帰国間際のChicago観光と「自ら変われ」「自らの陳腐化」
昨夕、帰国しました。
今回はなぜか、疲れた。
ビールやワインを飲むと、
すぐに眠りこけてしまう。
眠ればすぐに、疲れは回復するが、
しかしまた、すぐに疲れる。
下向きてメール上向きて花疲
〈朝日俳壇より 昭島市・宮下龍巳〉
「花疲」は花見に出掛けたあとの疲れ。
「はなづかれ」と読む。
さて、一昨日の夜は、
お別れパーティ。
シーフードとステーキの店。
「McCormick & Schmick’s」
テキサス州ヒューストンに本社がある。
ウェルカムカード。
シックなレストラン。
まずは地元ビールで乾杯。
淡々と食事し、ビールを飲んで、
まずは誕生者を祝う。
それから班ごとに、
代表一人ずつ決意表明。
まず1班は中川康さん。
2班は 岸本貴夫さん。
3班は班長の佐藤淳さん。
4班は葛田達哉さん。
5班は丸川真也さん。
そして6班は中嶌申生さん。
みんな真摯な決意を表明してくれた。
そして副団長の伊藤勉さん。
団長の平塚 善道さん。
私も最後に総括の話。
平和堂のDNAを語った。
そして中締めは、
4班班長の石井史人さん。
みんな、決意にあふれていた。
その後は、シカゴのジャズバーへ。
私は疲れて眠りそうなので、
ホテルに戻って、やはり眠りこけた。
明けて、帰国の日は快晴。
フライトが正午くらいなので、
朝の観光。
まずはアドラー天文台。
そしてミシガン湖畔の眺望を背景に、
全員写真。
それから フィールド自然史博物館。
ミュージアム・キャンパスと呼ばれる、
ミシガン湖岸Lake Shore Drive沿いにある。
そしてミレニアムパーク。
美しい噴水。
「クラウド・ゲート」。
インド人彫刻家アニッシュ・カプーア作。
愛称は「ザ・ビーン(The Bean)」
豆の形をしている。
みんなで写真。
伊藤さんに、私の写真も撮ってもらった。
そんな観光をちょっと楽しんで、
最後の車中講義をしながら、
シカゴ・オヘア国際空港へ。
あっという間に飛び立って、
Chicago上空。
ミシガン湖は雄大な海のようだ。
フライト中は、
映画も見ずに原稿手直し。
12時間後には、
水田が美しい千葉県成田上空。
そして成田空港第2ターミナルで、
解団式。
「自ら、変わろう!」と、
呼びかけた。
さて、日経電子版の経営者ブログ。
IIJ会長の鈴木幸一さん。
「濃淡はあるけれど、
日本の新聞やテレビの
ニュースに触れていると、
国際的な報道はいつも
片隅のような気がする。
欧米に出張すると、米国でも欧州でも、
国際的な報道に大きなスペースが
さかれている」
同感。
「いつの時代も、危機とか、転換期
といった言葉はあふれているのだが、
欧州連合、米国、中国、ロシア、
中東の情勢の片々を知るだけでも、
現在は転換が
雪崩をうつように
生じている時代なのだと
今さらながら感じる」
雪崩を打つような転換。
「その転換の本質を論じるほどの能力は、
私にはないのだが、日本にいると、
そんな状況を見て見ぬふりしている
のではないかと不安になるのである」
だから海外に出るのは有益だ。
「私の専門分野であるITの世界でも
似たようなズレをいつも感じ続けている」
「セキュリティーからクラウド、
IoT、フィンテックなど、
さまざまなキーワードはすぐに流布し、
技術的には、ある程度、
キャッチアップをするものの、
その利用となると、
現実の動きはいつも
遅ればせなのである」
私の専門の流通でも、
それは当てはまる。
「ミーティングの合間に
ニューヨークの五番街を歩いた」
「今や、五番街はユニクロやZARA、
H&M、GAP、BANANA Republic等々、
超高級ブランドに代わって、
すっかり安価なブランドが並ぶ
通りになってしまったようだ」
安価だけでは、
ここではやっていけない。
品質が伴った低価である。
鈴木さんの友人の話。
「それほど高級ブランドでもない
POLOですら
五番街の店は閉じてしまい、
七番街に残るだけ」
その通り。
「ネットが
物販の主流となっている時代だから、
五番街が安売りブランド街になっても
驚くことないよ」
「昔ながらの高級ブランドが
競うように並んで
採算をとっていける時代は、
過去のものだね」
そう、過去のもの。
鈴木さんは欧米の民主主義の危機を語る。
そして結論。
「民主主義の危機とは
次元が違う話かもしれないが、
あらゆることが
変わり続けている時代である」
今日のWeekly商人舎で、
イオン社長の岡田元也さんが語る。
「組織の官僚化と現場の弱体化」
私は「エントロピーの法則」を思った。
もちろんピーター・ドラッカー。
「自らの製品、サービス、プロセスを、
自ら陳腐化させることが、
誰かに陳腐化させられることを防ぐ
唯一の方法である」
民主主義も、
五番街のアパレルショップも、
そしてイオンも平和堂も、
「自ら、変わろう!」である。
つまり求められるのは、
「自らの陳腐化」である。
〈結城義晴〉