「健康寿命を伸ばそう」と「井蛙の我田引水への爆走」
7月2日、土曜日。
今日も一日、
横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎7月号は、
すごい内容になる。
楽しみです。
夕方、横浜駅から成田エクスプレス。
成田空港へ。
今夜は前泊。
明日、アメリカに向けて発つ。
さて、日経新聞巻頭コラム『春秋』
吉田拓郎が70歳を迎えた話。
その70歳がこの秋、
2年ぶりのコンサートを開く。
コラムニストはそれを、
「古希のステージ」と呼んで、
杜甫を持ち出す。
「人生七十古来稀なり」
総務省発表の「2015年国勢調査」の抽出速報。
総人口に占める65歳以上の割合、26.7%。
私はまだこの高齢者の仲間ではないが、
コラムは「健康寿命を伸ばそう」、
と呼びかける。
健康寿命は、
「日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、
自分の心身で生命維持し、
自立した生活ができる生存期間」
今、女性で74.21歳、男性71.19歳。
平均寿命と平均健康寿命との差は、
男性で約9年、女性で約13年。
そうなると私も、あと8年。
これに関しては、
頑張ります。
しかし、コラムニストは、
まず「吉田拓郎さん」と書く。
それから「井上陽水さん67歳」
「中島みゆきさん64歳、ユーミンも62歳」
さらに「ボブ・ディラ ンさん75歳、
ミック・ジャガーさん72歳」と表記。
拓郎や陽水に「さん」づけ。
ディランにも、ミック・ジャガーにも。
ああ、若いんだ。
しかし「ユーミン」だけ、
なぜ「ユーミンさん」にならない?
やっぱり、その世代なんだ。
そんな奴(失礼!)に、
健康寿命なんて、
言われたくはないよなあ。
田中さん?
こちとらは、
もっと切実なんだ。
と、まあ、ちょっと、
怒ったそぶりを見せて、
健康寿命に関しては、
頑張ります。
「井の中の蛙大海を知らず」
故事ことわざ辞典。
「知識、見聞が狭いことのたとえ。
また、それにとらわれて
広い世界があることに気づかず、
得意になっている人のこと」
別にコラムニストのことではない。
業界のバイキンマン・コンサルタントのこと。
【注釈】に書かれているのは、
「狭い見識にとらわれて、
他に広い世界があることを知らないで、
自分の住んでいるところが
すべてだと思い込んでいる人のこと」
『荘子・秋水』にある。
「井蛙は以て海を語るべからざるは、
虚に拘ればなり」
(井戸の中の蛙に
海の話をしても通じないのは、
蛙が井戸という狭い場所に
とらわれているから)
英語にも翻訳されている。
The frog in the well knows
nothing of the great ocean.
直訳だけど、わかりやすい。
同じような意味の英語のことわざもある。
He that stays in the valley
shall never get over the hill.
(谷の中に留まる者は、
決して丘を越えることはない)
荘子のほうが圧倒的に、
たとえがいい。
私も人に威張れるほどの者ではない。
だからいつも自ら戒めている。
そして「井蛙」は、
必ず、次の行動様式をとる。
「我田引水」
これも故事ことわざ辞典。
「他人のことを考えず、
自分に都合がいいように
言ったり行動したりすること。
自分に好都合なように取りはからうこと。
自分の田んぼにだけ水を引き入れる意から」
英語ではこうなる。
Every miller draws water to his own mill.
(粉屋はみな自分の製粉場へ水を引いてくる)
日本の粉屋は、
そうでもないと思う。
井蛙(「せいあ」と読む)は、
「我田引水」となりやすい。
これはまるで、
軌道に乗って爆走する機関車のようだ。
井蛙の我田引水の爆走。
先ほどのバイキンマンが、
商人舎公式ホームページから、
写真やコンテンツを盗用した。
わが社に投書があって、
それが判明。
私も、そのブログを見た。
先日の大阪の「BIO-RAL」
ライフコーポレーションの新フォーマット。
これは明らかな著作権法違反だ。
慌てて写真を消したようだけれど、
ほかにも、これまでも、
目に余るところがある。
井蛙、我田引水なり。
もちろん日経新聞のコラムニストではない。
念のために。
〈結城義晴〉