ゴルフ外交の「やってる感」と「決して心の火を落とせない」
Everybody! Good Monday!
[2017vol7]
2017年も第17週。
もう2月第3週で、
太平洋岸はすっかり、
春めいてきました。
しかし日本海側は寒気団の影響で、
記録的な大雪。
お見舞いします。
先週火曜日のWeekly商人舎。
常盤勝美の2週間天気予報では、
今週の天候を、
以下のように分析しています。
[概況]
週前半は強い冬型の気圧配置だが、
週半ばには冬型緩む。
その後は日本付近を
低気圧高気圧が周期的に通過する。
[天候解説]
週前半は日本海側で雪、
太平洋側では乾燥した晴天。
週半ば~後半あたりに、
日本付近を低気圧が通過。
コース次第では全国的に南風強まり、
少し荒れた天気となる可能性あり。
いずれにしても週半ば以降、
北日本を除いて、天気が、
比較的短い周期で変化するようになる。
毎週、必ず、2週間天気予報は、
チェックしておいてください。
近づきて又遠ざかる春を待つ
〈朝日俳壇より 東かがわ市・桑島正樹〉
(稲畑汀子選評)
端的に述べて、
待春の切実な心がある。
わかるなあ。
今朝の朝刊はすべて休刊。
新聞記者も時々は休みたい。
その気分、わかる。
毎日更新宣言ブログは、
年中無休だけれど。
その日経新聞土曜日11日の社説。
「気象ビッグデータの
産業利用を進めよう」
前日に常盤さんが、
商人舎にやって来て、
話をしたばかりだったので、
この偶然に驚いた。
「気象の観測や予測計算が
緻密になるにしたがい
膨大なデータが集まり、
エネルギー、物流など
多くの産業で活用が期待されている」
もちろん小売りサービス業でも。
「近年の気象技術の進歩はめざましい。
高性能な人工衛星やレーダー・自動測器が、
雲や雨、風などの観測を24時間続ける。
これらをもとにスーパーコンピューターが
次々に予測結果をはじき出す」
気象庁が3月に立ち上げるのは、
「気象ビジネス推進コンソーシアム」
産学官による共同組織。
この面でも欧米は先行している。
米国IBMは気象会社を買収。
「データをAI技術と組み合わせて、
防災・避難情報を提供している」
仏国シュナイダーエレクトリックも、
専門企業を傘下に収めて、
「太陽光や風力の発電量の
予測事業を伸ばしている」
翻って日本。
㈱ウェザーニューズ、日本気象協会、
それに㈱ライフビジネスウェザー。
私が社外取締役を務めるのが、
カスタマー・コミュニケーションズ(株)
同社社長の米倉弘之さんと常盤さんが、
コラボレーションして、
ウェザー・ビッグデータ事業を、
企画中だ。
日経新聞社説は、
そのことも視野に入れている。
1995年に、
民間による一般向け天気予報が解禁。
それから20年以上。
気象関連事業の市場規模は、
年300億円程度で、
しかも伸び悩んでいる。
これは米国に比べて桁違いに小さい。
社説は危惧する。
「気象ビッグデータ活用の国際競争から、
取り残されるおそれがある」
その要因は、気象業務法。
「観測や解析、予報の期間、
内容などの条件が細かく定められ、
規制が厳しい」
必要なデータも入手しづらい。
そして提案。
「気象庁は企業に、
事業モデルを指南しようなどと
考えない方がよい」
「斬新な発想による市場開拓を促し、
障害となりそうな規制や慣習を
取り除くことにこそ力を入れるべきだ」
これはオーガニックに対する、
農林水産省への注文と同期する。
月刊商人舎1月号特集、
日本オーガニック元年を宣言する!!
ここで、アメリカの農務省(USDA)の、
マーケティング政策を評価したが、
日本のお役所仕事の、
マーケティング視点の欠落は、
気象庁にも当てはまる。
さて、月刊商人舎2月号、
お蔭様で好調です。
特集は、
地球イータリー化現象
Global EATALY Phenomenon
表紙が、きれいでしょう?
ここで、ふたたび、
[cover message]
2007年、イタリア・トリノ。
家電量販店「unieuro」を経営していた
辣腕の実業家Oscar Farinettiが、
その家電店チェーンを売却して、
決然とEATALYをオープンさせた。
EATとITALYを合わせた造語。
イタリア料理を食べさせ、
イタリア食材を売る店。
リテールとフードサービスの融合。
もちろんイタリアの「スローフード」から
決定的な触発を受けた
画期的な新フォーマットだった。
この店が2008年、
日本の東京・代官山に出店したが、
残念ながら衰微して閉鎖。
しかし2010年、ニューヨーク。
マンハッタンに進出したEATALYは、
世界で最もホットでトレンディな
超巨大都市で、大化けした。
EATALYは現在、世界11カ国に35店舗。
地球規模で勢いを増している。
それだけではない。
EATALYのコンセプトに影響を受けた
内食と外食の産業レベルの融合化現象が、
流通先進国に続々と現れている。
それを「地球イータリー化現象」と呼ぼう。
日本では最大流通小売業のイオンが、
イータリー化現象を学習し、
新時代の中核店舗「イオンスタイル」の
コア機能として独自の展開を見せる。
この潮流は、
21世紀フューチャーストアを体現して、
留まるところを知らない……。
さて、今日のDaily商人は、
ヤオコー第3四半期は増収増益
さらにWeekly商人舎。
月曜朝一・2週間販促企画。
今週のスケジュール。
明日はバレンタインデー。
そして第一屋製パン取締役会。
商人舎Web会議。
明後日から3日間、
スーパーマーケット・トレードショー。
今回から幕張メッセ。
私は初日の15日に訪問。
今週はシンプルな毎日だ。
さてさて先週土曜日11日のブログ、
「やってる感」
「アベノミクスは道半ば」なのに、
「次々新しいスローガンを
掲げ続ける経済政策は、
確かに頑張っている印象を与える」
「頻繁に外遊をこなし、その度に
テレビに自身の姿を映し出す外交姿勢は
『やってる感』満載といえよう」
安倍晋三首相の「やってる感」
トランプ大統領とのゴルフ外交で、
最高潮に達した。
それにしても、
3時間40分で18ホール、
さらに1時間20分で9ホール。
ワンラウンド&ハーフを、
一挙に5時間で回った。
1ホール平均11分。
最初の18ホールは、
アーニー・エルスと3人、
後半の9ホールは2人だけ。
すごいスピード。
これではラウンドだけで、
話など、ほとんどできない。
グリーンに乗ったら「もうOK」の、
そんなゴルフだったかもしれない。
「首相自身が、
『やってる感が大事なんだ』と意識して
行動している」
「日本には成果の有無ではなく、
『頑張っている人を
おとしめてはならない』
という文化がある」
私は書いた。
「『やってる感』尺度で見ていると、
本質がわかる」
安倍晋三の「やってる感」、
わかるなあ。
「やってる感」の仕事は、
成果を出すためには、
あまり役に立たない。
ふたたび、そのことは、
確認しておこう
トランプも坊主めくりも三日かな
〈同 箕面市・菖蒲哲郎〉
最近はこの手の皮肉な句が多い。
最後にちょっといい話。
昨日の日経新聞読書欄。
「あとがきのあと」
鶴我裕子さんのエッセイ。
「バイオリニストは弾いてない」
長年勤めたNHK交響楽団を定年退職。
それから10年、弾いてない。
「60歳を過ぎてやっと
普通の暮らしを手に入れたの。
でもね、今でも夢に見るんですよ。
コンサートの本番に遅刻する夢を」
しかし、述懐する。
「現役のときは休みの日だって
手放しではくつろげなかった」
わかるでしょう、皆さん。
「溶鉱炉と同じで、
決して(心の)火を落とせない。
いつも緊張していたし、
すごいストレスでした。
そのぶん、演奏がうまくいったときの
達成感も大きかったのですけど」
1947年福岡県生まれ。山形育ち。
東京芸大音楽学部卒。
NHK交響楽団に入団、
2007年2月まで第1バイオリン奏者.
仕事をする人は、
休みの日でも、
手放しではくつろげない。
「決して心の火を落とせない」
それは見せかけの「やってる感」とは違う。
では、みなさん、今週も、
「心の火を落とさない」心持ちで、
Good Monday!
〈結城義晴〉