ホールフーズとトレーダー・ジョーの大変化!! それは何か?
日本では次々に、
第1四半期決算が発表されている。
イオンが過去最高の過去最高の増収増益、
セブン&アイも増収増益で利益は過去最高。
しかし、両者ともに、
総合スーパーを見る限り、
まだまだです。
さてダラスにやって来て2日目。
朝8時から10まで講義。
イオンリテール7度目の視察研修。
今回はほとんどの商品部から参加しているので、
商品問題を語り続けた。
講義が終わると、店舗視察へ。
まず、スーパーマーケット。
昨日も訪れたが、
クローガー。
マーケットプレース。
イオンは、ウォルマートよりも、
むしろクローガーに似ている。
私はそう考えている。
M&Aで企業スケールを大きくしてきた。
だからウォルマートからも学ぶが、
クローガーからも学ぶ。
オーガニックとローカルが、
どんどん充実してきた青果部門。
チーズも豊富な品揃えで、
テキサスにいながら、
ニューヨークチーズを楽しむことができる。
乳製品部門は広大な売場を持つ。
そして中央通路のこの長さ。
この2年ほど実験的に導入する、
アパレル売場。
以前のマーケットプレースでは、
家具を品揃えしていた。
しかし売上げも上がらず、
顧客の支持も少ない。
そこで衣料品の方が、
食品とは親和性があると考えて、
アパレル売場を導入。
しかしうまくいっているとは思えない。
それでもこの部門が、
まっとうにならなければ、
ウォルマートの対抗フォーマットは、
完成しない。
クローガー、悩んでいる。
一方、ホールフーズマーケット。
ここではinterview。
マーケティング担当のアシュレーさん。
日系のクォーター。
つまりおばあさんが日本人。
沖縄の人。
実に明快に、丁寧に、
40分も質問に答えてくれた。
最後は私の質問。
「ホールフーズがアマゾンに買収されたが、
あなたはどう思っているか」
きっぱりと言い切った。
「アマゾンはベストパートナーです。
とてもよかった」
すばらしい。
ホールフーズの現場は燃えている。
そうしてみると、
店も輝いている。
バーベキュー売場で、買物。
アシュレーさんは、
店内を巡りながら、
1時間以上も相手をしてくれた。
感謝したい。
そしてトレーダー・ジョー。
いつも変わらぬトレーダー・ジョーらしさ。
しかし、変わった。
チャールズショーが値下げ。
カリフォルニアで2ドル49、
他の州で2ドル99セントだった。
それを1ドル99セントに下げた。
もともと「2ダラー・チャック」と呼ばれた。
つまり2ドルのチャールズショー。
全国的に、その原点に戻った。
そういう意味だろう。
しかし、理由は、
「A billion bottles sold!!」
10億本売上記念の値下げ。
10億本も驚いたが
1ドル値下げも大いに驚愕した。
食品関係が終わると、
ノンフードの視察。
まずコルトンプライアショッピングセンター。
スーパーリージョナルショッピングセンター。
その中央コンコースのぶつかったところに、
「EAT」のコーナー。
リージョナルショッピングセンターでも、
食品や飲食を拡大。
重要なトレンドである。
それからメリーゴーランド。
このエンターテインメントも、
スーパーリージョナルショッピングセンターには、
必須となってきた。
そしてシアーズ。
人っ子一人見かけられない。
JCペニー。
ちょっとだけ回復したが、
まだまだ生存すら危うい。
この売場を見ればわかる。
地方百貨店のディラード。
クリアランスセールを展開中。
こんな売り方だ。
そして王者メイシー。
このところの業績は、ちょっと厳しい。
しかしアメリカ最大の百貨店として、
売場づくりに余念がない。
そしてノードストローム。
今や最も信頼された百貨店。
店内の床を大幅に改装中。
それでも営業は続けているし、
KonoSCの核店の中では、
最も多く顧客を集めていた。
最後にディックス・スポーティンググッズ。
5つの核店舗の核店舗の中で、
この専門大店だけが、
快調に顧客を集めている。
ここまではスーパーリージョナルショッピングセンターの核店を紹介してきた。
しかしこの後はパワーセンターの店々。
まずノードストロームラック。
ノードストロームのノーマル百貨店が、
売れ残したアイテムなどを、
1カ所に集めて、
おおざっぱな分売りをして販売する。
しかし夏休みに入ったこの時期、
子供靴売場はこの乱れ様。
そしてラストコール。
超高級百貨店ニーマンマーカスの、
オフプライスストア。
ディスカウントフォーマットながら、
この優雅さとプレゼンテーション。
百貨店のラック業態の後は、
マーシャルズ。
オフプライスストア第1位のTJX。
その一つのバナーがマーシャルズ。
機能も似たけれど、いい感じの店だ。
チューズデー・モーニング。
「火曜の朝」というバナー。
この店もノンフードのオフプレイスストア。
そしてオフブロードウェイシュー。
靴のオフプレアイスストア。
ブランド靴が圧倒的に安い。
怖ろしい時代になってきた。
本物が安く売れれる時代。
そうすると偽物は一気に売れなくなる。
チェーンストアのプライベートブランドは、
その代表商品だから、
シアーズやJCペニーのあの体たらく。
クローガーのアパレルなど、
「だれが買うのだろう。
いや、買いはしない」
英会話の教室のようになってくる。
怖ろしいけど、わかりやすい。
鍵は「本物を知った顧客たち」
怖ろしいけど、いい時代だ。
(つづきます)
〈結城義晴〉