セブン-イレブンのGOT機能改革とイオン記者懇談会の「醒めた知」
チェーンストア産業の最新ニュースを、
毎日、私の視点で分析報道。
このブログとともにご愛読ください。
その今日のSuperNewsの中で、
セブン-イレブンnews|
発注端末GOTにカメラ機能内蔵して2つの現場改革
セブン-イレブンらしく、
現場改革にフォーカスしていて、
とてもいい。
セブン-イレブンの情報システムは、
第6次までに分けて、
変遷を辿ることができる。
第1次システムは、
1978年~1982年。
まず1978年8月に、
発注端末機「ターミナル7」の導入開始。
日本電気(株)との共同開発だった。
懐かしいなあ。
私がこの業界に入った翌年だった。
この1978年の1月に、
(株)ヨークセブンという社名から、
(株)セブン-イレブン・ジャパンへ。
システム面のターミナル7は、
発注番号のバーコード化と、
商品台帳兼発注表の作成をしてくれた。
発注業務がコンピューター化され、
会計処理の面で、
ターン・アラウンド方式が可能となり、
精度と効率は大幅に向上した。
ターン・アラウンド方式は、
注文データを先行記録とする仕組みだ。
第2次情報システムは、
1982年~1985年。
1982年10月に、
TC(ターミナルコントローラー)と、
POSレジスター導入開始。
11月には、発注端末機EOBの導入開始。
EOBはエレクトリックオーダーブック。
第3次は1985年~1990年。
1985年5月、
グラフ情報分析コンピューターの導入。
販売データがグラフで表示できるようになった。
さらに1985年8月、
双方向POSレジスターの導入開始。
第4次は1990年~。
ここで、1990年9月、
GOT(グラフィックオーダーターミナル)、
ST(スキャナーターミナル)、
SC(ストアコンピューター)の導入開始。
さらに1991年4月には、
ISDN(総合デジタル通信網)の導入開始。
1992年3月には、
新型POSレジスター導入。
第5次は1996年~。
1996年11月に、
ネットワークシステムと、
発注・物流・取引先システムの導入開始。
衛星通信とISDNを統合した、
世界最大規模のネットワークを構築。
営業部門約1500名全員に、
携帯パソコンを配備。
オープンアーキテクチャへ全面移行。
1997年5月、
「グループウェアシステム」の導入。
1997年6月、
「マルチメディア情報発信システム」導入。
そして第6次情報システムは、
2003年~。
2003年7月、「会計システム」の導入開始。
伝票、帳票のペーパーレス化と、
データの電子保存によるコスト削減。
2004年11月、
「ネットワークシステム」の導入開始。
店舗ネットワークを光ファイバーに統合。
2006年3月、
「マルチメディア情報発信システム」導入。
店内LANの無線化によって、
売場で商品情報・POS情報の参照実現。
2006年5月、
「店舗システム」の導入。
「日本語入力キーボード」を新設し、
店舗内コミュニケーション・情報共有促進。
2006年7月、
「本部情報システム」の導入開始。
大規模データベース活用によって、
マーチャンダイジング情報が充実。
2006年11月、
「POSレジスターシステム」の導入。
国内初となる非接触ICカード、
“マルチリーダーライター”を搭載。
そしてこのたびのGOTのカメラ内蔵。
徹底して現場改革を志向する。
AIロボットなど開発して、
話題づくりするだけの発想などない。
それがセブン-イレブンの真骨頂だ。
この現場発想がある限り、
セブン-イレブンも大丈夫。
Practice comes first!
さて今日は、朝から、東京・御成門。
(株)True Dataへ。
カスタマー・コミュニケーションズ(株)が、
社名変更した。
ヨークセブンから、
セブン-イレブン・ジャパンに変更して、
飛躍したように、
True Dataとして飛翔してほしい。
キャッチフレーズは、
「見えない真実を、
見に行こう」
私の名刺も変わった。
よろしくお願いします。
午前中で役員会が終わって、
一度、横浜商人舎オフィスに戻る。
ふたたび、京浜急行から、
東武線に乗り換えて、
埼玉県の草加駅へ。
高野保男さんと会って、
月刊商人舎8月号のインタビュー。
1時間ほど中身の濃い話を聞き、
意見交換して、東京へ戻る。
お堀端のパレスホテル東京。
イオン㈱記者懇親会。
関東圏のマスコミが揃った。
イオングループの全トップマネジメント。
それにイオンの浴衣を着た女性たち。
トップバリュの商品を使ったメニュー。
そのトップバリュのパネルなどが、
私たちを出迎えてくれた。
2012年のイオンの意見広告。
「イオンの安さには、
正当な理由と、
変わらない理念があります。」
午後7時きっかりに、
岡田元也イオン社長の挨拶。
ひとこと一言、考えながら、
淡々と語った。
システムズアプローチの考え方で、
長期計画をつくっていること。
トランスフォーメーションを、
志向していること。
そのために「耐えること」と、
「厳密であること」
私にはビンビンと伝わるものがあった。
商人舎magazine、
あるいは月刊商人舎で再現しよう。
その後の懇親では、
岡田卓也名誉会長と、
延々と話した。
「椅子に座ってください」
私はそう言ったが、
ずっと立ちっぱなし。
肉もモリモリ食べて、
元気そのもの。
大正14年生まれの92歳。
化け物級。
その中でも、
一番の化け物級。
安倍晋三首相から、
岡田元也社長までの評価。
ここでは書きませんが、
ズバリズバリ。
つまり頭が働いている。
脱帽。
来年の商業界ゼミナールで、
基調講演をすることを報告したら、
「聞きに行くよ、近いから」
ありがとうございます。
その後、
岡崎双一イオンリテール社長、
横尾博取締役会議長、
柴田英二商品担当、
三宅香環境・社会貢献・PR・IR担当。
さらに西松正人イオンリテール副社長 、
井出武美南関東カンパニー支社長。
西松さんとは、
6月に米国にご一緒して以来の懇談。
同じ釜の飯を食った仲。
石井俊樹カスミ社長、
福永庸明イオンアグリ創造(株)社長。
ほかにも多くのトップと話した。
時間は圧倒的に足りない。
最後に岡田元也さんに声をかけた。
「いいスピーチでした」
私には、ビンビンと感じるものがあった。
1時間半ほどの懇親を終えて、
最後はいつものメンバーで二次会。
日経新聞社の白鳥和生さんと
商人舎の松井康彦さん。
アドパイン代表。
お疲れ様でした。
最後に「折々のことば」823回。
音楽は……融通無碍に
いろいろな方向に
人を引っ張り込む
力をもつ
危険な存在である
(渡辺裕『音楽は社会を映す』から)
「ベートーヴェンの『第九』は、
ドイツの労働者運動でも
ナチスの宣伝活動でも、
東京帝大の出陣学徒壮行大音楽会でも
戦後民主化の『うたごえ運動』でも、
論理を超えて人々の感情を攫(さら)う
媒体として絶大な効果を発揮した」
「昨今のような“感動”や“怒り”の
『大安売り』の時代には、
その効果を制御しうる
醒めた知を鍛えねば」
「醒めた知」こそ、
トップマネジメントに必須のものだ。
化け物級の岡田卓也さんに、
一番、それを感じた一日だった。
〈結城義晴〉