プラネット訪問と丹羽宇一郎の「あすなろ総理」&「メディアの真」
今日は幕張に行く予定だった。
イオンではなくて、
スーパーマーケットトレードショー。
しかし急遽、取材が入って、
予定変更。
残念ながら、行けなかった。
月曜日のブログに書いたから、
ずいぶんたくさんの人たちから、
メールや電話をいただいた。
「失礼しました」
今日のDaily商人舎は二本の記事。
Japan Newsは、
ライフ川崎大島店今日オープン
World Newsは、
全米小売業協会の2017年予測
昨日のWeb会議で決定したが、
ニュースを短くした。
さて私は東京・浜松町。
㈱プラネットを訪問。
プラネットの事業は、
EDI基幹プラットフォームの構築・運用。
EDIはElectronic Data Interchangeの略、
意味は、「電子データ交換」
各企業がコンピュータを通じて、
データをやりとりすること。
そのプラットフォームを構築し、
情報交換の手助けをする。
売上高経常利益率24.1%、
自己資本利益率13.0%。
すごい会社だ。
玉生弘昌会長。
それから田上正勝社長。
いい話を聞いた。
梅沢聡さんが一緒。
㈱商業界の元編集担当取締役。
現在は月刊コンビニの編集委員。
浜松町の街に、
夕闇が訪れようとしていた。
充実した一日だった。
しかし私にも、
花粉症が出てきた。
今年の関東地方のスギ花粉は、
東北地方ともども昨年に比べて、
飛散量が少ないらしい。
その代わり、
近畿、九州、四国、東海の各地方は、
昨年の2倍以上と見込まれている。
毎日新聞『余禄』は、こう表現する。
「鼻の春の憂鬱度は、
『西高東低』となりそうな日本列島である」
その毎日新聞の
『校閲発・春夏秋冬』
閑話休題。
新人校閲者「新さん」と、
先輩校閲者「閲さん」の、
バレンタインデーに関する会話。
新さん 気になっていたんですけど、
「バレンタインデー」と書く一方で、
「デイケア」や「デイトレーダー」は、
「デイ」ですよね。
でもデーゲームは「デー」。
どれも英語では「day」なのに、
この違いはどこから来ているんですか?
閲さん 毎日新聞の用語集では、
固有名詞を除き、
○○デーやデーゲーム、デーリーは
長音符号「ー」で
書く決まりになっています。
デイケア、デイトレーダーは例外です。
閲さん 原語で「エイ」と発音するものは
長音(のばす音)とみなす、
という規定があります。
もともと日本人は
「エイ」と発音することが苦手で
「エー」になりがちです。
「英語」だって「えーご」と
発音する人が多いでしょう。
dayを例にすると、
日本語で表記するときは「デイ」ではなく、
日本での発音に近い「デー」が原則です。
新 でも「デイ○○」と書く語も
あるわけですよね。
閲 新しく使われるようになった語ほど
「デイ」と書く傾向にあります。
新 どうしてですか?
閲 最近は外国語に触れる機会が
増えたことなどから日本人も
「エイ」という発音になじんできた
と言われています。
それに伴い表記も
変化していると言えるでしょう。
閲 細かなルールは、
新聞社ごとに決めていますが、
一般的な目安としては国の審議会が
検討したものがあります。
新 どんなものですか?
閲 国語審議会の報告では、
「『エイ』と発音するものは長音とみなす」
方針が示されました。
ただし、エイト、ペイントなど
表記が定着しているものは
例外としています。
内閣告示でも慣用のあるもの以外は
長音が前提とされていますが、
例外は徐々に広がってきています。
新 たとえば?
閲 以前は「メーンスタジアム」
のように書いていましたが、
2013年改訂の用語集で
「メインスタジアム」に変更しています。
新 最近は「フェイクニュース」も
紙面でよく見ます。
表記も変化するんですね。
閲 新聞社によっては、
ネーティブ→ネイティブ▽
ブレーク→ブレイク▽
リメーク→リメイク など、近年、
長音表記を見直している社もあります。
NHKは15年から、
テークアウト→テイクアウト▽
ギブアンドテーク→ギブアンドテイクに
表記を変更し、アナウンサーも
文字通りに「テイク」と
読むようにしているそうです。
新 外来語の表記で
悩む場面も増えそうです。
閲 そうですね。ところで、
1日遅れだけど、はいどうぞ。
新 わあ、ありがとうございます。
もしかして……。
閲 遅くなったから、
チョコ“レイト”なんてね(笑い)
月刊商人舎も毎日更新宣言ブログも、
音引きが少なくなって、
英語の発音そのままの表記になってきた。
しかし高校時代に読んだ小説『歯車』
芥川龍之介は「レエンコート」と記した。
私は異様な語感にたじろいだが、
この小説の衒学的文体として、
実はぴったりだった。
時には「レエンコート」のごとき表現、
必要なのだ。
それが「真」である。
さて日経オンラインの経営者ブログ。
伊藤忠前会長丹羽宇一郎さん。
タイトルは、
メディアの「真」と国の「信」
「米国で新しい大統領と
大手メディアの対立が
激しくなっています。
強権を発動する大統領に対し、
食ってかかるメディア。
それに呼応して
全米各地でデモが起こる」
トランプ発言は「フェイク!」
「内容はともかく、その構図は
民主主義の牙城である
米国らしいなと感心します」
丹羽さんらしい、率直なもの言いだ。
「翻って日本はどうかというと、
残念ながらメディアに元気がありません」
「率直に申し上げてふがいない」
さらに財界人や知識人の声。
「ちょうちん持ちが多く
信用していない」
「何でもそうですが、トップの発言を
そのままうのみにするのは
いかがなものでしょうか」
手厳しい。
ここで稲田朋美防衛相の発言が、
問題にされる。
南スーダンPKO派遣部隊の
日報を巡る発言。
「『戦闘行為』かどうかについての
稲田大臣の説明も理解に苦しみましたが、
日報を公開するまでの経緯は
ひどいものでした。
こんなに大事な問題に
政府がこれだけ
ずさんな対応をしていながら、
メディアの追及は甘いと
言わざるを得ません」
「このようなメディアと国の不健全な関係は
1930年代の満州事変前後を
ほうふつさせます」
「大変危険な状況であることを、
メディアの皆さんには
認識していただきたい」
「国もメディアも、国民の力を
過小評価してはいないでしょうか」
「安倍首相は『明日はよくなる』といった
趣旨の発言を繰り返す『あすなろ総理』と
いわれても仕方ありません」
あすなろ総理。
「実際に国民によくなった実感はない」
「メディアはいつまでご機嫌とりを
し続けるのでしょうか」
ここで英国、米国の話。
「米英のメディアは
既存勢力を熱烈に支持しました。
英国の大手メディアはEU離脱など
あり得ないと信じ込み、
米国ではヒラリー・クリントン氏の
勝利を疑いませんでした。
裏付けとして彼らの実施した
都合のよい世論調査を公表しました」
「既存勢力にすり寄ったメディアは、
既存勢力とともに敗北を喫しました。
それは、メディアへの信頼が
失墜することを意味します」
だから米国メディアは現在、
トランプ大統領のツイートと
激しい争いをしている。
汚名返上のための「プライド」が、
米国メディアの根底にある。
「信なくして国たたず」
国の「信」を保証するのは
「真」を追求するメディアです。
「それが民主主義の
本道というものでしょう」
「日本の国の将来を決める
ターニングポイントです。
メディアの皆さんは危機感を持って、
腹をくくる時です」
丹羽宇一郎さん、
かなり激しい口調だ。
メディアの中で、
メディアを批判する。
勇気のいることだ。
ジャーナリズムは、
「真実」を追究しなければならない。
腹をくくらねばならない。
あすなろ総理の「やってる感」も、
「真」に表現されなければならない。
〈結城義晴〉
【追伸】
Newsは短いが、
Blogは長い。
恐縮。