商人舎6月号発刊と独型ハイパーマーケット&ローカルチェーン
[Message of June]
一人のお客さまに誠実を尽くせ。
[緊急特別企画]
ベニマル新富岡店の「尊厳」
独白ヨークベニマル大高善興会長
「野越え山越え」の苦歴を語る
「原発避難解除の新富岡店は僻地からの革新への挑戦です」
〔ドキュメント]
ヨークベニマル新富岡店「復活物語」
「灯台になりたい」の思いと「野越え山越え」の精神
そしてCoverMessage。
安倍晋三内閣は5月30日、「第4次産業革命」を目指す成長戦略素案を発表した。その起爆剤となるものは、人工知能(AI)やロボット、そしてビッグデータなどのInformation Technologyである。ただし、このIT領域の急速な変化に規制改革が追いつかない。岩盤規制などを巡る安倍政権の取り組みは、ひどく弱い。それでも2020年まで、日本産業界のIT革命はずんずん進む。わがRetailの世界でも「流通IT革命」は否応なく進捗する。そしてこの問題は、現場任せ、他人任せにしてはならない。マネジメントの根幹を担い、次代を構築する大命題だからである。もちろん、ここには、人手不足や生産性の改革という喫緊の課題も含まれる。変えねばならないことは、速やかに変える。変えてはならないことは、断じて守る。その革命戦略を概観し、見通すことこそ、いま、経営者や幹部に求められている。大久保恒夫、當仲寛哲とともに、「流通IT革命の透視図」を描いてみせよう。
[特集]
流通IT革命の透視図
AI、Big Data、IoT…がRetail Managementを激変させる!!
Paradigm Shift
「鉄人28号から鉄腕アトムへ」
流通情報技術戦略のコペルニクス的転回が迫っている!
[結城義晴]
ここまで来ている!!
小売業のAI活用最前線
コスト・人員削減の“引き算”から
マーケティングの“足し算”“掛け算”の利活用へ[保科篤]
大久保恒夫の「AI流通革命論」
3つの変革と1つの不変
目から鱗!!のシステム戦略論
MODE 2時代のRetail IT
IoTとAIからPlatformづくりまで[當仲寛哲]
第1章 小売業をとりまく最新テクノロジー
第2章 リテールITのMODE 1とMODE 2
第3章 ユニケージシステム導入サクセスストーリー
第4章 コンピュータでないとできないMODE 2
最終章 IT プラットフォームを整える
いい雑誌です。
熟読してください。
さてヨーロッパ。
もう、イタリアのミラノに着いて、
こちらの視察や研修を楽しんでいる。
しかしブログは、
ドイツのフランクフルトの最終日。
まずメトロ・キャッシュ&キャリー。
店長のブリギャーさんにインタビュー。
ドイツ人のインテリらしく、
理路整然と答えてくれた。
そして(株)万代社長の阿部秀行さんと、
三人で写真。
そして全員写真。
店長からもらったカードで入場。
2フロアの広大な会員制ホールセール。
スロープで2階に上がる。
フルラインの総合スーパー。
衣食住全部門が並ぶ。
1階の青果から鮮魚へ。
氷が敷き詰められた売場だが、
その売場には近寄れない。
加工肉、チーズなども、
リーチインケースに並ぶ。
冷凍食品は平ケース。
最も人件費効率を下げ、
省エネ効果もある店づくり。
グロサリーはラックで単品大量販売。
1階の右サイドがノンフーズ。
そしてレジ。
ホスピタリティにもあふれている。
そのメトロのハイパーマーケット。
リアル。
この店も2フロアのフルライン。
ただし会員制ではないし、
ちょっと古典的な総合スーパー。
1階の入り口から、
広大な青果部門。
壁面沿いを魚のリーチインケース。
そして対面平ケースの精肉売場。
最後に冷凍平ケースのフローズン売場。
1階のグロサリー売場も広大。
巨大な売場でディスカウント。
それがハイパーマーケットだ。
1階コーナーには、
円形のプレゼンテーションの、
プロモーション売場。
この店もスロープで2階に上がる。
非食品フルライン。
アパレルも充実させているが、
売れている気配はない。
アルディ、リドルが好調なドイツ。
総合スーパーの巨大店舗で、
ディスカウントを貫徹することは難しい。
そしてもう一つハイパーマーケット。
カウフランド。
リドルと同じシュワルツ・グループ。
この店はリアルを超えていた。
広大なワンフロアだが天井もスケルトン。
青果部門、花部門から始まって、
グロサリーのディスカウント商品が並ぶ。
ドイツではどの店も、
パン売場が充実している。
そして一番奥に、
チーズ、加工肉、精肉、デリカテッセン。
その対面売場が並ぶ。
そして折り返して、
チルドリーチインケースの連続。
これもドイツ人らしく、
省エネルギー。
リーチインケースは、
可視性が高く、
買いやすいし、作業しやすいし、
管理しやすい。
酒売場も広大だが、
それでも木箱を使って、
クォリティ感を出している。
そしてレジ前の冷凍食品売場。
平冷凍ケースがずらりと並ぶ。
レジはハードなデザイン。
ハイパーマーケットの最新型で、
シュワルツグループの面目躍如。
レジ前にはテナントのパン屋。
売場の奥はレストランスペース。
今回の団員たちがランチ。
カウフランドの敷地内に、
ハーレーダビッドソンの店舗がある。
その前にではケータリングサービス。
右側がハンバーガー。
そのドイツのハンバーガーを、
阿部さんと一緒にいただく。
そして4班のメンバーと食事して写真。
野外で食べるドイツのハンバーガー、
実においしかった。
それからレーベの最新店。
市電の車庫を改造した物件。
レーベはドイツ2番手の
スーパーマーケット・チェーン。
もともと購買協同組合。
その連合会のような組織。
天井が高くて、ガラスで外光が入る。
壁面にも大きな窓。
この店で初めて見た、
サラダバー。
青果部門が広いし、品ぞろえ豊富だ。
バナナもご覧の売り方。
天井は高いし、
解放感満点。
店舗左サイドが、
精肉、加工肉、チーズ、デリカテッセンの
対面売場。
グロサリーは、
オーソドックスな店同様に、
ゴンドラ陳列だ。
酒も量販する商品は、
単品大量陳列だが、
高級品は木箱に入っている。
レーベのPBのBIO。
そしてハイ&ロー。
アルディ、リドルなどが、
エブリデーロープライスだから、
逆に新鮮に映る。
レジも天井が高くて
快適な店にふさわしいサービス。
スーパーマーケットの、
ナショナルチェーンも、
どんどん進化している。
一方、ローカルチェーン。
アルナテューラ。
98店を展開する、
ナチュラルスーパーマーケット。
当然BIOが中心。
天井はこんな具合で、
快適。
中央にオーガニックの青果部門。
そして右手が対面売場で、
パン、サンドイッチ、コーヒー販売。
薄緑の什器で
オーガニック商品中心の販売。
店舗左サイドは、
ヘルス&ビューティケア。
そして出口にボタン。
今日の買い物評価をしてもらう。
ナチュラルの店に続いて、
環境対応9店舗。
テーグート。
現在はスイスのミグロス傘下だが、
ドイツに290店を展開する。
入口から右サイドに、
イートインコーナーと、
コーヒー&パンの対面売場。
そして入口を入る。
天井はスケルトンで、
最新形。
青果はクレート陳列。
ドイツではどの店でも、
青果のクレートが目立つ。
産地で収穫のときに、
クレートに積み込む。
それをずっと流通段階で使う。
だから社会システムとしての、
一貫性が保たれ、
トータルに効率が高まる。
省エネと環境に対応した店。
リーチインケースが主役だ。
パンの売場の機能的なイメージ。
奥壁面沿いは対面の平ケース。
レジと対面売場にしか、
人は配置されない。
入口のレジとその対面売場に人がいて、
人がマグネットの役割を果たす。
それだけドイツでも人手不足なのだ。
対面売場の前の平冷蔵ケース。
蓋があるケースで熱効率がいい。
ゴンドラもハードなイメージで、
環境問題はハードウェアによって、
実現されることがよくわかる。
ローカルチェーンでも、
テグートやルナテューラのように、
しっかりと個性を発揮する。
ナショナルチェーンは徹底した合理化。
それがドイツの小売業だ。
ドイツをたっぷり学んで、
フランクフルト国際空港。
タラップを登って、
ルフトハンザに乗り込む。
上空から見るドイツの国土は、
森と畑、そして街と道路。
アルプス山脈を越える。
1時間10分ほどで、
イタリア・ミラノ空港。
まるで東京・大阪間のような、
EUの国際移動。
それでいて、
大きく文化が異なる。
イタリアでは、
ドイツと正反対の哲学が待っている。
それを学ぶ。
(続きます)
〈結城義晴〉