米国ホリデーシーズンのウォルマート「Party作戦」
10時20分のANA110便。
ニューヨークのJFケネディ空港に向けて、
東京・羽田空港国際線から飛び立った。
東京湾に陽が射して、美しい。
今日はニューヨークまで一人旅。
関東平野は広い。
その広い関東平野の向こうに、
かすかに富士の姿が見えた。
雲の上にうっすらと浮かび上がる。
すぐに白い雲に覆われる。
ほぼ12時間。
今年最後の海外出張。
そのアメリカでは、
ホリデーシーズンに向けて、
大々的なプロモーションが、
もうスタートしている。
ホリデーシーズンとは、
11月第4木曜日の感謝祭から、
クリスマスまでの1カ月間。
だから今、
「早仕掛け・際の勝負」
真っ最中。
まず何といっても、
ウォルマート。
店舗でパーティーを開く。
「パーティー作戦」
これが今年のプロモーションの核。
先週土曜日の11月4日には、
オモチャのパーティー。
子どもたちを人気の玩具で遊ばせた。
サンタクロースと一緒に写真も撮った。
12月2日には、
エンターテインメントのパーティー。
16日には人気ギフト商品のパーティー。
また、ホリデー期間中には、
よく売れる玩具や家電の売場に、
アシスト従業員を配置する。
さらにサイト・トゥ・ストアの、
ピックアップカウンターは、
増員して対応する。
そのウォルマート・コムの品揃えは、
昨年比で3倍に増えている。
ウォルマート専売商品も増加。
ライバルのターゲットは、
アパレル、ビューティ、家電などに
専任社員を配置して、対面販売する。
さらに今年のホリデーには、
新プライベートブランド8ラインを投入。
ターゲットはオンライン販売において、
無料配達を受けるための、
最低購入額限度をなくす。
家電のベスト・バイも、
無料配達限度額を廃止。
一方、ウォルマートは、
35ドルの最低購入額をそのまま維持する。
強気の商売だ。
アマゾンはディスカウント作戦徹底。
「Deal」と言う。
人気の玩具や家電、ホームグッズが中心。
さらにプライム会員サービス強化。
「アマゾン・キー」の留守宅配達をする。
ジュニアデパートのコールズは、
割引クーポンを増加作戦。
古典的手法でこちらもちょっときつい。
コールズは感謝祭の当日、
夕方5時から開店して、
ブラック・フライデー・セールをスタート。
このスタート時間は、
年々早まるばかり。
各社、様々な企画を打ち出して、
ホリデーシーズンに突入する。
しかし全体のトレンドは、
「早仕掛け」
⇒「際の勝負」
それから、
⇒「早仕舞い」
⇒「早仕掛け」
そのアメリカの10月の失業率。
9月に4.2%だったものが、
4.1%に0.1ポイント減少。
かつては二桁だった。
失業者総数は650万人で、
1カ月で33.1万人減。
農業従事者以外の就労者数が26.1万人増。
今年1月からの失業者総数は、
110万人減って0.7%ダウン。
27週間以上失業している長期失業者数は、
160万人で、総数の24.8%を占める。
しかし、それでも9月からは10万人減。
労働参加率は62.7%。
産業別の雇用数の1カ月の増減。
小売業はマイナス8300人、
卸売業はプラス5700人。
製造業はプラス2万4000人。
情報産業がマイナス1000人。
レジャー産業はプラス10万6000人。
小売業はこの後の11月12月には、
ホリデーシーズンで増加する。
ドナルド・トランプ大統領。
日本から韓国へ。
その後、中国から、
ベトナム・フィリピンへ。
10日・11日はAPEC首脳会議。
ベトナムで開催される、
アジア太平洋経済協力会議。
そのあと、フィリピンでASEAN首脳会議。
米・東南アジア諸国連合の首脳会議。
トランプ大統領の東アジア歴訪は、
11月3日から14日の12日間。
私のアメリカ滞在は、
11月7日から17日の11日間。
エアフォース1ではないけれど、
ANAも快適だ。
しかし、なんだかんだ言われつつも、
そして国内政治でも問題噴出だが、
アメリカの産業界は、
勝手にイノベーションを成し遂げて、
好調に推移している。
そのアメリカ合衆国の消費者は、
ホリデーシーズン直前で、
期待感にあふれている。
〈結城義晴〉