結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年01月05日(金曜日)

「寒の入り」の年頭所感と鍵山秀三郎「志の定義」

1月5日、寒の入り。
二十四節気の「小寒」。

暦の上で寒さが、
最も厳しくなる時期の前半。

このあと、1月20日が「大寒」。
寒さが最も厳しくなるころ。

二十四節気は、
1年を24に分ける。

だから15日刻みとなる。

今日の日本列島は、
寒さが厳しかった。

それから関東では、
地震が起こった。

毎日新聞巻頭コラム「余録」
「去年より金銀の流通あしく、
諸商売甚(はなは)だうすし。
質屋休み多し。……人心安からず」

慶応4年(1868年)正月の江戸風景。

金融流が悪い。
商売はみな薄い。
質屋まで休みが多い。
人心も安らかではない。

ちょうど今から150年前。

「その7月に東京へ改称、
9月に明治改元となる」

つまり明治維新。

18世紀以降の江戸時代の人口は、
3000万人の大台を上下していたが、
明治4年の日本の人口は約3480万人。

その人口は1900年に4384万人、
1967年に1億人を超え、
2008年の1億2808万人がピーク。

明治維新から150年後の今、
1億2670万人。
(2017年12月1日現在の概算値)
前年同月比マイナス22万人(0.17%減)

余録。
「今、人口のピークを越えた私たちが
目ざすべき文明は坂の上の空にはない。
試されるのは、内なる成熟から
未来を開く大いなる知恵である」

何とも抽象的。

月刊商人舎2017年11月号は、
免税商売に覆われていく日本
2020年!! 1億6000万人のMarketing
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この危機を乗り越えるために、
外国人観光客を「短期移民」ととらえる。
デービッド・アトキンソンさんの考え。
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国力とは「人口」である。

EUでドイツが経済力があるのは、
やや短絡的に言えば、
ドイツが一番人口が多いからだ。

日本も人口を増やさねばならない。
そのとき「短期移民」は意味がある。

私も賛成。

そのとき日本の小売サービス業は、
それに貢献することができると思う。

各社の年頭所感が発表されている。
小売業はセブン&アイ・ホールディングス。
井阪隆一社長のメッセージ。
今年、二つの点に力を注ぐという。

「第一に、先進的なITとリアル店舗を
一体化したサービスの創出です」

現在、セブン&アイは、
1日に2200万人の顧客を持つ。
セブン-イレブンの貢献が圧倒的に大きい。

今春、その第一弾として、
「新たなアプリの提供をスタート」。

さらに、
「デジタル戦略の新組織を立ち上げる」

「第二に、リアル店舗の接客、売場、商品
といった基本的なコンテンツに
さらに磨きをかけていきます」

代り映えしないがこれは、
小売業が提供する価値の基盤となる。

「100年に一度という変化に
対応を図らなければ
生き残ることはできません」

井阪さんの危機感は強い。

日経新聞に三菱商事の垣内威彦社長。
「人類が火を見つけたような
強烈な産業革命下に入っている」

「若手や中堅社員は成長の芽を伸ばし、
収益の柱に成長するような構想力を
養ってほしい」

「構想力」。
なるほど。

三井物産の安永竜夫社長。
「既存の枠組みを根底から覆す変化のなか、
常識や慣習にとらわれない『個』を
徹底的に強化する」

「個の強化」。

資生堂の魚谷雅彦社長兼CEO。
「人材開発力の強化や社員の多様化で、
イノベーション創出につなげる」

資生堂は「人材開発と多様化」

私は「志」だと思う。

鍵山秀三郎さんの「一日一話」。
PHP研究所から発刊されている。
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「志の定義」。

「一つは、『志』に向かって
行動していく過程で、
人を感動させることができているかどうか」

「もう一つは、みずからも感動しつつ、
それを継続できているかどうか」

「この二つがないと、
『志』とは言えないと思います」

「感動」――これも大事。

「志」と「欲望」について。

「志とは、高い山のように
はるかかなたにあって、
簡単に手にすることが
できないものでなければなりません」

「しかも、志に向けて
努力するそのことが、
自分自身のためになるばかりでなく、
社会のためにもなり、
国家のためにもなること」

「自分ひとりだけのためになることは、
『志』ではなく、単なる『欲望』だ」

100年に一度の変化、
人類が火を見つけたような革命、
既存の枠組みを根底から覆す変化。

そんな時こそ、
変わらない志が必須だと思う。

〈結城義晴〉


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