーケットに、
なりかねないのだけれど。
ゴンドラエンドは、
いつも美しいボリューム陳列。
新店で美しい床、天井、
そして陳列。
この店は間違いなく大繁盛店になる。
見学者も続々訪れるだろう。
これからもよろしく。
昨日は到着直後に、
ウォルマートへ。
スーパーセンターとサムズクラブ。
今日は、クローガーを2店。
それからホールフーズ、
スプラウツとトレーダー・ジョー。
朝の講義のコンテスト型競争と、
ポジショニング戦略が、
理解してもらえる視察だった。
二人のインタビューも、
私の講義と完全一致。
すべての店でインタビューなどする必要は、
まったくない。
何を語ってくれるかは、
私が講義すればいい。
直接会話し、
その息遣いや、
表情に触れることで、
感情が伝わる。
それが大事だ。
理論や情報はあらかじめ、
テキストに盛り込み、
講義すれば理解は進む。
現地で人に会うのは、
直接、人間同士のコミュニケーションを、
体験するためだ。
それができた一日だった。
最後に、オプション。
モデルハウスを訪問。
ダラスの郊外のプラノ市。
高級住宅街。
どんなキッチンか、
どんな居間か、
どんなベッドルームか。
その生活ぶりを知って、
アメリカを理解する。
ここでも大いに満足した。
毎年2回ずつ、同じルートで、
同じ企業を学ぶ。
それが会社のコンセンサスになる。
平和堂第11回研修、
6年目に入って絶好調です。
しかし、地震は心配だし、
日曜にジジがいないのは、
ひどく寂しい。
ああ。
(つづきます)
〈結城義晴〉