マススタート&カーリングの「女子力」と改装の「カ・カタ・カタチ」
平昌冬季オリンピック。
もう最終段階。
あと1日。
やりました。
意外な競技、
スピードスケート・マススタート。
高木菜那が女子の部で金メダル。
チームパシュートに続いて、
2つ目のゴールドメダル。
今大会から始まった新種目。
決勝は16選手が一斉にスタート。
400mトラックを16週する。
スタート後は牽制し合って、
ゆったりしたペース。
なんともスリリングな種目。
高木那奈は残り1周の時点で、
2番手につけていた。
最後のカーブで内をついて、
トップをとる。
絶妙の仕掛け。
そのままトップスピードでゴールに向かう。
そして見事、トップ。
まるで競馬や競輪のレースの、
武豊や中野浩一のような勝ちっぷり。
初代五輪王者。
妹の高木美帆が注目を浴びていたが、
姉の高木那奈が最後に輝いた。
おめでとう。
ありがとう。
もう一つは、
カーリング女子。
冬季五輪の初めの時期から終わりまで、
テレビ画面を独占して、
銅メダル。
日本代表はLS北見。
最後のゲームでイギリスに5対3。
実に劇的な展開だった。
第9エンドを同点で迎えたが、
日本代表は不利な先攻で、
1点をスチール。
そして第10エンド。
英国は逆転を狙ってスキップの最終投。
その狙いが外れて、日本が1点を獲得。
勝利を決めた。
塩野七生の言葉を思い出した。
「ローマ人の物語」より。
「勝利とは、
自ら勝ち取るものではない。
相手に恵んでもらうものである」
藤沢五月の真剣な目つきは印象深い。
こちらも、
おめでとう。
ありがとう。
日本の女性アスリートの、
「女子力」が光った。
おかげさまで、
どんどん読者が広がっています。
ありがとうございます。
昨年秋から今日までのニュースの傾向。
とにかく「改装」が多い。
流通SuperNewsのページの右上のほうに、
[検索]の窓がある。
そこに「改装」という言葉を打ち込むと、
画面は変わって、
改装の事例が
ズラリと並ぶ。
2月の流通SuperNewsの「改装」。
フジnews|
フジグラン旗艦2店「岩国店」「高知店」食強化で3/1
ライフnews|
東のライフ板橋前野町店・西のライフ野田店3/1改装
髙島屋news|
旗艦「大阪店」婦人服&ゴルフ売場中心に3/1改装
東急news|
「中央林間スクエア」3/28オープン/地域密着SCに改装
ユニーnews|
ダブルネーム「MEGAドン・キホーテUNY」 3月に5店舗
フジnews|
フジグラン広島(3万㎡)食料品売場から順次改装
マツキヨnews|
豊橋駅カルミア店/東海エリア初のマツキヨラボ併設
フジnews|
フジ井口店(2層1137坪)2/19に25年ぶり改装
サミットnews|
氷川台駅前店(564坪・30億円)新MD導入で2/22改装
イズミヤnews|
デイリーカナートイズミヤ山田西店(359坪)2/21改装
イオンモールnews|
2019春「イオンモール東浦」(愛知)新棟増設で増床開業
紀ノ国屋news|
東京駅2店目「紀ノ国屋アントレグランスタ店」オープン
良品計画news|
「無印良品イオンモール堺北花田」世界最大で3/20改装
イオンモールnews|
「堺北花田」デイリーユース特化改装で3/20オープン
成城石井news|
2/17アトレ川崎北側改札内店(29坪)開業
イズミnews|
西友からの経営権取得で「ゆめタウン下松&姫路」今秋
天満屋ストアnews|
「天満屋ハピータウン岡北店」2/23前面改装開店
イトーヨーカ堂news|
アリオ葛西第2弾改装で700席「@ダイニング」開設
ユニーnews|
ドンキとのダブルネーム第1号「大口店」2/23
三越伊勢丹news|
第3Q 基幹店牽引し売上高2.3%増/13%増益
以上、ここへきて、
店舗リニューアルが多いことが、
よくわかる。
月刊商人舎2017年05月号
【ケーススタディ特集】
旗艦店×改造
雑誌をとっている方はもう一度、
ページをめくってほしい。
IDを持っている人は、
パソコンやスマホで復習してほしい。
CoverMessageから。
会社を象徴する
旗艦店舗のリモデリングは、
深刻な人手不足や
建築費高騰をはじめとする
六重苦の小売産業に、
不思議な福音をもたらす。
単にその店の売上げや利益が
向上する以上の
精神的・構造的・先導的インパクトを
組織に与えるのである。
店舗改装は、
そこに働く人たち、
そこに買物に来てくれる人たちに、
精神的・構造的・先導的インパクトを
組織に与える。
そしてこの号の[Message of May]
「カ・カタ・カタチ」の福音を聴け。
「カ・カタ・カタチ」論。
建築家・菊竹清訓の持論。
IEの巨人・城功の考え方。
「カ」は最も根源的なもの。
経営理念や社会的使命、
わが社のビジョンやコンセプト。
「カタ」は「カ」を実現する手段・方法。
たとえばわが社らしい技術、仕組み、
特有の組織とヒューマンリソース。
そして「カタチ」はできあがった成果物。
たとえば完成された商品、売場、
たとえば旗艦店舗、フォーマット。
しかしカタチの真似ばかりが横行する。
優良店を訪れても写真ばかり撮りたがる。
カタチの真似しかできないからだ。
本来、カタがなければカタチはできない。
カがなければ、カタもカタチもない。
そしてカは独自のものでなければならぬ。
カタは「学ぶ」ことができる。
それを学ぶ時には「真似る」から始まる。
カタを学ぶには時間がかかるし根気もいる。
しかしそれを十分に学び取ったうえで、
今度は「カタ破り」をする。
それがイノベーションだ。
カタを顧みずに新しさだけを求め、
あるいは思いつきに走るならば、
それは「カタ無し」になる。
旗艦店にはカタチがあるし、カタがある。
そしてもともとカが備わっている。
「カ・カタ・カタチ」の象徴が旗艦店である。
だから旗艦店改造のときには、
カタチをつくりつつカタとカを確認する。
カから発してカタを使い、カタチを生み出す。
仕事の改革手順はカ・カタ・カタチである。
フラッグシップのリモデリングも、
「カ・カタ・カタチ」でなければならない――。
カ・カタ・カタチ。
頻発するすべての改装事案に、
この考え方がなければならない。
もちろん新店開発のときにも、
フォーマットの考案の際も。
そしてウィンタースポーツの、
パシュートもマススタートも、
カーリングも。
学び方、上達の仕方は、
カ・カタ・カタチによるものだ。
カはビジョンやコンセプト。
カタはそれを実現させる手段や方法。
カタチはその結果生まれる成果物。
それが金メダルや銀・銅メダルとなる。
おめでとう。
ありがとう。
〈結城義晴〉