学習院マネジメントスクールのイオンモール幕張新都心視察
今日は終日、千葉県の幕張。
私は学習院マネジメントスクール顧問。
そのDSCM基礎コースの9月講座は、
フィールドワークで、
イオンモール幕張新都心へ。
DSCMとは、
ディマンド&サプライチェーン・マネジメントの略。
朝10時に現地に集まって、
3階にあるイオンホールの会議室へ。
ガイダンスしてくれたのは、
イオンリテールの鈴木茂伸さん。
コミュニケーション本部の
広報部シニアマネジャー。
幕張新都心は、
2013年12月20日にオープン。
4つのモールで構成される。
イオンモール最大の
ショッピングセンター。
360店舗の専門店が揃い、
総従業員数4000人の巨大なモール。
土日ともなると、
タクシーの運転手も、
敬遠するほどの混雑ぶり。
鈴木さんのガイダンスの後に、
今日は何を学ぶべきかを、
私から短く講義。
イオンモールは日本一の
SCディベロッパー。
その最大店舗を視察するが、
大事な視点は顧客として、
観察し、考察し、討議すること。
ショップ形式のカテゴリー編成が進む。
「大人の書斎」はその成功事例。
今日は湯沢威先生も同行してくださった。
湯沢先生は学習院大学経済学部名誉教授。
そしてマネジメントスクール顧問。
イオンは、
グローバルスタンダードを順守する。
鮮魚売場にはMSCのサーモンが並ぶ。
MSCは、
Marine Stewardship Council。
持続可能な漁業と、
水産物トレーサビリティを守る。
そのための基準を設け、
認証水産物の提供を目指す活動。
その基準をクリアするために、
「海のエコラベル」が付けられる。
冷凍食品の「ルージュ エ ブラン」
ピカールの商品も充実してきた。
イオンスタイルストアを一巡。
簡単なガイダンスを終えて、
2時間ほどを各自、
自由視察とする。
私は鈴木さんと一緒に、
4つのモールをくまなく回る。
ペットモールでは、
ハロウィンディスプレイ。
ファミリーモールの核は、
吉本幕張イオンモール劇場。
そしてイオンシネマ。
アクティブモールの一番奥屋上には
テニスコートとフットサルパークがある。
最大規模のモールを、
鈴木さんとともに、
端から端まで速足で歩いた。
1万3000歩。
くまなく歩けば、3万歩になる。
戸塚に向かう鈴木さんとは、
ここでお別れ。
午前中いっぱいと午後1時半まで、
お付き合いいただいた。
ありがとうございました。
心から感謝。
応えてくれたのは為川恭明さん。
イオンモール㈱幕張新都心事業部の
営業マネージャー兼インバウンド推進リーダー。
湯沢先生もグレイトクッションが出るし、
学生たちからもグッドクエッションが続いた。
為川さんはそれらに対し、
丁寧に的確に答えてくれた。
素晴らしかった。
最後は結城義晴の講義。
ショッピングセンターの日米の定義と、
新しい動向、
そして日本の現状を整理。
朝10時から午後3時10分までの
フィールドワーク講義。
今回、DSCMとして、
初めてのSC視察だったが、
無事に終了。
最後の最後は事務局。
左は林純子さん、
マネジメントスクール事務局長。
それから湯沢先生と、
右は研究員の山中寛子さん。
お疲れさまでした。
小売業はサプライチェーンの、
最終段階を担当する。
その小売業の集積のショッピングセンターは、
サプライチェーンの総まとめ役。
そして近代化された商店街としての、
ショッピングセンターは、まさに、
サプライチェーンの成果を、
最終的に享受する社会機能だ。
ますます、重要性は増してくる。
幕張新都心は将来、
新しいショッピングセンターの、
4つのカテゴリーをすべて有するに違いない。
それが私の見立てだ。
基本は第1に、
ライフスタイルセンター。
第2に、吉本劇場やイオンシネマをもって、
フェスティバル・テーマセンターの要素を、
かなり強化した。
第3に、真ん中にコストコがあって、
これを中心にパワーセンター要素を持ってくる。
そして第4に、
越谷レイクタウンのように、
アウトレットセンターが、
付け加えられるだろうが、
これで4つの新しい要素すべてがそろう。
大いに楽しみだ。
今年2月末の決算。
イオンモール㈱は、
営業収益2298億円。
営業利益438億円、経常利益424億円。
対してイオン㈱は、
営業収益8兆1767億円、
営業利益1770億円、経常利益1797億円。
営業収益の伸びは15.5%、
営業利益は25.2%、経常利益は17.8%。
両社の経常利益率は、
それぞれ18.5%と2.2%。
イオンモールが、
いかに高収益企業かは、
このデータが示している。
そしてそれはディマンド&サプライチェーンの、
集大成の成果を刈り取る機能を、
実によく表している。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
昨日は大変お世話になりました。全体の感想を二つ。一つは、116におよぶ国内イオンモールの、それぞれの個性はどこにあるのか。このようなSCのモダンさは初めは歓迎されるかもしれないが、も少し地元になじんだ土着の品ぞろえがあっても良いのではないか。地元の老舗の出店(?)など(あったかもしれませんが)。さらに、このようなSCのモデルは欧米型に近いものではあるが、これから高齢化の時代の客層をターゲットにするのであれば、も少し「和」の雰囲気を出すことも必要ではないのか、という印象を受けました。いろいろ考えられたコンセプトではあるが、私の年齢のせいもあるかもしれませんが、なんとなくくつろいだり、落ち着いた感じを持てなかった、というところが正直な感想でした。私個人としては日本では初めてのSCの訪問で大変勉強になりました。
湯沢先生、ご投稿、感謝します。
こういったモールも店舗も、
標準化7割、地域対応2割、個店対応10%といった目安でしょうか。
企業によって、この割合は変わってきますが。
したがって、テナントも全国チェーンと道州制の単位のチェーンと、
県単位のチェーン、そして地元の単独店などを組み合わせ、振り分けて、
リーシングします。
幕張新都心は都市型でイオンのおひざ元ですから、
全国チェーンが多かったですが、千葉県のチェーンも出店してもらっています。
それから和風のデザインのショッピングセンターは大いに可能性のある課題です。
イオンモールでも京都の桂川などは、その趣旨のデザインやつくりを持っていますし、
各地の特性・地域性を演出しようと努力しています。
その成果が出てくるのは、これからだとは思いますが。
アメリカのショッピングセンターもライフスタイルセンターは、
その地域の特徴をデザインし、演出しています。
小売業もショッピングセンターという不動産業も、
地域産業であることが再認識されていますし、
イオンは「平和産業・人間産業・地域産業」の三つのコンセプトを標榜しています。
ありがとうございました。