成田緑夢「金メダル」と18回ドラッグストアショーの「若さ・勢い」
平昌冬季パラリンピック。
やりました。
成田緑夢(グリム)選手。
スノーボードの新種目、
「バンクドスラローム」
自然の地形を利用して作られたバンクを、
3回滑ってタイムを競う。
成田はその3回ともに記録を短縮。
金メダルを獲得して、
この種目の初代チャンピオン。
1歳のときからスノーボードで滑った。
トランポリンやフリースタイルスキーでも
その才能を発揮した。
しかし19歳のとき、
自宅でのトランポリン練習中に、
大怪我を負ってしまう。
左足の膝から下に麻痺が残った。
それでもアスリートとして復活。
パラ競技の魅力を語る。
「選手一人一人に、
障害があるからこそ
ストーリーがある」
金メダルおめでとう。
さて昨日の日経新聞「企業欄」
「ドラッグ店 際立つ成長」
日本チェーンドラッグストア協会の調査。
「2017年度の売上高は、
6兆8504億円となる見込み」
17年連続のプラス成長。
2年連続で百貨店を凌駕した。
「特に食品の売上高が1兆5500億円で、
前年度比8.5%増と大きく伸びた」
私はスーパーマーケットよりも早く、
「ドラッグ&フード」のフォーマットを、
確立したからだと見る。
「売上高成長率は前年度比5.5%増」
この伸び率はコンビニより高い。
「粗利率の高い医薬品や化粧品で収益を確保し、
日用品などを安値で販売するモデルが、
成長の原動力だ」
いや、いまや、
食品ディスカウンターであることが、
その成長の理由の一つだ。
ただし、価格で引っ張った顧客は、
価格で去っていく。
価格競争はイタチごっこだからである。
日経の記事には、事例が挙げられている。
福井地盤のGenky DrugStores。
生鮮食品を取り扱う店舗は現在、約90店。
今年18年12月までに約210店に広げる。
ほぼ全店でドラッグ&フードを展開する。
生鮮を品揃えすると売上高は25%増える。
九州地盤のコスモス薬品。
食品の売上構成比が約56%。
こうなるとフード&ドラッグである。
ウエルシアホールディングス。
公共料金などの収納代行サービスを、
全店で始める。
これはコンビニの業務領域だった。
弁当・惣菜販売の店舗も、
現状の約4倍の600店規模に拡大するし、
24時間営業店舗は、
現状の3倍超の400店に増やす。
ただし、生鮮食品などは、
ロス率が高いし、粗利益率が悪化する。
「市場が成熟してくれば、
同業間で業態が同質化する恐れ」もある。
クリエイトSDホールディングス。
広瀬泰三社長の発言。
「以前は食品の取り扱いが特徴になったが、
今はどこでもやっている」
マツモトキヨシホールディングス。
新型店「マツキヨラボ」は現在、約10店舗。
それを早期に50店に広げる。
これは健康・美容関連のサービスを強化し、
コンサルティングセールスをする店だ。
ドラッグストアの強みは、
その名の通り、医薬品である。
この商品群の販売には資格がいる。
薬剤師または登録販売者。
その確保が競争の分かれ目でもある。
コンビニ三番手のローソンは、
従業員の登録販売者試験対策を支援する。
21年度末までに現在の5倍の900店で、
医薬品を扱う計画だ。
つまりドラッグストアが今度は、
攻められる側にも回る。
2014年には大揉めの末、
インターネット通販での、
一般用医薬品(大衆薬)販売が解禁になった。
Amazonとの闘いは、これからだ。
そして昨日、日経の記事が書かれた理由がこれ。
第18回Japanドラッグストアショー、本日開幕。
夜6時から、レセプションパーティ。
まず実行委員長の富山浩樹さんが、
実にしっかりしたスピーチ。
サツドラホールディングス(株)社長、
41歳はちょうど私の二回り下の辰年。
若い実行委員長だ。
富山さんは「産業を超える」という話をした。
先の日経の記事のように、
業態を超えて、競争が激化する。
私は富山さんが、それを、
強く認識しているのだと思った。
彼は様々な事業にチャレンジする。
それは競争激化とともに、
事業領域が無限に広がっていく予感が、
あるからに他ならない。
そのあとは、青木桂生さんの挨拶。
日本チェーンドラッグストア協会会長で、
(株)クスリのアオキ会長。
来賓の挨拶は、
経産省の林揚哲流通政策課課長。
ドラッグストアも「A」の頭文字の、
2つの巨大企業と競争する、とスピーチ。
もちろんAmazonとAlibaba。
例年、このあと政治家たちが、
40分以上もスピーチをするが、
今回は一切それがなくて、
ほんとうによかった。
「森友問題」が第二の佳境を迎えていて、
それどころではないのかもしれない。
この問題には「官僚」も巻き込まれていて、
林課長もちょっと複雑な登壇だっただろう。
そのあとは懇親。
まず(株)プラネットのお二人。
玉生弘昌会長と田上正勝社長。
その玉生さんと一緒に、
富山睦浩サツドラ会長を挟んでポーズ。
富山さんからは、
月刊商人舎の誌面づくりに、
注文をいただいた。
ありがたいことだ。
熱心な愛読者だからこその注文。
検討します。
壇上では感謝状の贈呈。
富山実行委員長から松井秀夫さんへ。
大木ヘルスケアホールディングス(株)会長。
その松井さんを挟んで、
ふたたび玉生さんと写真。
松井さんのコメント。
「長年やっているとこういうこともある」
結城「それが社会貢献です」
松井「社会貢献は大木の社是でもある」
結城「商人舎も社会貢献は社是です」
中締めは杉浦伸哉副実行委員長。
(株)スギ薬局常務取締役。
こちらは38歳。若い。
中締めの後も、
根津孝一(株)ぱぱす会長と握手。
電通OBの土井弘さんの話になった。
そして富山浩樹実行委員長。
素晴らしかった。
最後の最後はこの人、宗像守さん。
日本チェーンドラッグストア協会事務総長。
ドラッグストア産業6兆8504億円も、
宗像さんの貢献が大きい。
宗像さんはずっと、
「10兆円産業」を謳っている。
2002年3月に発刊されたのが、
「セルフメディケーションが日本を救う」
宗像守著、(株)商業界刊。
当時の私は商業界取締役編集担当。
販売革新編集長を兼務していて、
この画期的な本の編集責任者だった。
サブタイトルにあるのが、
「少子高齢化時代の健康国家づくりと
医療費軽減を両立するシステム」
そしてこの本から、
日本のセルフメディケーションは、
本格的に始まったのだった。
想い出深い。
いま、健康国家づくりを担う、
ドラッグストア産業のリーダーたちは若い。
世代交代が進んでいる。
それこそが産業の勢いと若さを意味している。
〈結城義晴〉