地球温暖化「パリ協定」発効とイオン「夜市」の2時間繰り下げ
朝一番でYCATからリムジンバス。
横浜シティエアーターミナル。
すぐにベイブリッジ。
晩秋の空に、
橋梁が映える。
羽田から全日空で1時間ちょっと。
福岡空港。
レンタカーを借りて、
福岡市早良区の妙福寺へ。
庭園が有名。
庭の真ん中を、小川が流れる。
2年前に亡くなった父の三回忌。
11月4日だったが、
私はアメリカにいた。
親族が集まってくれて、
父のことを話し合った。
さて「パリ協定」が発効。
Paris Agreement。
地球温暖化対策の新たな国際的枠組み。
気候変動枠組条約第21回締約国会議が、
昨2015年12月12日に採択していたもの。
この気候変動枠組条約は、
1992年のリオ地球サミットから始まった。
気候変動枠組条約を締結した締約国が、
毎年集まって「締約国会議」を開催する。
Conference of Parties、通称COP。
1997年には京都で、
第3回COPが開催されて、
「京都議定書」が採択された。
パリ協定は、それ以来、
18年ぶりに合意された、
温暖化問題に対処する国際条約。
京都議定書は、
2008~2012年の5年間の
温暖化ガスの排出量の平均を、
原則として1990年の排出量を基準に、
何%減らすかというかたちで、
先進国の数値目標を設定し、
各国にその目標達成を義務づけた。
ただし、先進国の、
38カ国・地域の協定だった。
守れなければ罰則も課された。
しかし途中でアメリカが離脱。
中国も不参加だった。
さらに各国が提出した2020年目標は、
それらを積み上げても、
「2°C目標」を達成できないことが分かった。
「2°C目標」は産業革命前と比べて、
気温上昇を2°C未満に抑えるという目標。
そこで2020年以降は、
先進国も途上国もすべての国が、
一つの土俵で削減目標を約束する。
その国際条約の作成が合意された。
それが「パリ協定」
こちらは気候変動枠組条約に加盟する、
197のすべての国・地域が参加している。
パリ協定の目標は、
改めて温暖化による気温上昇を
「産業革命前と比べて
2度より十分低く保つこと」
そのうえで、さらに、
「1.5度以内に抑えるよう努力する」
パリ協定は長期目標も定めた。
すべての国・地域が、
温暖化ガスの排出を今世紀後半までに、
「実質ゼロ」にすることを目指す。
ただし、日本は、
来週火曜日の8日の衆院本会議で、
パリ協定の承認案の可決、成立を目指す。
つまり完全な出遅れ。
理由は与党関係者の楽観。
楽観はいけません。
京都議定書では、
主導国の役割を果たしたが、
パリ協定の第1回締約国会議では、
議決権を持たないオブザーバー参加。
そのうえ、
日本が提出している目標は、
「2030年度に13年比26%減」で、
これは厳しい状況だ。
ああ。
話はがらりと変わる。
日経新聞の『企業・消費』欄。
「イオン、売場作り遅く」の記事。
商品補充など売場整理の時間を、
従来の午後4時から、
6時へと2時間繰り下げる。
店ごとに惣菜や生鮮食品を、
数十~100品目程度選び、
午後6時をメドに集中的に、
店頭陳列量を増やしたり、
並び方をきれいにそろえたり、
揚げたて・つくりたてを提供したりする。
どの品目をどれだけ増やすかは、
各店が夜間の需要を見極め判断する。
ポイントは、
「2時間繰り下げること」
イオンリテールは、
「夜市」と銘打って、
週明けにも約390店全店で実施する。
そのため惣菜加工担当者など、
一部従業員の間で、
勤務時間や作業内容を、
各店で調整する。
人件費に大きな影響はない。
9~10月に、数店で実験した。
結果は、午後4~8時の売上げが伸びた。
惣菜で2~3割、
生鮮食品で1~4割。
イオンは「夜市」のテーマで、
テレビCMも放映する。
「夜市」が地球温暖化対策に、
反するわけではないし、
こちらは純然たる経済行為であり、
顧客の便利性に応えるものだ。
大いにやってよろしい。
いよいよ、年末に向けて、
知恵比べはヒートアップしてきた。
楽観はいけません。
〈結城義晴〉