結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年05月31日(木曜日)

「誰かが読んでくれているから、書いている」

月末です。

今日は一日、
横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎6月号の入稿、
それからアメリカのテキストづくり、
さらに流通SuperNewsの原稿チェック。

月末だから雑誌など届く。
IMG_4886.JPG8
「Harvard Business Review」は、
渡米中に届けられていた。
特集は、
「会社はどうすれば変われるのか」

この中で[名著論文再掲]は、
「社風を活かして変革する企業」
ジョンR.カッツェンバックらの執筆。

経営者が企業を変革しようとする。
往々にして組織文化には手をつけず、
戦略を転換して、変えようとする。
しかし、企業文化を触媒として、
企業を変革することができる。

その5つの原則が整理されている。

とてもいい。

それから「AJSNetwork」
オール日本スーパーマーケット協会の、
月刊機関誌。

私も10年ほど連載を書いていたし、
荒井伸也さんもずっと、
連載で論陣を張った。

石川和夫さん監修の漫画があった。

それら外部筆者の原稿が全部なくなって、
ちょっとつまらなくなった。

自分で言うのも何だが。

ほかにも「販売革新」や「月刊コンビニ」、
「月刊ボランタリー」、
「セルコレポート」などなども。

ざっと目を通すが、
やっぱり「月刊商人舎」が一番好きだ。

当たり前か。

さて、「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭essayは「今日のダーリン」

「ぼくは、うすうす想像していた。
人はだんだん
年をとっていくにしたがって、
だんだん仕事を減らしていくものだ
と、ね」

「しかし、現実の我が身を
振り返ってみると、
年をとるほどに
仕事を増やしていることに気づく」

「なんでもそうなのかもしれないが、
経験が重なるほど、
それを生かして出来ることも
増えていくものだ。
そして、出来ることが多くなれば、
したいことも増える。
そしたら、年をとったら
仕事が増えていくのも道理だ」

「だから、ぼくは年々
“はたらき者”になってきた
…ということのようだ」

糸井流の謙虚さを出す表現法。
しかし、私も同感。

「世間の人に
“さぞかし忙しいんでしょうね”と
思われていた時代は、
実はそれほどじゃなかった。
そうだなぁ、いまの半分も
忙しくなかったかと思う」

「じぶんなりに
いっぱいいっぱいだと
思っていたけれど、
そんなに頭も使えてなかったし、
遊んでばかりいた」

「それと比べてもしょうがないけれど、
年をとってからは、
ほんとによくはたらいてる」

そういう感じがする。
私も。

(株)商業界の編集長や編集統括、
社長の時代も忙しかった気がするが、
今のほうが断然、仕事をしている。

「徹夜もできなくなったし、
歩くのも遅くなったのに、
なんでだろう、
やれば出来るものだと知ってしまった」

「どれだけ大変だとしても、
嫌なことをしてないとか、
好きじゃない人に会わなくて済むとか、
自由にいられる場面ばかりになったのも
原因だと思う」

しかし。

「ええかっこしいに
聞こえないように言うのは、
ほんとうにむつかしいのだけれど、
いつのまにか、
“だれかがよろこぶことを選んで、
一所懸命にやるようになった”
からだと思えるのだ」

ん~、私は、そこまで、
かっこよくは言えない。

「じぶんのためだけに
なにかをやるのは、
つらすぎる」

「そこから、うまく逃げられたおかげで、
よく仕事をする人間に
なっちゃったような気がする」

同じような心持ちだ。
それを糸井さんが言ってくれた。

「あとは、もっと、
休み方が上手になれたら、
もっといいよね」

これはまったく同感。

糸井さんほど、
凄い仕事はしていないが、
ほんとによく働いている。

誰かが読んでくれているから、
書いている。

それが自分でもうれしい。

誰かが聴いてくれるから、
語っている。

誰かが役立ててくれるから、
考えている。

私の場合、そうだな、
ゴルフは自分のためにやっている。
小説や文学なども自分の楽しみで読む。
美術館や映画なども自分の楽しみ、
音楽やシルクドソレイユも、
…………ああ、結構、楽しんでいる。

だから「時間はいつも赤字」だ。
ドラッカー先生が言っていた。

それでも、年をとってから、
よく働いている。

これは嘘偽りのない本音だ。
そうして2018年の6月に入る。

〈結城義晴〉


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