コトラーのマーケティング注文と「昔日の感謝」と香港巡り
日経新聞巻頭の『春秋』
イオンの「ブラックフライデー」を論じる。
「旺盛な消費意欲の象徴にもみえるが、
米国では今年の
ブラックフライデーを含む週末、
消費者の平均支出は
前年比マイナスだった。
中国の独身の日も
平均客単価は前年割れ」
「消費喚起を狙う各種セールの乱発も
原因だと伝えられる」
「安売りに慣れれば
ふだんの値段を高いと
感じるようになる」
「セール頼みには
危うさもある」
3年前の2013年7月、
フィリップ・コトラーが来日して、
日本のマーケティングに注文。
「マーケティングに必要な
4つのPを提唱しましたが、
日本ではまだ理解が
進んでいない気がします。
マーケティングそのものの
ステータスが低い」
4Pとは、
product=製品、
price=価格、
place=流通、
promotion=販売促進。
「4Pのうちのpromotionとしか、
マーケティングを捉えていない」
だからコトラーは、
CMOの重要性を説く。
チーフ・マーケティング・オフィサー、
最高マーケティング責任者。
「マーケティングは、
営業部門が受け持つものではない」。
「自社について、顧客に、
より深く理解してもらい、
頼るくらいの特別な感情を
持ってもらうまでの
関係を築くことが大切です」
『春秋』の「セール頼み」の指摘、
ブラックフライデーに、
安売りしかしなかったと、
捉えたとしたら、お粗末。
しかし、顧客との「特別な感情」
それが築けたかどうか。
本当の評価は来年に判明する。
朝日新聞『折々のことば』
昔日の客より
感謝をもって
〈小説家・野呂邦暢〉
引用は『昔日の客』から。
著者は書店主・関口良雄。
野呂は諫早から上京し、
給油店で働いた。
若き日、故あって郷里に戻ることになる。
「通いつめた古本屋にどうしても
ほしい一冊があったが金が足りない。
おずおずと事情を話すと、
値切りを嫌う店主が
黙って値を下げてくれた」
この店主が関口。
野呂は1974年、
『草のつるぎ』で芥川賞を受賞。
そのお礼にと関口に本を届けた。
その本の見返しに、書かれていたのが、
今日のことば。
ブラックフライデーのなかから、
こんな感謝や関係が生まれたら、
春秋の負け。
さて、香港の一日。
どういうわけか、
街を歩き回って、
観光客が行かないところまで、
足を延ばしてしまう。
結城義晴の習性。
目が覚めると、目の前は、
ビクトリアハーバー。
朝日が昇る。
街に繰り出すと、
ワトソンズ。
ドラッグストア。
古い建物に、
付け足した高層ビルが並ぶ。
ネーザンロード。
九龍公園。
噴水や彫刻。
しかし多数のイスラム教徒が、
道端で食事をしている。
地下鉄のMTRに、
一日券を買って乗り込む。
65香港ドル。
地下を潜って、香港島へ。
そごう百貨店がある。
ギャップ。
セブン-イレブンは、
いずれも小型店。
そのタイムズスクスエア。
クリスマス・ミュージアムには、
大行列。
タイムズスクエアの特別企画。
円形エスカレーターを使った、
モダンなショッピングセンター。
地下1階にシティスーパー。
道路を隔てた隣は、
ユニクロやムジが入ったビル。
ユニクロは基幹店の一つ。
繁盛しています。
古い建物が残って、
ちょっと不思議な空間。
しかしこの人の波。
香港の原宿。
再びMTRに乗って、今度は郊外へ。
4回乗り換えて、陸上に出る。
シャーティン駅。
巨大な郊外の街。
香港第一の乗降客数。
ニュータウンショッピングセンター。
その名の通りの巨大施設。
3ホールまである。
周辺には高層のマンション群。
そして現代的なショッピングセンター。
しかし、ここでも、
人人人。
商売は人がいるところでやるべし。
だからアジアに出なければいけない。
ポッカカフェ。
GOCHISO。
源自日本!
核店舗はシティスーパー。
資生堂も。
もちろんユニクロも。
すごい繁盛ぶり。
しかし人いきれに疲れがたまる。
再び地下鉄に。
フンホン駅に戻る。
ビクトリアハーバー沿い。
そしてわがホテル。
インターコンチネンタルグランドスタンフォード香港。
隣の広場ではイルミネーション。
クリスマスイルミネーションが、
街中至る所に施されている。
ホテルの部屋から、
ビクトリアハーバーを望む。
ああ、疲れた。
マーケティングは、
人がいるところで、
展開すべし。
人間産業なのだから。
(つづきます)
〈結城義晴〉