トランプ記者会見批判とAJS新年トップ研修会の「信頼の文化」
昨夜は満月。
美しい月。
しかしドナルド・トランプ次期大統領。
当選が決まってから2カ月後、
やっと記者会見を開いた。
バラク・オバマ大統領は3日後、
ジョージ・ブッシュ大統領は2日後。
その間、ツイッターで、
勝手な放言をするだけ。
世界の新聞が一斉に、
社説で批判した。
日経新聞の社説タイトル。
「トランプ氏は疑問にきちんと答えよ」
「会見の中身もお粗末だった。
事業を続けつつ、公職に就くと公私混同、
利益相反が起きるのではないか。
その疑問に答えるはずが、
経営を長男らに任せると述べたに留まった」
「補足した弁護士は
株式の売却などは否定した。
だとすれば、事業は引き続き
最大株主であるトランプの影響下にある。
外国企業との取引を有利に進める観点から
外交政策を判断するのではないか、
などの懸念は払拭されない」
「トランプ氏の本質は当選後も変わらない。
初会見でそれはわかった。
激動への備えが必要だ」
朝日新聞社説。
「危うい自分中心の政治」
「その口から出たのは、
雇用増など『業績』の自賛と、
自らへの批判や疑惑に対する
容赦ない反撃の数々だった」
「記者会見で浮き彫りになったのは、
説明責任を果たさず、
政治倫理に無頓着なまま、
『自分』にとって得か損かを
基準にするトランプ氏の考え方だ。
そんな『自分第一主義』からの
決別を促すために、
議会やメディアが果たすべき責任は重い」
読売新聞。
「事実誤認に基づく対日批判だ」
「日米貿易摩擦が過熱していた時代から、
頭が切り替わっていないのではないか。
貿易赤字を絶対悪とする
過去の物差しに基づく対日批判は
看過できない」
「標的にされたトヨタ自動車は、
米国に10工場と1500の販売店を持ち、
13万6000人を雇用する」
「日本の対米直接投資は、
英国に次いで2番目に多い。
米経済を潤す側面を軽視し、
事実誤認の発言を繰り返すのは、
見識と品位を欠く。
貿易赤字は、米国の消費市場が
巨大である結果と言える」
「『最も偉大な雇用創出者になる』
と強調したが、失業率は4.7%で、
『完全雇用』に近い。
支持者の期待に応える手立ては、
外国たたきではなく、
賃金上昇と格差是正だろう」
そして英国フィナンシャルタイムズ。
「見下げ果てた『利益相反』への対応」
「トランプ氏は利益相反の問題に
茶番劇のような対応を取っている」
「トランプ氏は自らの会社の経営を、
絶えず連絡を取り合っている
息子2人に譲り渡した。
2人とも政権移行チームのメンバーだった」
「自分の富の全てが
家族の管理下にある会社と
結びついている状態は『分離』ではない。
子供でもわかることだ」
「トランプ氏は、このお粗末な対応に、
確かめようのない
一連の約束を付け加えた。
息子2人とファミリービジネスに
関する話をすることは一切やめる。
会社の意思決定に、
『倫理的な』制約を課す。
外国の公職者が
自分のホテルを利用した際の
収益は財務省に譲り渡す。
外国との『取引』は禁じる
(何が『取引』にあたるのか、
はっきりしないままだ。
例えば、外国の相手からの投資は
『取引』にあたるのか、知るよしもない)」
「しかも、トランプ氏は
納税申告書の公表を拒んだままだ」
「資産を完全な白紙委任信託に預託したり、
売却したりするなど、
自分をビジネス上の権益から
切り離すことをしないせいで、
トランプ氏は大統領就任初日から
不正を疑う目で見られるばかりか、
政権内の他の億万長者らに対して、
さらに最も重大な点として
世界各国の政府に対して、
ひどいメッセージを発信している」
トランプ政権、いつまでもつか。
さて昨日は、
AJS2017年新年トップ研修会。
オール日本スーパーマーケット協会。
第一部は特別講演会。
三菱総合研究所の為本吉彦さん。
「IoT×AIで変わるビジネスモデル」
私は第二部から参加。
AJSの若手経営者が登壇し、
パネルディスカッション。
テーマは、
「スーパーマーケットの未来」
スーパーマーケットにかけるロマンを、
語り合った。
㈱かましん社長の若井禎彦さん。
かましん4代目社長で、46歳。
40歳で社長になった。
「三つの考え方を貫く。
①続かないことには手を出さない
②どこを変えてどこを変えないか
③正直商法」
㈱サンプラザ社長の山口力さん、45歳。
2016年5月期で年商118億円。
「『食卓に安心と健康』をテーマに、
フードアクションニッポンでは、
5年連続6部門で入賞した」
㈱マルイチ社長の高木大さん、43歳。
「特徴のない『最高のふつう』を提供する。
つまり、高級でなく、
ディスカウントでなく、
普通のスーパーマーケットの
一番店を目指す」
電子マネー利用率は4割を超える。
そして㈱丸合社長の梅林裕暁さん。
現在、39歳だが、社長就任は35歳。
「AJSは共通の基盤をもって、
緩やかな連携をしていく必要がある」
コーディネーターは田尻一さん。
AJS会長で、前サミット社長。
いいパネルディスカッションだった。
もうちょっと元気のいい話がほしかった。
第三部は懇親会。
AJSは着席しながらの懇親。
これがいい。
45分間の食事タイムの後は、
会場いっぱいで名刺交換や懇親。
私も多くの方と新年を祝いあった。
エレナ会長の中村圀昭さん。
キョーエイ社長の埴渕一夫さんと、
いちやまマート社長の三科雅嗣さん。
埴渕さんから、
とてもいい提案をいただいた。
実現させましょう。
関西スーパーマーケット社長、
福谷耕治さん。
みんなを巻き込んで、
ワイガヤでいきましょう。
コノミヤ社長の芋縄隆史さん。
若手経営者ながら実に頑張っている。
井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。
こうした会合には、欠かさず出席。
ご苦労様です。
AJS名誉会長の荒井伸也ご夫妻を囲んで、
セブンスター社長の玉置泰さんと。
今度は荒井さんを囲んで、
サミット社長の竹野浩樹さんと
服部哲也さん。
服部さんは取締役常務執行役員。
スーパーアルプス社長の松本英男さんと、
伊藤園副社長の本庄周介さん。
ゴルフ談義で盛り上がった。
エバラ食品工業社長の宮崎遵さん。
月刊『商人舎』11月号、
「働き方改革×人材マネジメント」特集を、
評価してくれた。
私の隣は寺岡精工社長の片山隆さん。
そして専務の山本宏輔さん。
左は松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブプロデューサーで、
アドパイン代表
岡村製作所の皆さん。
右から、酒徳真司さん、
取締役西日本営業本部長。
山本文雄さん、常務取締役事業本部長。
井上健さん、取締役東日本営業本部長。
カスタマーコミュニケーションズの2人。
企画本部長の越尾由紀さんと、
リテールマーケティング部課長の長谷川徹さん。
越尾さんは今、最強のマーケッター。
私はCCLの社外取締役を務めているが、
どんどん改革が進んでいる。
夕方5時から2時間。
宴の後の会場で、
AJS専務理事の松本光雄さんと。
お疲れ様でした。
そして大活躍だった
田尻一さん。
ひと仕事の後の、いい笑顔。
最後の最後は、
恒例、AJS事務局の皆さんと。
チョットつまらない。
おとなしすぎる、ということで、
今年AJSは55周年を迎えるから、
両手を開いて、55。
今日も最後は、
朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。
背に腹は代えられぬ
(言い習わし)
「せっぱつまったとき、自分を守るため
他を二の次とすることになっても
やむをえないと人は言う」
「背が内臓を護る人体の外壁だとすれば、
腹は、いのちを養うその臓器を包む内側。
が、ほかの生き物なら他に対して
まずはひた隠しにするその柔い〈内〉を
たがいに触れあわせる習慣をも
ヒト社会は育んできた」
「抱擁と握手」
「胸を開いて」
「腹を割って」。
「そう、信頼という文化を」
AJSにも、
真の信頼の組織文化が求められる。
トランプにも、本当は、
「胸を開いて、腹を割って」が、
必須であるのだが。
〈結城義晴〉