モハメド・アリの「不可能」と学習院マネジメントスクール
モハメド・アリが死んだ。
74歳だった。
元世界ヘビー級チャンピオン、
もちろんプロボクサー。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
つまりヒット&アウェイがアリのスタイル。
ヘビー級ボクサーとしては異色の、
足を使った闘い方が、
魅力だったし、価値だった。
「差異が価値を生む」
〈結城義晴〉
12歳でボクシングを始め、
1960年のローマオリンピックに出場。
ライトヘビー級で金メダル。
このころはヘビー級ではなかった。
プロ転向後、1964年にソニー・リストンを破って、
ヘビー級世界チャンピオン。
勝利の後、カシアス・クレイから、
モハメド・アリに改名。
ドラマティックな男だった。
3年後、ベトナム戦争への徴兵拒否。
それによってタイトル剥奪。
しかし、1974年、世界王座を奪還。
通算19回の防衛を果たした。
74年のジョー・フレイジャー、
ジョージ・フォアマン戦あたりが、
アリのピークだったと思う。
76年には来日し、
アントニオ猪木と異種格闘技戦を行った。
私は旅行先の海辺の食堂のテレビで観た。
がっかりした思いがある。
引退後はパーキンソン病を患った。
ボクサーの職業病のひとつ。
それが死因でもあるらしい。
ホラ吹きクレイともあだ名され、
名言を残している。
「リスクを取る勇気がなければ、
何も達成することがない人生になる」
「人間が困難に立ち向かう時、
恐怖を抱くのは信頼が欠如しているからだ。
私は私を信じる」
「あまりにも順調に
勝ちすぎているボクサーは、
実は弱い」
「不可能とは、自らの力で
世界を切り開くことを放棄した
臆病者の言葉だ。
不可能とは、
現状に甘んじるための
言い訳にすぎない。
不可能とは、
事実ですらなく、
単なる先入観だ。
不可能とは、
誰かに決めつけられることではない。
不可能とは、可能性だ。
不可能とは、通過点だ。
不可能なんて、ありえない」
冥福を祈りたい。
さて昨日は夕方から、学習院大学。
伝統の学習院マネジメントスクール。
故田島義博学習院院長が創設した名門スクール。
そのDSCM基礎コース2016が開講。
顧問の湯沢威名誉教授が、
開講のご挨拶。
湯沢先生は皇太子殿下の先生。
驚くほどの博識で、
しかも素晴らしい人格の先生。
つづいて第一講座は流通概論。
毎年、結城義晴が、
相勤めます。
私も現在、この学習院マネジメントスクール顧問。
今年から9月に、
ショッピングセンターの視察講座も実施。
コーディネーター役を務める。
潮目が変わる。
パラダイムの転換。
そんな時代に流通も変わる。
流通の基本的な概念や業態論、
そして最後に商品論。
毎講座、力が入って、
2時間半くらいの講義になる。
講義のあとは、
ロビーでポットラック。
ここでもいくつかの質問を受けて、
それに答えた。
時間は9時45分になったが、
全員で写真を撮った。
今年1年よろしく。
不可能とは、可能性だ。
不可能とは、通過点だ。
不可能なんて、ありえない。
合掌ではなくて、
ファイティングポーズを、
モハメド・アリの魂に贈ろう。
〈結城義晴〉