たかが服、されど服。たかが雑貨、されど雑貨。
朝日新聞『折々のことば』527。
毎朝、素晴らしい。
前にも書いたけれど、
いまや、朝日看板の『天声人語』より、いい。
たかが服、されど服
(戯〈ざ〉れ言葉)
「戯れ言葉」とは、
ふざけて言う言葉。
編著者の鷲田清一さん。
「服はしょせんうわべだと人は言う。
その人の現実を繕い、
ときに偽るものだと」
「服ごときに
人生のすべてを注ぐのは
愚かだとも」
そう考える人もいるかもしれない。
「が、服は人を支えもする。
受け入れがたい現実を
押し返すため、
はねつけるためにも
服はある」
「そうした抵抗、
もしくは矜持(きょうじ)を
人はしばしばその装いに託す」
「服は、折れそうな心を
まるでギプスのように支えてくれる
重要な装備でもあるのだ」
私もそう思う。
「ファッション」といわず、
「服」という言葉を使う人。
柳井正さんは、
喜ぶだろうな。
鷲田さんのことばに。
「FAST RETAILING WAY」
グループ企業理念。
まず、ステートメント。
服を変え、
常識を変え、
世界を変えていく
そして、ミッション。
ファーストリテイリンググループは―─
本当に良い服、
今までにない新しい価値を持つ
服を創造し、
世界中のあらゆる人々に、
良い服を着る
喜び、幸せ、満足を提供します
独自の企業活動を通じて
人々の暮らしの充実に貢献し、
社会との調和ある発展を目指します
さらに、私たちの価値観。
お客様の立場に立脚
革新と挑戦
個の尊重、会社と個人の成長
正しさへのこだわり
私は最後の言葉が好きだ。
「正しさへのこだわり」
さて、秋がどんどん深まっていく。
ハロウィンの季節に向かって。
もう日本でも、
バレンタインデーを凌ぐイベント。
1977年9月設立、
KALDI COFFEE FARM。
第1号店は1986年の東京・下高井戸店。
2010年10月、直営200店を越え、
2013年に国内300店を達成。
昨年8月段階で国内349店舗。
「洒落た雰囲気」の店。
輸入食材とコーヒー豆の専門店。
女性だけで運営され、
管理職もすべて女性。
店の入り口で、
紙コップのコーヒーがふるまわれる。
顧客はそれを受け取ると、
飲みながら店内をめぐる。
このコーヒーはテイスティングではない。
「お・も・て・な・し」
ちょっとあまいが、
オリジナルブレンド・
「マイルドカルディ」
ワインなど、私も時々購入する。
たかが珈琲、されど珈琲
そんな気がするKALDI。
日経新聞の記事。
「ニトリ、東急百貨店に出店」
東急百貨店東横店に、
小型フォーマットを出店する。
バナーは「デコホーム」
品ぞろえの基本は、
低価格だが高級感漂う商品。
使いやすいキッチン雑貨など。
石原靖曠理論でいえば、
スモールaの雑貨。
それにミドルaを加える。
東急東横店南館の7階、
約430平方メートル。
ニトリは都市部の百貨店への、
出店攻勢を強化する。
上野マルイ、東武百貨店池袋本店。
KALDIと並んで出店しても、
十分、いける。
たかが雑貨、されど雑貨
そんな商売こそ、
これからの主流だ。
〈結城義晴〉