万代知識商人大学6月講義と「組織風土とは何か」
全国的に真夏日が出現。
30度以上の観測地点の数、180。
やはり、最も暑いところは、
群馬県館林市、33.7度。
とりせんの皆さん、お見舞いします。
福岡県久留米市32.7度、
熊本市も32.6度。
東京も練馬区で30.8度、
私が一日いた東大阪市も30度。
朝から、万代知識商人大学の講義。
企業内大学として今年4月にスタートし、
今日は第3回目の6月度の講義。
今日のテーマは、
ヒューマンリソースマネジメント。
私のテーマは「戦略的人間力経営」。
Strategic Human Resource Management。
約4時間半、講義を担当する。
授業は9時に開始。
司会担当は東尾里江さん。
人事部教育チームマネジャー。
今日も万代の幹部候補生の精鋭30人が、
やる気満々で集まってきている。
午前中に3時間30分。
まずアカデミズムの最新研究をダイジェストし、
人材マネジメントの三段階を整理。
さらにマネジメント理論の変遷、
そしてピーター・ドラッカーのマネジメント論を展開。
河野さんは総務人事部担当役員。
テーマは「万代の人事労務管理」。
難しいテーマを、平易な言葉で、
実にわかりやすく解説。
第一部では労働法の歴史をひもとき、
労働安全衛生法の重要性を解説。
第二部は、契約の自由の制限について、
これも丁寧な講義。
話もうまくて、驚いた。
総括講義はリーダーシップ論。
これは大学院の講義のように、
一人一人に質問して、
それぞれの考え方を答えてもらう。
難しい課題も掲げて、
その対処法を考えさせる。
自ら、考える。
それが知識商人大学の方針だ。
河野さんと二人。
1日をかけて、
ヒューマンリソースマネジメントを語り、
質疑応答した。
企業内大学は、1950年代に、
アメリカのゼネラルエレクトリックで始まった。
日本では1990年代にNECがスタートさせ、
多くの上場企業で開設されている。
小売業では、
イオンやファーストリテイリングにある。
最高レベルの講師を招くとともに、
その企業の組織を熟知している幹部が、
講義するのがいいと思う。
加藤徹会長の後ろ姿も、うれしそうだ。
昨日は連続インタビュー、
今日は知識商人大学の講義。
二日間を渋川で、充実した仕事。
最後に万代研修センター前で、
駆けつけてくれた下岡太市副社長と写真。
隣は東尾さん。
その隣は人事部マネジャー津田睦さん。
津田さんは知識商人大学1期生でもある。
今週は月曜日に、
イオンビジネススクール開講記念講演。
火曜・水曜・木曜は、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
そして今日の土曜日は、
万代知識商人大学。
講義講義の1週間だった。
それでも、私のライフワークは、
知識商人の養成を通じて、
商業の現代化を図ること。
その充実感を感じ取った1週間だった。
さて日経新聞『大機小機』
コラムニスト小五郎さんが、
「組織風土とは何か」を書く。
実にいい。
同感するところばかり。
トルストイの「アンナ・カレーニナ」。
冒頭部分に出てくる表現。
「幸福な家庭は
みな似通っているが、
不幸な家庭は不幸の相も
さまざまである」
うまくいっている企業は似ている。
不祥事の起因となる組織風土は様々。
問題の多い組織。
「不祥事の度に対症療法的に仕組みを変えても、
真正面から組織風土と向き合うことを避ける」
コラムニストはたとえて言う。
「組織風土は
人間の血液に相当するものであり、
表面的な治療では
生活習慣病の改善が見込めない」
「組織風土とは
組織に根付くDNAではない。
組織を構成する者の
考え方・行動様式の積み重ねで醸成され
自ら意識して作るものだ」
「価値を共有できるビジョンと調和した、
具体的な行動の積み重ねが
環境変化に適応した風土を生み出し、
組織のブランドを作り出す」
だからこそ「不幸な家庭」の、
変革は容易ではない。
「これまでの組織風土」自体が
変革の障害にもなる。
「変革には経営トップの
本気で変えたいという強い意志と
率先垂範が前提であり、
時代の変革に抵抗し、
適合しない者には
去ってもらう覚悟も必要だ」
場合によっては、
経営陣の総入れ替えさえも、
不可避になる。
「社員が一体となって変革していくには、
これまでの役割や機能といった
基本的な戦略を大きく変え、
実行のための仕組みや制度を
抜本的に見直すとともに、
日常的な行動を具体的に変えるための
施策がカギを握る」
そう、日常的な行動を変える。
「全員が共有できる価値を
ビジョンとして示すと同時に、
日々の業務に直接結び付く
具体的な施策を即座に実践することだ」
「日々の行動を変えれば
組織の風土は目に見えて変わる」
「組織の規模や業態、
社会からの期待や役割は
日々変化している」
「今は問題がなくても、
良い組織風土を守るためには
どうすべきかを常に考え、
手を入れていかなければ、
変容する社会に適応できなくなる」
「環境変化が激しい社会では、
組織風土の変革こそが競争力の源泉だ」
ヒューマンリソースマネジメントは、
組織風土をより良くするための行為だ。
「幸福な家庭は
みな似通っているが、
不幸な家庭は不幸の相も
さまざまである」
〈結城義晴〉