全国的客数減・「スーパー玉出」全店売却と万代大学6月2日目講義
5月が悪い。
商人舎流通SuperNews。
セブン&アイnews|
コンビニ既存店0.3%増/イトーヨーカ堂・ベニマル苦戦
セブン-イレブン・ジャパンの既存店は、
かろうじて前年同月比売上高100.3%。
それでも客数98.2%、客単価102.1%。
客数は1.8%のマイナスだ。
イトーヨーカ堂は、
既存店売上高97.1%、客数97.2%。
ヨークベニマルも既存店売上高は97.8%、
客数99.4%、客単価98.3%。
全店ベースでは100.9%。
そごう・西武は既存店売上高97.4%、
全店ベースは84.1%。
H2Oに店舗を譲渡したから。
一方、U.S.M.H news|
5月客数減響き既存店売上高1.8%減
既存店売上高は2.2%減、
客数は2.4ポイント減少。
3月から5月までの累計既存店は、
98.2%で客数1.8%減がそのまま響いた。
アークスは既存店前年比96.9%、
客数96.9%、客単価99.9%。
ほとんどの企業が客数減に悩む。
深刻な状況だ。
ただしヤオコーだけは、
5月既存店101.1%と健闘。
それでも既存店客数は98.6%、
客単価の102.5%でしのいだ。
日本中に深刻な客数減の現象が訪れる。
もしかしたらeコマースの影響か?
関西で衝撃のニュース。
共同通信が配信した。
玉出ホールディングスが、
スーパーマーケット45店を、
イセ食品の関連会社に売却。
小売事業から撤退する。
「スーパー玉出」は派手な満艦飾の店で、
「日本一安売王」をモットーに掲げる。
「1円セール」など展開するが、
7月上旬に全店を売却する。
売却先は「フライフィッシュ」。
鶏卵業界トップのイセ食品の関連会社。
店舗バナーや設備はそのまま使われ、
従業員の雇用は原則的に引き継がれる。
つまりそのまま営業される。
売却額は約45億円。
45店を45億円、つまり1店1億円。
これは安過ぎるが、中身はわからない。
玉出ホールディングスは、
大阪府内外の不動産管理業となる。
共同通信の取材に玉出の幹部の答え。
売却の理由は「社長が高齢」となったため。
「格安の創業精神を継承する企業が見つかった」
「安売りだけの商売の終焉」
マーケットゲリラの時代も終わり。
しかしやはり4月5月の客数減は、
玉出にも大きな痛手となったに違いない。
深刻な状況が、表に出て来た。
さて私は一昨日から大阪。
昨日今日と万代知識商人大学。
ホテル・ロッジ舞洲の朝方、
滝のような雨が降った。
2階の会議室のホワイエ。
この左手が万代企業内大学の講義会場。
8時前には全員が集合し、
講義がスタート。
講義の前に、各班から1人ずつ発表。
昨日の講義は、
マーケティング・マネジメントだった。
そこで学んだことから、
何を実行すべきか。
班ごとにディスカッションして、
それを代表者が発表。
2班の友俊介さん。
上野芝店グロサリーチーフ。
そして6班は寺田悟さん。
八雲店の店長に昇格したばかり。
おめでとう。
そしてすぐに講義開始。
2日目の今日の午前中のテーマは、
サプライチェーンマネジメント。
製造業のプロダクトマネジメント、
小売業のオペレーションマネジメント。
その変遷の歴史。
さらにデミングの品質管理、
トヨタ生産方式。
そしてサプライチェーンにおける、
「後工程はお客様」の重要性を強調して、
約2時間の講義を終えた。
第2講義のテーマは万代のSCM、
サプライチェーンマネジメント。
よくできた精密なスライドを使って、
万代のSCM政策と、
商品部の具体的な取り組みを、
解説してくれた。
中筋さんの講義が終わって、
サプライチェーンマネジメントを、
再整理する。
さらにマーケティングの再確認講義。
1980年代に黒田節子さんが著した3部作。
⑴『買い方革命』
⑵『1200食のマネジメント』
そして⑶『売り方革命』。
実に先見性のある著作群だった。
それらを紹介しつつ、
現在のマーケティングのあり方を整理して、
午前の講義を終了。
最終講義は、
万代大学学長の結城義晴。
2日間の講義をまとめながら
1人ずつ、学んだことを質問していく。
なぜか、なぜなのか。
それを5回繰り返して問う。
その姿勢が大事だ。
それを習慣化することがもっと大事だ。
自ら考える。
それが知識商人だ。
このことを強調して、
2日間の合宿講義を終了。
事務局の津田睦さん(右)、
東尾里恵さん(左)に送られて、
ロッジ舞洲をあとにした。
それにしても玉出の店舗売却。
4月・5月の全国的な客数減。
強烈なチラシを打ち続けたり、
安売りしたりするだけでは、
客数は確保できない。
ロイヤルカスタマーをつくり、
増やし続けられる企業だけが、
生き残り、成長・発展するのだ。
〈結城義晴〉