クリントン「ガラスの天井」とミドルマネジメント研修会2日目
第45代アメリカ合衆国大統領選挙、
その民主党候補指名争い。
ヒラリー・クリントン前国務長官が、
代議員の過半数を確保した。
民主党、共和党ともに、
米国の歴史で初の女性候補者となった。
「まだまだ壊さなければならない天井がある。
私たちは歴史の新しい章を書いている」
クリントン女史の発言。
この「壊さなければならない天井」とは、
「ガラスの天井」のこと。
英語のglass ceiling。
「組織内で昇進に値する人材が、
性別や人種などを理由に
低い地位に甘んじることを
強いられている不当な状態」
(コトバンク)
キャリアアップを阻む“見えない天井”を、
比喩的に表現した言葉。
このガラスの天井を破った国家元首。
現在は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、
ノルウェイのエルナ・ソルベルグ首相、
ポーランドのベアタ・シドゥウォ首相。
そして韓国の朴槿恵大統領。
世界初の女性大統領は、
1976年のアルゼンチンのイサベル・ペロンさん。
イギリスのマーガレット・サッチャー首相は、
1979年に誕生している。
こう見るとアメリカも、
意外にも保守的な国だ。
日本にはもっと厚い、
ガラスの天井がある。
しかしヒラリー・クリントン女史、
ライバルの共和党は、
ドナルド・トランプ候補で、
厄介な選挙戦が待っている。
昨日の『Financial Times』の記事。
日経新聞が翻訳して掲載。
ジャーナリストのEdward Luce氏の署名がある。
「米大統領選史上、最もえげつない戦い」
2016年の大統領選を、
「Crooked Hillary(いんちきヒラリー)」と
「Trump the Fraud(詐欺師トランプ)」との争い、
と表現する。
そして「民主主義は
これほどえげつない争いを
無傷で乗り切れるだろうか」
「通常の尺度に従えば、クリントン氏が
地滑り的な勝利を収めるはずだ。
だが、筆者の直感は、
物事はそんなに単純ではないと言っている。
さらに、クリントン氏の勝利は
すぐにむなしく見えるようになるかもしれない。
個人的な憎悪によってこれほどひどく割れた国を
統治するのは難しいだろう」
ああ。
さて、私は今日も湯河原。
舛添要一東京都知事は、
別荘にいるわけではない。
新宿の都庁で都議会開催中。
商人舎は、ここで、
ミドルマネジメント研修会の2日目。
駿河の国と相模の国は梅雨の晴れ間。
しかし、そんな景色を見ることもなく、
朝7時半には「大観の間」会場に、
受講生が集う。
8時15分から理解度判定テストが始まる。
そのための最後の復習。
この理解度判定テストは、
設問に関して理解したことを
自分自身の言葉で記す。
昨日のブログでも書いたように、
丸暗記することが目的ではない。
いかに理解したか、いかに納得したか。
皆が真摯に解答を求める姿勢は、
不思議なことに同じ形になる。
これが本当の標準化だ。
お疲れさま。
今日のテーマは、
「ナレッジマネジャーのためのマネジメント」
2日目はミドルマネジメント層に必要な、
マネジメントの考え方と方法論を講義する。
朝一番の60分は、
理解度テストの解答を解説しつつ、
顧客満足と従業員満足に関する講義。
そして第2講義から第5講義までは、
計数の基礎と応用を白部和孝さんが担当。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
計数をどのように実務に活用するべきか。
それを論理的に、わかりやすく講義してくれる。
講義内容は、
在庫コントロールや商品回転率といった商品問題から、
人件費コントロールや人時管理まで。
冒頭にミドルマネジメントが知っておくべき
BSとPLの経営指標をガイダンス。
そのあとは、肝になる講義が続く。
マネジメント理論の転換をテーマに、
日本のチェーンストアが陥った
組織対策の弊害を指摘する。
最後はピーター・ドラッカーと、
ヘンリー・ミンツバーグの考え方で整理する。
それでも、明朝、
第2回目の理解度判定テストが待ち受ける。
受講生たちの試練は続く。
夕食はこんなメニュー。
このホテルの食事は、
売り物の一つ。
そして今夜も、
自習室に充てたメイン会場に、
多くの受講生が集う。
遅くまでの復習。
健闘を祈ろう。
学ぶところには、
天井はない。
学ぶ者には、
限界がない。
(続きます)
〈結城義晴〉