Bob Dylanのノーベル文学賞受賞と全日食躍進チェーン大会
Bob Dylan。
村上春樹を押しのけて、
ノーベル文学賞受賞。
75歳。
スウェーデン・アカデミーの授賞理由。
「偉大なアメリカの歌の伝統のなかで、
新たな詩的表現を創造した」
歌手のノーベル文学賞受賞は初。
歌詞が文学賞の対象とされた。
画期的。
うれしくなるね。
ちょっとだけでも、
歌をつくっていた身としては。
ミネソタ州生まれ。
ミネソタ大学芸術学部中退。
ミネソタからニューヨークに出る。
そして1962年デビュー。
反骨の魂と繊細な精神。
それをもったDylanに、
ニューヨークは、
表現することの自由を与えた。
プロテストフォークの旗手として台頭し、
一躍、スターダムに。
しかしそれをちょっと恥じた。
このナイーブさもいい。
「風に吹かれて」
Blowin’The Wind
How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
人はいくつの道を歩めば、
人として認められるのだろう。
How many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
白い鳩はいくつの海を越えれば、
砂浜で眠ることができるのだろう。
How many times must the cannon bolls fly
Betore they’re forever banned?
なんど砲弾が飛び交えば、
それは永遠に破棄されるのだろう。
The answer, my friend, is blowin’ in the wind
The answer is blowin’ in the wind
友よ、答えは風に吹かれている。
答えは風に吹かれている。
How many years can a mountain exist
Before it’s washed to the sea?
山はどれだけの間、
山のままであり続けるのだろう。
海に流し出されるまで。
How many years some people exist
Before they’re allowed to be free?
人々はどれだけ生きれば、
自由の身になれるのだろう。
How many times a man turn his head
Pretending he just doesn’t see?
人は何度、見て見ぬふりをしながら、
顔を背けるのだろう。
The answer, my friend, is blowin’ in the wind
The answer is blowin’ in the wind
友よ、答えは風に吹かれている。
答えは風に吹かれている。
How many times must a man look up
Before he can see the sky?
人はどれくらい見上げれば、
空を見ることができるのだろう。
How many ears must one man have
Before he can hear people cry?
人はいくつの耳をもてば、
人々の悲しみの声が聞こえるのだろう。
How many deaths will it take till he knows
That too many people have died?
どれだけの人の命が奪われれば、
人々が死に過ぎたと気づくのだろう。
The answer, my friend, is blowin’ in the wind
The answer is blowin’ in the wind
友よ、答えは風に吹かれている。
風に吹かれている。
〈結城義晴訳〉
〈出典・blog.goo.ne.jp〉
何度、歌ったことだろう。
肩から下げたギターを弾きながら、
首からブルースハープを吊るして。
ピーター・ポール&マリーも、
ブラザーズフォーも、
たくさんのシンガーが歌ったけれど、
ディランのしゃがれた声が、
なんといっても一番、よかった。
そしてこの歌詞。
ディランは、語っている。
「泊まった人の家に詩集があると、
手当たり次第に読んだ。
ランボーやヴェルレーヌを」
なんども韻を踏んでいて、
それが強烈なイメージの塊となる。
1965年の作品は、
「ライク・ア・ローリング・ストーン」
ロックサウンドを取り入れて、
フォークロックの新境地を切り拓いた。
いま聴くと、
実に単調なメロディで、
淡々と歌詞を綴る。
やはりディラン以外の何物でもない。
転向ではもちろんない。
それまでのプロテトフォークの連中から、
「転向だ」と批判された。
ディランの言葉。
「ぼくは、皆と同じでありたいとも、
好かれたいとも思わない」
「ぼくにはヘンな癖があるけど、
捨てなかった。
それがぼくの個性だから」
「ぼくが自信をもってやれるのは
自分自身であることだ。
たとえ自分という存在が
どんな人間であろうとも」
「君の立場になれば、
君が正しい。
僕の立場になれば、
僕が正しい」
これらは全部、
ポジショニング概念のエッセンスだ。
それを1960年代から、
ずっと歌い続けている。
そして、恐ろしい。
時間はディランの正しさを、
証明した。
デビューから50年、
自作曲は約600。
アルバム35作で、
そのアルバム総売上げ1億枚超。
1988年、「ロックの殿堂」入り。
97年、グラミー賞最優秀アルバム賞、
2000年、アカデミー賞主題歌賞、
同じくゴールデン・グローブ賞も受賞。
2008年にピュリツァー賞特別賞、
12年、大統領自由勲章を、
オバマ大統領から授与された。
1992年にサム・ウォルトンも、
アメリカンドリームを実現させたとして、
ブッシュ大統領から授与されている。
ちょっともらいすぎじゃない?
そんな感じもするが、
ノーベル文学賞は、
極め付け。
ディラン、死ぬんじゃない?
岡林信康や吉田拓郎に、
多大な影響を与えた。
彼らはディランがいなければ、
登場しなかった。
ディランの言葉。
「心のままに行け。
最後はきっとうまくいく。
何もかも失ったって、
まだ未来だけは残っている」
吉田拓郎の「人生を語らず」は、
この言葉にインスパイヤーされて、
歌い方もディランを模している。
「目的に到達したとは、
思っちゃいけない。
いつもどこかに向かう
プロセスだと思うことだ」
「起きて、夜、寝るまでの間に、
自分が本当にしたいことをしていれば、
その人は成功者だ」
ノーベル文学賞、
おめでとう。
さて、私はManhattan。
ホリデーイン・ミッドタウン。
結構よく泊る。
そしてコロンバス・サークル。
コロンブスの円形広場。
セントラルパークの南西の角、
ブロードウェイと8番街、
それに西と南のセントラルパーク通り。
それらの交差点。
塔の頂上にコロンブスの像。
その角に大きなネズミ。
タイム・ワーナー・センターのビル。
地下1階にホールフーズ。
いつ来ても、素晴らしい。
それからセントラルパークを散策。
この後の模様は明日のブログ。
一方、東京。
12日になるが、秋恒例、
全日食躍進チェーン大会。
晴れ渡った秋空が大会を祝う。
会場は取引先のメーカー・卸のトップ、
全日食チェーン加盟店オーナーで、
満杯に埋め尽くされた。
全日食チェーンの赤い制服が、
会場左翼を占める。
壮観。
その向かい側には、
参列者に対峙するように
取引先の来賓トップが座っている。
これが有名な全日食スタイル。
私も日本にいれば、ここに座る。
第一部の記念講演は、
小谷真生子さん。
日経プラス10メインキャスター。
写真撮影はNG。
食の変化を、
自身の経験を交えて語った。
第二部はメインイベント、
躍進チェーン大会。
開会のあいさつは渡辺正之さん。
全日食チェーン商業協同組合
連合会代表理事長。
大会会長あいさつは平野実さん。
全日本食品(株)社長。
第10次5カ年計画の第4年度に当たる今期、
6つの骨太の行動指針を発表。
ひとつ、既存店売上高前年比103%必達。
ひとつ、強い商品、生鮮供給体制構築。
ひとつ、進RS体制の研磨。
ひとつ、「店づくり」と「拠点拡大」
ひとつ、同志融合ひとつ、
「小さい本部」と「生産性の向上」
ひとつ、VCピープル精神の堅持。
「1800店ネットワークを活かし、
地域商業を支える」
平野さんは力強く宣言した。
来賓あいさつで、
何人か登壇したが、
会場を沸かせたのは、
小泉進次郎衆議院議員。
「リオオリンピックの日本選手団が
赤のジャケットで登場した時、
全日食だと思った」
聴衆の心をつかんだ後は、
一気に農林水産省の改革について語り、
全農の課題を辛辣に指摘。
拍手喝さいを受けた。
商人舎としてうれしかったのは、
甘利明衆議院議員のあいさつ。
ビッグデータ活用、第4次産業革命など、
月刊商人舎10月号特集の提案と
ぴたり符合した。
躍進大会では、
ジュニアボードが大会宣言を発して、
大会を締めくくる。
今年は熊本地震で被災した堤田耕造さん。
ジュニアボード九州会議前会長。
被災時の状況から、
地域住民との交流まで、
心を打つ内容だった。
第三部は祝賀会。
多くの参列者でにぎわった。
田中彰さんもますますお元気。
全日食チェーン代表理事会長。
昭和37年(1962年)、
26企業33店が集まり、
全日食チェーンの前身、
東京フード㈱が設立された。
今年、全日食チェーンは、
55周年を迎えた。
中小食品スーパー1800店が、
ボランタリーチェーンシステムによって、
一つになる。
それもまた商業現代化の姿である。
「ぼくが自信をもってやれるのは
自分自身であることだ。
たとえ自分という存在が、
どんな人間であろうとも」
Bob Dylan。
(つづきます)
〈結城義晴〉